2011年10月 記事一覧
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三店方式によるカジノ合法化
さて、ここでようやく私の本業のカジノの話に戻る。私が皆様から様々なご質問を頂く中で「パチンコと同様の三店方式でカジノを運営することはできないのか?」という問合せを頂く事がある。この三店方式を利用したカジノ運営は、1999年に石原都知事がぶち上げた当初のお台場カジノ構想においても検討されており、アイデアとしては昔から存在するものである。今日は、その点に関して言及してみよう。
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三店方式とは、パチンコ業種で使われる特殊な賞品の流通方式であり、これを通すことによってパチンコプレイヤーは結果的に現金を手に入れることができる。そのカギとなるのが「特殊景品」と呼ばれるパチンコ店からプレイヤーに対して提供される賞品である。 三店方式は全国一律のものではなく都道府県によって微妙に異なるが、例えば東京都ではパチンコの賞品として1000円、および2500円相当の「金(きん)」を埋め込んだ2種類のカードを提供している。これは風適法に定める「賞品として現金や有価証券を直接提供してはならない」、「賞品単価は1万円以下」のどちらにも抵触しない賞品の提供である。
プレイヤーがこの賞品を売却してしまえば現金を手に入れられるわけだが、そこにはもう一つの制約がある。それが風適法23条に記載される「賞品の買い取り行為の禁止」である。この規定によりプレイヤーは直接、パチンコ店にそれを売却するわけにはいかないので、別の主体にその賞品を買い取ってもらうこととなる。それが、皆さんご存知の景品買い取り所である。ただし、風適法の運用ルールの中では、パチンコ店が第三者に指示して賞品を「買い取らせる」行為は、パチンコ店が賞品を直接「買い取る」行為と同義のものとされており、買い取り所はパチンコ店と明確に主体を分けた第三者でなければならない。そこで生まれたのが三店方式である。
パチンコ店:賞品として特殊景品をプレイヤーに提供
買い取り所:プレイヤーから特殊景品を買い取り、卸業者に売却
卸業者:買い取り所から特殊景品を仕入れ、パチンコ店に販売
このような流通経路を通せば、特殊景品はパチンコ店にとって「卸業者から仕入れ、それをプレイヤーに提供する」という点では、その他の一般景品となんら変わらないものとなる。この流通制度は、1963年福岡高裁による司法判断の中でも「違法とはいえない」とされており、刑法にも風適法にも抵触をしない合法のものとして運用されている。
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さて、本題はこの方式を利用して現在の風適法の元で換金可能なカジノをを運営できるかどうかである。結論から先にいえば、その答えは「NO」である。
その理由は2つある。
1.風適法の7号業種にカジノは含まれない
現在、風適法でその遊技結果に対して景品の提供が許されているのは、風適法第2条1項7号に規定された7号業種のみである。現在の風適法上の運用ではカジノは2条1項8号で定められる8号業種とされており、ゲームセンターと同様のカテゴリとして規定される。8号業種は景品の提供が許されていないので、三店方式の前提となる特殊景品を提供することができない。
2.パチンコ店が設置して良い遊技機の中にカジノゲームが含まれない
それでは、名義上「7号業種」として申請した店で、無理やりカジノゲームを設置してしまえば良いのではないかと考える者もいるだろうが、それも不可能である。昨日の投稿で説明したとおり、風適法とその関連規則は7号業種に設置してよい遊技機をぱちんこ遊技機(パチンコ機)、回胴式遊技機(パチスロ機)、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール遊技機の5種と定めている。カジノゲームは、上記のどの遊技機カテゴリにも含まれないため、それを7号業種店舗に設置することは風適法上禁止される。また、少なくとも現在の法解釈の元では、カジノゲームがパチンコ店に設置してよい遊技機として認められることはありえない。
ということで、現行の風適法下で合法的にカジノ換金を行なおうとするならば、いずれにせよ法律の改正が必要となる。もし、現行で我が国に換金可能なカジノがあるとするならば、どのような手法を取ろうともそれはすべて違法なカジノである。このブログを読んでいる方々には、そのような場所には間違っても出入りしないことをお願いしたい。
ちなみに左上のプロフィールにもあるように、私は海外の合法的なカジノ産業の出身者である。違法カジノには一度も足を踏み入れたことも無ければ、今後も足を踏み入れるつもりはない。
2009年11月18日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6
カジノ関連ニュース パチンコ産業の法的位置づけ②
非常に雑駁に解説すると、遊技と賭博を区分するための条件として風適法は以下の3点を示している。
1. 賞品として現金や有価証券を提供することの禁止
--------条文(読みたい人だけ読んで)----------
第二十三条 第二条第一項第七号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二 客に提供した賞品を買い取ること。
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
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当たり前のことであるが、パチンコ店がその賞品として現金や有価証券を直接提供してしまえば、それは刑法の禁ずる「賭博」になってしまう。また、パチンコ店がプレイヤーに提供した景品をそのまま買い取ってしまえば、それもまた現金を提供したことと同義となる。よって、風適法はパチンコ店が直接プレイヤーから賞品を買い取ることも禁止している。ただし例外として、三店方式と呼ばれる方式を利用すればプレイヤーが最終的に現金を手にしても違法ではないことになっているのだが、これを正確に理解して頂くにはもう少し複雑な解説を要するので別の投稿でのちに解説する。
2. 遊技への参加料金と賞品価格に対する制限
----条文(読みたい人だけ読んで)------
第十九条 第二条第一項第七号の営業を営む風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める遊技料金、賞品の提供方法及び賞品の価格の最高限度(まあじやん屋を営む風俗営業者にあつては、遊技料金)に関する基準に従い、その営業を営まなければならない。
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いくらパチンコ店がその遊技結果に対して賞品を提供することが許可されているとはいえ、無制限にそれが許されているわけではない。賞品の提供に関しても、あくまでプレイヤーの「射幸心」を過度にそそらない範囲内であることが義務付けられている。
その詳細は風適法下に定められる国家公安委員会規則に委ねられているが、現行のルールでは「賞品単価は1万円以下」とされている。これはパチンコ屋の賞品提供を、刑法185条後段の「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」という規定の範囲に留めるために、適当として判断される基準である。また、その遊技料金に関してはパチンコならば4円/玉、パチスロならば20円/コインが上限とされている。
3. 「著しく客の射幸心をそそるおそれのある」遊技機の設置を禁止
----条文(読みたい人だけ読んで)------
第二十条 第四条第四項に規定する営業を営む風俗営業者は、その営業所に、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして同項の国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない。
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また、パチンコ店に設置できる遊技機も国家公安委員会規則でその基準が定められており、ぱちんこ遊技機(パチンコ機)、回胴式遊技機(パチスロ機)、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール遊技機の5種類が遊技機として認められている。それぞれの遊技機には、射幸心をそそる度合いを表す「射幸性」の基準が設けられており、その基準を超えるものは「著しく客の射幸心をそそるおそれがあるもの」としてパチンコ店への設置が禁止されている。
風適法は上記3要素を通して「遊技」と「賭博」を区分し、前者を合法的な営業行為としているのである。
◆
さてさて、ここまでが私の解説する遊技産業の法的位置づけである。上記は皆様に判りやすくかなりザックリと解説しているものなので、この辺りに本当に興味がある方はぜひ弊社に直接お問合せを頂きたい。そもそも私は賭博たるカジノ産業の専門家であり遊技産業は少し専門を外れるので、弊社内の遊技業種専門家をご紹介する。
そんな私があえてここで遊技産業の解説を行なったのは、この理解が次にご紹介するカジノのお話に繋がってくるからだ。この続きはまた明日。
2009年11月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/783172.html
公営カジノは難しいよ、橋下さん
昨日の投稿で公設民営を論じたついでに、本日は公営カジノ構想について。
2ヶ月ほど前、大阪の橋下知事が大阪カジノ構想を打ち出したというニュースが報道された。
http://www.sankei-kansai.com/2009/09/15/20090915-014642.php
これ自体は私の立場からすれば非常に喜ばしいことなのだが、そこで橋下知事は大阪のカジノは「公設公営」が良いと論じたらしい。しかし、専門家の観点からいえば公設公営の賭博運営には非常に難しい問題が付きまとう。
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「公設公営」の賭博事業といえば、まず思い浮かぶのが伝統的な公営競技業界である。我が国の公営競技は高度成長期、バブル期を経て、非常に大きく成長した。当時建設された競技場は非常にお金をかけた重厚なものであり、また産業の成長に合わせてそこで働く労働者もかなりの数が雇われた。しかしその後、日本ではバブル経済が崩壊。低成長時代に突入し、公営賭博需要も急激に目減りした。
このような状況に陥った時、民間企業ならば施設規模の縮小や、人件費の圧縮などあらゆる形のコストカットで、低下した需要に見合ったサイズにまでとりあえず事業規模を縮小させる。いわゆる事業の縮小均衡化政策である。しかし、それが適わないのが公営競技の世界である。
当然の事ではあるが公営競技で働く労働者はその殆どが民間人ではなく公務員、もしくは公的な目的のために設立された特殊法人等に属する準公務員である。この彼らの給与や身分が日本の行政システムの中で強固に守られてきたのは皆様もご存知の通り。公営競技の世界でも同様に、競技場の経営状態がどれだけ悪くともそこで働く労働者をクビにしたり、給与減額をすることは難しかった。(もちろん業界側は減額のために一定の努力はしたと主張しているが)
ダブ付いた人員を喰わせてゆく為には、常に事業を拡大する方向で投資を行なうしかない。多くの公営競技は、バブル崩壊と共に需要が縮小する中で、巨大な観客用スタンドの建設や、マルチスクリーンの設置など、市場の実態に合わない無理な投資を続けざるを得なかった。現在、多くの公営競技が赤字となっているのは、バブル時代に肥大した事業を一端整理することなく、ズルズルと拡大路線をとり続けざるを得なかった公営賭博事業の構造上の欠陥にその原因がある。
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賭博を事業として我が国で認可するにあたって、確かにそこに「公共性」は不可欠である。しかし、賭博事業はいわゆる社会インフラとは異なり、常に消費者の需要や嗜好の急激な変化にさらされるサービス産業でもある。このような業態を「公」が完全に受け持つことは同時に、そこから生じる投資リスクや事業リスクを公が負うことを意味する。その結果が「赤字垂れ流し」と批判される、現在の多くの公営競技事業である。そのような公の負うリスクを最小化するために導入されているのが、昨日ご紹介した民間事業者への運営委託スキームであり、すべての公営賭博が公設民営に移行する中でカジノだけが公設公営を目指すなどというのは完全に時代の逆行になる。
まぁ、それ以前に産業出身の人間の立場からすれば、カジノで提供されるサービスは馬券の窓口販売と異なり、高度に訓練されたサービススタッフでなければこなせない。ディーラーやホストなどカジノサービスの中核を担うスタッフを準公務員の立場の方々がこなせるとは思わないし、個人的にそんなカジノに行きたいとは思わない。
2009年11月14日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=7
公設民営を前提としたカジノ合法化
11月10日の投稿で「公設民営」という少し特殊な業界概念をご紹介した。
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/644712.html
今回は、それをもう少し詳しく解説したい。
この公設民営という概念はUniversity of Nevada, RenoのWilliam Eadington教授などが唱えているカジノ分類手法の一つ。カジノに関する権能を、試行権(カジノの開設を決断し、その基礎的な運営方針を決定する権利)と運営権(カジノへの開発投資を行い、それを実際に運営してゆく権利)に分け、それを公(国、自治体)と民(企業)のどちらが負うかで実際のカジノを整理してゆくものだ。このように考えると世の中のカジノは以下の4つのどれかに分類されることとなる。
・公設公営
公が試行権と運営権の両方を担う形式。国や自治体がカジノの基礎的な運営方針を決定した上で、公金でカジノを運営する。
・公設民営
公が試行権を握りながら、その投資開発、運営を民間企業に委託する形式。国や自治体のカジノ施設に対するコントロールをある程度維持しながら、投資や運営などリスク部分を民間に負わせることができる。ただし、民間企業にコミッションとして収益部分から一定比率を支払う形となるので、公への収益配分は公設公営と比べて少なくなる。
・民設民営
民がすべてをコントロールするあり方。一般的な業界と同様に民間事業者が自由に事業を営むあり方。
・民設公営
民が施行権を握り、公がそれを運営するあり方。理論上はこのようなカジノもあり得るが、実際にこれを採用するカジノは存在しない。
現在、日本が目指しているカジノ方式はこのうち公設民営のスタイルである。
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このように解説すると非常にややこしく良く判らない概念のように感じるかもしれない。しかし、実は公設民営の賭博事業運営のあり方は我が国においては伝統的に存在しており、それほど珍しいものではない。その判りやすい例が「宝くじ」である。
我が国の宝くじ事業は、「当せん金付証票法」という法律を論拠に運営が行なわれているが、その当せん金付証票法では宝くじ事業の主体となれる団体を以下のように規定している。
第4条
都道府県並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市及び地方財政法(昭和23年法律第109号)第32条の規定により戦災による財政上の特別の必要を勘案して総務大臣が指定する市(以下これらの市を特定市という。)は、同条に規定する公共事業その他公益の増進を目的とする事業で地方行政の運営上緊急に堆進する必要があるものとして総務省令で定める事業(次項において「公共事業等」という。)の費用の財源に充てるため必要があると認めたときは、都道府県及び特定市の議会が議決した金額の範囲内において、この法律の定めるところに従い、総務大臣の許可を受けて、当せん金付証票を発売することができる。
読むのも面倒臭い条文だが、要するに宝くじを売ることが出来るのは都道府県と全国の政令指定都市のみとされている。しかし、皆さんが実際の宝くじを購入するとき、それが都道府県や政令指令都市から発売されているからといって、宝くじを買いに役所には行かない。街の販売所で宝くじを購入するだろう。実は、これが日本で伝統的に行なわれている公設民営の賭博運営の典型例である。
「当せん金付証票法」では、第6条に以下のように定められている。
第6条
当せん金付証票の作成、売りさばきその他発売及び当せん金品の支払又は交付(以下「当せん金付証票の発売等」という。)については、都道府県知事又は特定市の市長は、銀行その他政令で定める金融機関(以下「銀行等」という。)の申請により、その事務をこれに委託して取り扱わせる。
これも判り難いのでザックリとまとめると、都道府県や政令指定都市は宝くじ事業の実務部分を民間の企業に委託することができるというルールだ。我が国では伝統的に、この業務委託をみずほ銀行が受けており、みずほ銀行はこのルールに基づいて宝くじ事業の販売や換金などの運営実務を行っている。更に言えばそのみずほ銀行も委託を受けたその業務の一部を、他の民間事業者に再委託することが認められている。皆さんが街のいたるところで見かける宝くじの販売所の多くは、みずほ銀行から業務の再委託を受けた民間事業者である。多くは元々街でタバコ屋や酒屋などを営んでいた個人商店が業態転換をしたものであり、当然、各販売所の開業資金はそれぞれのタバコ屋のオヤジが負い、その投資リスクも100%各人が負う。販売所の経営が上手く行かず潰れたとしても、オヤジが泣くことはあっても公にその被害は及ばない。
このような公設民営の賭博運営のあり方というのは、宝くじだけではなくその他の我が国の賭博業態においても同じである。競馬や競輪をはじめとする我が国の公営競技では、2000年あたりを境に一気に各論拠法の改正が行なわれ、民間事業者への運営業務委託が可能となった。少し前に、ホリエモンさんが元気であったころのライブドアが群馬県の高崎競馬場を買収するなどというニュースが大きく報道されたことがあったのを覚えているだろうか?あれも、公営競技の公設民営化の一環だ。同様に現在経営難を抱える全国の多くの公営競技場は民間への運営委託に移行しようとしている。
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世の良識派を自称する方々は「カジノ運営に民間が入ってきたら、必ず不正が蔓延する」「組織犯罪が入り込むに決まっている」などと民間運営を前提とするカジノ合法化を批判するが、それは完全に不見識である。私たちが街で毎日見かける宝くじにも、全国で毎週末に行なわれている公営競技にも、とっくの昔に民間企業による運営が導入されている。いまさら「民営だから危ない」などという理屈は成り立たない。公の適正な管理の下で運営が行なわれれば、そこにとてつもない社会悪が生まれるようなことはあり得ないのである。
2009年11月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=7
マカオカジノ株の大暴落
さて、東アジア圏の信用不安によって、マカオカジノ関連株が大暴落しています。マカオローカルカジノ大手である、SJM社の株価は25%down、米国大手のMGM社は20%down。その他のマカオカジノ関連株は軒並み15~25%の間で株価が下落している様相です。某投資顧問会社でファンドマネージャーとして働く友人からは、さっそく「もはや地獄絵図です」との報告が。。
以下は、ブルームバーグによる関連した報道(英文)。
Macau casino stocks plunge on credit crunch fears
(マカオカジノ株、信用不安によって大暴落)
http://www.businessweek.com/ap/financialnews/D9Q4OU5G2.htm
2007年に始まった金融不況をカジノ業界が何とか乗り切ったのは、不調なアメリカ市場をマカオやシンガポールに代表される新興市場が裏支えしたからこそ。ところが、今回の信用不安は世界同時多発的な様相で米国、欧州、中国と世界の主要国が軒並み共倒れ状態ですからカジノ企業も逃げ場が無い。唯一残された「逃げ道」が、他国と比べると比較的信用リスクが少ないと評価されている我が国のカジノ合法化となるのでしょうか。
一方、「日本も早くカジノ合法化しないと、見限って他国に投資するぞ」と迫ってきていたカジノ企業も、これで軽々に他国に対する資本投下が出来なくなりました。我が国ではカジノの実現までにどの道、数年かかりますからもう少しじっくりと腰を落ち着けて論議が出来るようになったのは個人的に良い事だと思います(もちろん一定のスピード感の元での話しですが)。
ま、「早く合法化しないと他国に...」という脅し文句(?)は、カジノ企業が年中どの国に対しても行っているブラフみたいなもの。韓国に対してもベトナムに対しても同じようなメッセージを数年前から発し続けていますから、それを真に受けて「早くしないと投資家が逃げる」などと大騒ぎしている人達を、私は比較的冷ややかな目でみていましたがね。。
2011年10月05日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
日本のカジノ法制論議で最も欠けているもの
2006年、当時与党に座にあった自民党はすでにカジノ合法化に向けた法案骨子を作成し、発表している。政権が変わった今、民主党は改めてその対案となるカジノ法案の作成を進めているわけだが、私は今の制度論を拝見して、そこに様々な制度設計上の不備を危惧している。
現在行われているカジノ法制論議における最大の問題であり、同時に完全に抜け落ちている点は、機器やその製造者に関する視点の欠落である。この業界を外から見ている方々にとって、カジノ業界とは多くの場合が施設運営業のみを指す。彼らが「お客様」としてカジノを訪れた場合、当然最初に目に入るのはカジノ施設そのものであり、それを運営している事業者である。そちらに興味の中心が置かれるのは致し方ないことだろう。
しかし、私のような業界出身の人間にとっては当たり前のことなのだが、カジノ業界は施設運営を中心に行なう「オペレータ」と、機器製造を中心に行なう「メーカー」の両輪で動く業界である。その両者はそもそもサービス業、製造業として業態やビジネスモデルが大きく異なる上に、それを規制するために求められる制度の在り方も異なる。法制論議を行う場合には「施設」に掛けるのと同じだけの論議を「機器」に対しても行わなければならない。そういった産業の実態を捉えないまま制度論が進んでいるため、現在の我が国のカジノ法制は両輪のうち片方だけに力点が置かれながら非常に不恰好な形で前に進んでいる。
このような、制度設計上の不備があるままで「見切り発車」してしまうと、日本の風適法下におけるパチンコ産業のように、将来のカジノ産業に様々な不都合が生じることとなるだろう。(風適法は営業だけを取り締まりの対象とした法律であり、機器や製造に関しての規定はない。それがパチンコ業界の抱える多くの問題の原因となっている。)
実は、私自身はこの点を大きな問題と考え、すでにその対策を始めている。近々、その結果をご紹介できるものと思う。
2009年11月12日
引用元;http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=7
ユニバーサルエンターテインメント:フィリピンカジノプロジェクトの説明会開催
いやー、いよいよ発表となりましたね。ユニバーサル社のフィリピン開発プロジェクト。9月22日の投稿でこのプロジェクトに関して少し触れましたが、実は同社がこの開発に関して発表間近らしいなどという話を某金融関係者さんから小耳に挟んでいたので、その前置きとして書いたものです。
以下、日本インタビュ新聞社による報道。
ユニバーサルエンターテインメントは世界最大のカジノリゾートプロジェクトの説明会開催
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1006&f=business_1006_051.shtml
[...]マニラベイツリゾーツの概要は、プロジェクト全体の総延べ床面積60万平方メートルの大プロジェクトで世界最大級のカジノリゾートになります。この中に、客室数450室を持つVIP向けカジノホテル、600室のラグジュアリィ志向カジノホテル、1,000室のバジェットホテルを計画しています。カジノフロアの総面積は28,000平方メートル、テーブルゲーム台数500台、スロット台数は、3,000台であります。そのほか、150店舗以上からなるショッピングモール、レストラン、スパ、屋内型ビーチクラフト、世界最大の噴水・ショー施設を備えています。VIP向けのホテルは自社で運営、ラグジュアリィ志向のホテルは大手国際ホテルチェーンと運営委託契約を締結することを予定しております。飲食施設につきましては、Japan Quality, Japanese Hospitalityのもてなしで和食、洋食、中華を20店舗以上の直営店を併設する予定です。
次に施設の目玉となる、施設の中心に配置された世界最大級の噴水を用いて、ショーを行います。その他、ドームで覆われた室内で屋内型のビーチクラブを設け、常夏の環境を提供することで人々が集まる空間を演出いたします。[...]
上記リンク先の記事にもありますが、現在フィリピンはマカオ、シンガポールに続くアジア圏第三のカジノ市場としてカジノ開発案件の発表が相次いで行われています。ユニバーサル社の他には、同国内最大のカジノ開発事業者であるアライアンス・グローバル社も2,500室級の新しいカジノプロジェクト2軒を先月発表したばかりです。
ただし、前回の投稿でも述べた通り、今、世界的な信用不安の元でカジノ事業者は資金調達が非常に厳しい状態にあります。(昨日、香港株式市場では少し良い材料が出てきた事でマカオ関連株が反発したようですが、根本の信用不安問題は解決されていませんので厳しい状況には代わりがありません。)
これからがユニバーサル社の実力が問われるところでしょう。カジノ業界では欧米の(主に米国の)カジノ開発企業ばかりがもてはやされる中、日本人の私としては、もちろん和製のカジノ開発企業の誕生を応援しています。今後も注目してゆきましょう。
2011年10月07日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ関連ニュース ギャンブル依存症の正しい理解と共通番号制
先日の投稿でtwitter上での様々なギャンブル論議をご紹介しましたが、先週、また新しいテーマで論議が巻き起こりましたので以下にご紹介します。内容の大半は、このブログ内でも散々述べてきた事ですが、一方通行のブログと違い、twitterは様々な方々との意見のキャッチボールがあって別の価値が生まれますね。異なる専門分野の方からも積極的に発言を頂いており、私自身も大変勉強になっています。
ギャンブル依存症を正しく理解しよう
http://togetter.com/li/146754
私は賭博業の専門家として、現在政府内で検討が行われている共通番号制度が、依存症問題のブレイクスルーとなる可能性を感じています。この問題には、私が専門とするカジノはおろか、パチンコ産業、4公営競技、宝くじ、スポーツくじなどすべての賭博&遊技関連業の人間が協調して挑まなければなりません。
パチンコ業界の方々の中ではすでにその重要性を知覚して動き出してくれている人達がいますが、問題は公営賭博の人達ですね。公営賭博の人達は自らが賭博業の一角を占めているにもかかわらず、一貫して依存症とは無関係というスタンスを取り続けており、その対策に積極的に乗り出していません。近年に至っては公営競技のスポーツ性のみを前面に押し出すPRを続けていますが、如何に競技性を打ち出そうとも、公営競技が同時に賭博であるという事実は覆りません。
また、ともすれば宝くじやスポーツくじの人間は、自らのやっている事業が賭博ではないような認識でいる事も多いですが、「偶然の勝負に関し、金品をかけて勝負を争う」ゲームを提供している限り、宝くじもスポーツくじも紛れもなく賭博です。「我、関せず」のスタンスで居ることは無責任極まりないといえるでしょう。
繰り返しになりますが、今回の共通番号制度の論議は、すべての射幸ゲームを提供する業界がはじめて共通の枠組みの中で、依存症という問題に取り組むことの出来る可能性を含んだ制度です。公営競技業界の方々によるこの論議への参戦をお待ちしています。
2011年06月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
カジノ関連ニュース 義務教育の中に賭博教育を
某所で起こったギャンブル依存症に関連する論議を以下にまとめる。事の発端は私が発した以下のような問いかけ。
【木曽】
日本の学校ってさ、何で教育課程で賭博や遊技との正しい付き合い方を教えないのかな。喫煙、飲酒は義務教育の中でそれを教える事が指導要領の中で決まってるじゃない?何で同じように大人になってからそのリスクを理解した上でたしなむべき賭博だけは教育されないの?
実はこれは私が賭博の専門家として常々思っていたこと。我が国では小・中・高校の教科内容を定めて文部科学省が告示する学習指導要領の中で、体育もしくは保健体育の授業の一環として喫煙、飲酒、および薬物乱用に関する指導を行うことが定められている。しかし、その中に「賭博」の二文字は一切出てこない。
【参照】学習指導要領における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の内容等
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/16194.pdf
賭博は、飲酒や煙草と同じように大人になってからそのリスクを理解した上でたしなむべきものである。それを教育されずに、いきなり社会に放り込まれれば、若者達の中に賭博と間違ったお付き合いの仕方をしてしまう人も出てくるのは想像に難くない。私はギャンブル依存症に関しては、この部分が一番の問題なのではないかと思ってる。
「賭博は大人になってからそのリスクを理解した上でたしなむべきもの。」
これは、大人ならば誰しもが知っている(知っていなければならない)理屈ではあるが、我々は果たしてそのリスクを真に理解してきたであろうか? 小学校の授業でタバコによって真っ黒になった肺の写真を見せられて衝撃を受けたように、賭博に関する適切なリスク教育を受けてきたであろうか? これから大人になり社会に向かって巣立つ若者達に対して、そのリスクをしっかり教えておく必要は無いだろうか?
このような私の問いかけに対して、これまで賭博&遊技業界人、医療関係者、脳神経学者の方々などからはじまり、普段は私と相容れないアンチ賭博運動を行っている活動家の方に至るまで様々な人達からメッセージを頂いたが、皆様のご意見は一様に「言われてみれば確かにオカシイ」、「賭博教育をやるべきだ」というものであった。唯一、メッセージを頂けていないのが、現在の学校教育制度を担っている教育関係者である。教育関係者は賭博に関して非常に強い抵抗感を示す人間が多いが、なぜ自らの責任範囲の中でギャンブル依存症対策を行っていないのか? ぜひ、喫煙・飲酒教育を行いながら、一方で賭博教育を行ってこなかった理由を教えていただければ幸いである。
繰り返しになるが、賭博というのは飲酒や煙草と同じように大人になってからそのリスクを理解した上でたしなむべきものである。これを教育せずして社会に放り込めば、若者達の中に必ずその付き合いの仕方を間違える人間も出てくる。私は賭博業界に所属する人間の責務として、これから「我が国の学習指導要領の中に喫煙・飲酒と同様に賭博教育を盛り込むべき」と殊に主張をしてゆこうと考えている。
もし、本ブログをご覧の方々の中に教育学の専門の方がいらっしゃるのであれば、ぜひ、早期の実現に向けたご検討をお願いしたい。
2011年05月31日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
カジノ関連ニュース ギャンブル依存症をご理解頂くための練習問題
ギャンブル依存症の問題点を正確にご理解頂くために以下のような練習問題を作りました。3問出しますので、チャレンジしてみてください。
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(第一問)
Sさん(27)は金融関係の会社で働く総合職。仕事がよくできると上司の評価も高く、入社5年目の今年から責任のある大きな仕事を任されるようになりました。張り切っ て仕事に打ち込むSさんですが、夜遅くまでがんばるため、帰宅は連日 22 ~ 23 時。おなかがペコペコになっているため、コンビニで食料品を大きな袋一杯になるまで買い込み、帰宅するとすぐ貪るように食べます。
あまりの姿に驚いた母親から注意されると、隠れて食べるようになりました。気分が悪くなるまで一心不乱に食べ続けます。はじめはおなかを満たすために食べていたのですが、そのうちに食べること自体がSさんのストレス解消法になってしまいました。
ところが、食べ終わると同時に、猛烈な自己嫌悪に襲われます。このままでは太ってしまうのではないか。Sさんはトイレに飛び込んで、食べたばかりのものを 吐き戻すようになりました。それからは毎晩、食べては吐き、食べては吐きと繰り返しています。市販の下剤も乱用するようになりました。
仕事によるストレス
↓
Sさん--------------------->食べ物
(問い)
上記のようなシチュエーションでSさんが摂食障害(食べるという行為に対する依存)に陥った原因として、もっとも相応しいと考えられるものは何か?
a) Sさん自身
b) 仕事のストレス
c) 食べ物、もしくは食べるという行為そのもの
-----------------------------------
(第二問)
派遣社員のDさん(25)は派遣先で知り合った既婚男性と男女の仲になりました。Dさん自身は心からその男性を愛していたのですが、それは報われない愛。しばらくその関係は続いたものの、悩んだ末にDさんはその関係を解消し、仕事も代えました。彼が居なくなった事でポッカリ心に穴があいてしまったDさんは、その思いを振り払うためか昼、夜と2つの仕事を入れ、必死に働きます。しかし、それでも彼女の心の穴は埋まりません。
しかし、Dさんはやっとその心の穴を埋めるものを見つけました。それが「買い物」でした。最初の大きな買い物は、エルメスのお店で見つけた白のバーキン。まさに一目惚れでした。しかし、自分の貯金額では決して買えない120万円という大金。どうしようか、1時間近く悩みました。けれど、これだけ頑張っているんだから、少しくらい贅沢をしても良いじゃん!という思いで、カードでの購入を決意したのです。彼女には後悔はありませんでした。胸に空いた大きな穴もほとんど気にならなくなり、気分的にも最高潮でした。
しかし、そこからDさんの生活は一変しました。何か買わないと、むずむずして仕方が無いのです。Dさんは、心の穴を埋めるために買い物を続け、いつしか借金は500万円を超えるまでになりました。
彼と別れた事による虚無感
↓
Dさん--------------------->買い物
(問い)
上記のようなシチュエーションでSさんが買い物依存に陥った原因として、もっとも相応しいと考えられるものは何か?
a) Dさん自身
b) 彼と別れた事による虚無感
c) ブランド品、もしくは買い物という行為そのもの
-----------------------------------
(第三問)
38歳主婦のC子さん。長男が生まれ育児に悩みを抱えていたとき、たまたま立ち寄ったパチンコ店。そこで大当たりをして、一気に5万円を稼ぎました。Cさんは、これをキッカケにパチンコにのめりこみ、次第に店に行かないとイライラして育児も手につかなくなります。常時、「パチンコ店に行きたくて仕方がない」状態に陥り、あれだけ大音量のパチンコ店であっても、台の前に座っていると何故かスーっと落ち着いてくるのです。
C子さんは、その後2人目の子供を妊娠。出産を控えた不安感もあって、パチンコ通いはエスカレートし、毎日のように店に通うようになったのです。夫に内緒で幼い子を保育園にあずけ、一日中パチンコをやったC子さん。パチンコを終えて保育園に迎えにいった時の子供の笑顔を見ると、いつも「止めよう」と罪悪感に苛まれるのですが、パチンコをやりたいという衝動を止められないのです。
C子さんはその後もパチンコ店に通い続け、預金や保険を解約。銀行や消費者金融からも金を借りました。パチンコにつぎ込んだお金は最終的に500万円を超えてしまいました。
子育てに対する不安感
↓
C子さん----------------------->パチンコ
(問い)
上記のようなシチュエーションでC子さんがパチンコ依存に陥った原因として、もっとも相応しいと考えられるものは何か?
a) C子さん自身
b) 子育てのストレスや不安感
c) パチンコ、もしくはパチンコで遊ぶという行為そのもの
----------------------
上記練習問題の答えは、以下のリンク先を読んで頂ければ判ります。
過ぎたるは及ばざるが如し
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/706673.html
カジノが出来ても依存症は増えない
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/1774601.html
自己排除プログラム:セルフエクスクルージョン・プログラム
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/1889109.html
依存症は誰しもがかかり得る「心の病気」です。人間が、何かに依存しなければならないという事のない、より良い社会を目指したいものです。
2011年02月21日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
カジノ関連ニュース 入場料制度の危険性
入場料を課す業態の代表格といえばテーマパークであるが、例えば皆さんがディズニーランドを訪れる際のことを想像して欲しい。
現在、東京ディズニーランドの入場料は5,500円、年間の入場パスが40,000円である。いまさらあえて説明するのもおかしな話だが、この入場料は1日何時間園内で過ごそうとも変わることがなく、年間パスにおいては年間でどれだけ施設を訪れようともその料金が変わることは無い。このような料金システムの下で入場料を支払った場合、皆さんはどのような消費行動を起こすだろうか?
その答えは毎日、朝のディズニーランド前で見られる。ディズニーランドでは、朝一番で駆けつけた入園客が必ず開園前に列を作り、先を争ってアトラクションを体験する。朝の開園から夜の花火が打ち上がるまで、せっかく5,500円の入場料を支払っているのだからそれを目一杯楽しもうとする。逆に、5,500円を払って1,2時間でディズニーを立ち去る入場者は、よほどの変わり者であろう。
年間パスに関しても基本的に同じ。4万円の支出の元を取るために、足繁くディズニーを訪れるというのが当たり前の消費者心理である。
◆
ディズニーの場合は別にこれで問題ない。しかし、同じような消費者心理がカジノの入場料に向けられた場合はどうだろうか? カジノというのは自ら適正な予算を設定して娯楽の範囲で楽しむべきものであり、自分が設定した予算が無くなってしまえば「なんだー残念」と舌打ちしながらもそこから立ち去るのが有るべき姿である。全体のうちの殆どの消費者は、健全なる娯楽としてそうやってカジノゲームを楽しんでいる。
しかし、そこにもしテーマパークのケースと同様の「入場料の元を取らなければならない」という異なった価値観が持ち込まれたとき、その消費行動がどのように変化するだろう。消費者が、自分が設定した予算を超えてしまっているにも関わらず、「入場料の元を取る」ために必要以上にカジノに滞在してしまうことはないか? 「せっかく年間パスを買ったのだから」という理由で、必要以上の頻度でカジノを訪れてしまう事はないか? カジノへの入場料の設定は、本来ならば正しい消費行動を行なうことができるはずの消費者に、間違った消費行動を起こさせてしまう可能性のある危うい制度であると私は考える。
カジノゲームというのは、やりたい時に自由に参加でき、止めるべき時に自由に離脱できるのが最も健全な「有るべき」姿であり、それが過剰なギャンブルを助長しない理想的な制度の在り方である。ましてや「元を取ろう」などという考え方は、カジノにおいては最も危険な思考である。我が国のカジノにはそのような発想を消費者に抱かせうる要素は、1ミリたりとも持ち込ませるべきではない。
カジノへの入場料制の採用は、そもそも論として間違った依存症への理解から発想された制度であるというのは以前の投稿で論じた通りであるが、それ以上に入場料制は健全な消費者の消費行動にまで影響を与えうる完全に間違った施策である、これが専門家としての私の主張である。
2010年02月22日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
「金持ちだけがカジノに入れるように...」の論議
「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」
このアイデアは有力な議員、および一部の専門家などからもしばしば発言がなされており、我が国のカジノ合法化論議においては比較的メジャーな制度提案である。しかし、もしそのような主張を展開している方々が「貧乏人にはカジノで遊ぶ資格はない」という変な所得差別意識からそういった制度提案をしているのではないのだとすると、私はその主張の論理的な妥当性にかなり疑問を持たざるを得ない。
・・・という風に若干皮肉交じりの口火の切り方をしたが、私としても彼らがこういった発言をする「動機」というのはシッカリと理解をしているつもりである。要するに彼らはカジノ導入から発生する依存症を懸念しているわけだが、私はその制度提案の「理念」の部分では大いに共感するが「手法論」としては賛同できないのである。
◆
彼らの主張が何故間違っているかというのは、これをアルコール依存症の論議に置き換えてみれば体感的にすぐにお判り頂ける事と思う。
「アルコール依存症の懸念があるので、我が国ではお酒に強い体質を持つ一部の人達にだけにその消費が許されるべき。」
もしこのような制度提案をアルコール依存症対策のために提案をする人間がいたとしたら、多くの人はこのように彼を諭すのではないだろうか?
「アルコール依存症は、お酒が弱いから起こる病気ではありませんよ...」
適正な飲酒教育がなされている皆様方は常識としてご存知のことだと思うが、アルコール依存症はお酒が弱いから起こる病気ではない。むしろ、お酒が強い人間の方が飲酒という行為、もしくはアルコールという物質の摂取を継続的な習慣としやすく、アルコール依存症の発生リスクが通常より6倍も高いという調査結果がある位だ。
http://pharm.ph.sojo-u.ac.jp/genometalk/gt83.pdf
以前にもこのブログ内で論じたとおり、依存状態というのは人間に本来備わっているはずの「物事を適正な程度に保つ」というコントロール機能が崩れてしまっている状態のこと。そこに個々人の許容量(アルコールで言えば「お酒に強い・弱い」)は関係ない。例えお酒に強い人であっても、その適正なコントロールを失ってしまえばアルコール依存となり得るのである。
◆
・・・という例を示した上で、もう一度皆さんに問いかけてみたい。「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」という主張は、果たして依存症に対する正しいアプローチなのだろうか?
「お金を持っている、持っていない」というのは、アルコールでいう「お酒に強い・弱い」に相当する許容量の問題。それを依存症の発生にからめてしまって「貧乏人にはカジノに入場させるべきではない」とする主張の根底には、「貧乏人は依存症になり易く、お金持ちは依存症になり難い」という間違った理解がありはしないか? しかし実態はというと、例えその人の稼ぎが人より少しばかり大きかったとしても、ギャンブル依存症になる例は幾らでも存在する。
依存症はより強い刺激を求めて時間とともに悪化する進行性の病気である。そのような進行性の病気において「その人がどれだけお金を持っているか」という論議は全く意味を成さない。どんなにお金を持っている人であっても、それが無尽蔵に湧いてくる人以外は、何れかの時点で必ず問題が表面化する。基本的にはアルコール依存症と個々人のアルコール耐性の関係と全く同じなのである。むしろアルコール依存症の例に則って言えば、カジノとの接触を継続な習慣としやすいお金持ちの方が依存症になるリスクが高いかもしれない。(残念ながらそれを裏付ける調査は今の所無いが...)
要するに、依存症対策と入場者の所得を結びつける発想は、完全に間違っているということだ。
しかし、我が国ではこれより益々、この「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」という間違った主張が強く展開されてゆく可能性がある。何故ならば、先日、初のカジノが開業したばかりのシンガポールが同様に「金持ちしかカジノに立ち入らせない」ような制度設計の下でカジノを合法化したばかりだからだ。
私はいち専門家として、ここに非常に大きな危機意識を持っている。
2010年02月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
カジノ関連ニュース 自己排除プログラム:セルフエクスクルージョン・プログラム
一方で、私も含めてカジノ業界の人間は依存症という社会問題を決して軽視はしない。
カジノの存在が依存症そのものの原因では無いとしても、カジノに依存することによって経済的な窮地に陥っている方々が存在するのは事実である。そういった方々からカジノ自体を遠ざけることは対症療法にしかならないというのは先の投稿で述べた通り。しかし、たとえ対症療法であろうとも目の前に存在する彼らの経済的窮地を助長しないためにも、それを処方することも重要なのである。
非常にタイムリーな話だが、来年初頭に2つのカジノリゾートが誕生するシンガポールでは、先月、その開業に先立って政府機関によるセルフエクスクルージョン・プログラムの運用が開始された。
http://www.ncpg.org.sg/th_casino_exclusion.html#
セルフエクスクルージョン・プログラムは、日本語では「自己排除プログラム」などとも訳されるが、プログラムに登録された人物をカジノのunwelcome-guest-list(望まれない来訪客リスト)に追加し、カジノにプログラム登録者の強制排除を義務付けるものである。このプログラムには自己申告で登録できると同時に、家族による登録も認められている。また、シンガポールでは自己破産者や生活保護受給者は自動的にこのリストに含まれることとされている。この種のプログラムはカジノを合法とする先進的な地域ではすでに実施されているものであり、行政の制度設計が遅れている地域では事業者がボランタリーで同様の制度を運用しているケースもある。この制度の運用は、ギャンブル依存者を「とりあえずカジノから引き離す」という対処療法としては非常に大きな成果を示している。(もちろん本質的にはその裏側にある原因の解決が不可欠であるのは言うまでもない)
日本においても当然このような制度の設置が必要。我が国で新しく生まれるカジノ産業も「責任ある産業」として生まれるべきだ。
◆
こういったモノの言い方は非常に尊大と受け取られるかもしれないが、私は個人的にカジノ業界も含め多くのゲーミング業界は依存症という病気に対して最も真剣に取り組んでいる業界のひとつであると思っている。(まだまだその努力が足りないというご批判は甘んじてお受けするが...)
例えば日本においても前回ご紹介したワンデーポートさんなどは、パチンコ業界からの資金援助を受けてその運営が為されている。また、同様にパチンコ業界団体はこれまたボランタリーでパチンコ依存者に対するヘルプラインの設置なども行なっている。
http://rsn-sakura.jp/
これらの施策は、その実効性の部分では様々な論議はあれど、その自主的な取り組み自体は評価されるべきものである。我々、カジノ業界においてもセルフエクスクルージョン・プログラムの一方で、同様の取り組みは当然行なわれている。
それと比較して、例えばJT(日本たばこ)などは2006年の禁煙治療に対する保険適用論議の時に、
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ニコチンには依存性がありますが、その程度は弱いことが学術的にも社会的にも認められており、また喫煙者は、アルコール依存症患者等と異なり何ら支障なく通常の日常生活を送っておられることから、喫煙すること自体が病気であるという考え方は誤りであると考えます。
(ゴメンナサイ。本元となるJTの主張サイトが消されてしまっているため、一次ソースが示せません。その残骸は以下のサイトで参照できます。)
http://muen2.cool.ne.jp/jyoho/jyoho.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=12&e=res&lp=11
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と喫煙依存症(ニコチン依存症)の存在自体を否定する主張を発表し、このスタンスにはさすがに大きな社会的批判が集まった。結果的に同主張を掲載したwebサイトが消されたのもそのような大きな批判の影響だと推測する。ちなみに現在は一定の条件を満たせば、禁煙治療にも保険が適用されるようになった。
その他、アルコール依存症に対して酒造業界やお酒を売っている小売業界、もしくはそれを提供している飲食業界が主体となって取り組みを行なっているかといえば、そんな話は殆ど無い。彼らは業界として「適正飲酒の推進」は行なうが、アルコール依存症という本質的課題には未だ正面から取り組んでおらず、未だに消費者のみにその責任を負わせている。しかし、もし貴方がアルコール類を取り扱う業界にお勤めならば自覚して欲しい。お客様にギャンブルを提供する我々カジノ業界人がギャンブル依存症に対して責任の一端を負わなければならないのと同様に、お客様にアルコールを提供しているあなた自身もアルコール依存症に対して責任の一端を負わなければならない。
また、物販業界にお勤めの貴方。貴方が昨日商品を販売した一見羽振りが良く見えるお客様も、ひょっとすると借金を重ねて買い物を続ける買い物依存者であったかもしれない。もちろんモノを販売したあなた自身が悪いわけでもないし、「買い物」という行為そのものを糾弾するのは無意味である。一方で「限度を超えてお金を使う人が悪い」、「そんな人にお金を貸す業者が悪い」という論法が社会的に通用しないのは、我々カジノ業界とギャンブル依存症の関係と同様だ。やはり業界として、何らかの形でその責任の一端を負わなければならない。
◆
昨日の投稿では、カジノ反対派の方々があまりにも依存症について勉強していない事実を皮肉交じりに断じたが、実は依存症問題における最大の課題は依存症にかかる者、その家族、地域社会、産業界も含めて社会全体における依存症に対する認知があまりにも低すぎることにある。依存症はこの世に存在するおおよそ全ての事象に対して、誰しもが抱えうる心の病である。だからこそこの問題は社会全体で取り組まなければならない課題なのだ。
繰り返しとなるが、私も含めてカジノ業界の人間は依存症という社会問題を決して軽視はしない。私はそれこそこのカジノ合法化論議がキッカケとなって、依存症に対する正しい理解が社会に広まり、その対策の促進に繋がることを願っている。
2009年12月18日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
ワシントン近郊に巨大カジノ計画
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」が、その特集の中で米国メリーランド州におけるカジノ開発計画を放送したようです。以下リンク先より映像を見ることができます。
ワシントン近郊に巨大カジノ計画
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_8234
財政難に苦しむアメリカの各州の間で、景気浮揚の打開策としてカジノの建設計画が次々と持ち上がっています。その開発の背後には投資意欲の衰えないチャイナマネーの存在がありました。首都ワシントン近郊のメリーランド州で建設中の大カジノを、袴田記者が取材しました。
メリーランド州は2008年にカジノを合法化したばかりの(米国は連邦国家なので州単位でカジノを統制)米国における新興市場のひとつで、昨年、Hollywood Casinoという新しいカジノが開業したばかりです。メリーランドのカジノ法制の特徴はテーブルゲームを認めず、マシンゲームの設置しか認められていない点。現在すでにオープンしているHollywood Casinoもマシンゲーム1500台のみのカジノです。同州では同様の形式のカジノが、現在建設中のものを含めて、あと4件開発される予定です。
近年、メリーランドに見られるようなマシンゲームのみを設置したゲーミング施設の合法化は、米国東海岸を中心に増えています。そもそも、こういった形式のゲーミング施設を「カジノ」と呼称すべきかどうかという論議に関しては、学術上、もしくは業界内で様々な意見があるのですが、最近では「カジノ」の範疇に含めて論議する事が多くなってきていますね。伝統的には、テーブルゲームのみ設置した施設(主にポーカー施設)を「カードルーム」、マシンゲームのみ設置する施設を「マシンゲームアウトレット」、両者を設置する施設を「カジノ」と呼ぶような、ボンヤリとした定義(もしくは「傾向」というべきか)があったのですが、最近は全部をひっくるめて「カジノ」であると説明する人も増えてきました。産業の多様化によって、その定義も変容しつつあるということです。
しかし、映像内では「全米最大級の開発」などとナレーションが入っていますが、若干煽り過ぎの感も。たしかにマシンゲーム5,000台規模となるとアメリカでも数える位しか存在しないですが、テーブルゲームも無いですし、総プロジェクト費用770億円と開発規模的には中規模ですかね。
2011年10月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノが出来ても依存症は増えない
それでは何故、そのようなコントロール障害が発生するのだろうか。その具体的内容は人それぞれ異なるものの、共通するのは不安感やストレス、虚無感や低い自己肯定感情など様々な心の奥底にある負の要因である。このような負の要因は、その人の生活環境や仕事環境、人間関係や過去の体験などから生まれるものであるが、それが心のバランスを崩させコントロール障害を生む。そしてそれが特定のモノや行為に対する依存という形で表面化するのである。
逆に考えると、ギャンブル依存やアルコール依存などの個別の依存状態は、風邪でいうところの咳や鼻づまりなどの「症状」に近いといえる。薬を飲むことで咳や鼻づまりを一時的に止めることはできても、それはあくまで対症療法であり、最終的には人間が自らの抵抗力でウィルスを撃退しなければ風邪からの回復には至らない。それと同様に依存症を考える場合にギャンブルやアルコールなどの個別の依存対象を遠ざけようとする行為はあくまで対症療法であり、その原因となる心の奥底にある負の要因を解消しなければ問題の解決にならない。これは依存症回復プログラムの基本原則である。
(依存症回復プログラムの詳細にご興味がある場合はこちらを参照)
http://www.enomoto-clinic.jp/dv_daycare/daynight_addiction.html
このような状況を如実にあらわす実例がクロスアディクションという症例である。クロスアディクションとはアルコール依存と摂食障害、ギャンブル依存と買い物依存など複数の依存症が一人の人間の中で合併して起こる状態である。このような症例は依存症の回復プロセスの中でもしばしば見られるものであり、アルコール依存だった人がお酒を止めた途端に今度は過食症に移行するなどという形で現れる。このようなクロスアディクションが起こる理由は、やはりその原因が個別の依存対象にあるのではなく、別の部分にあるからに他ならない。
◆
ここまでを正確に理解して頂けた読者の方々には、よくある
・依存症が起こるからカジノには反対
という意見は、一見正しいように見えてその因果関係を完全に誤って捉えてしまっていることが判って頂けることと思う。そこにカジノがあるからコントロール障害が生まれるわけではない。それを引き起こす何らかの要因がその人の中(もしくは生活環境や人間関係の中)にあるからこそ、コントロール障害という心の病気が生まれる。カジノというのは世の中の様々な依存対象物の中で、たまたまその人に選ばれた対象でしかない。カジノが無ければ他の症状としてそれが現れるだけなのである。
ここで、以前、私もパネリストとしてお招き頂いた「東北観光産業としてのカジノを考える会」主催のシンポジウムでのエピソードをご紹介しよう。心療内科医と参議院議員の二足のワラジを履き、同会の特別顧問も勤める桜井充氏は心療内科医の立場から我が国のカジノ合法論議に対して以下のようにコメントをしていた。
「カジノが日本に出来たからといって、我が国で依存症に悩む方々の数が急増するということはない」
専門の立場の方がここまでハッキリとカジノと依存症の関係に言及したのを聴いたのは私自身もこれが始めてであったが、その背景にある考え方は私がここで述べたものと同様のものである。そのような共通理解が前提にあった上で、カジノが地域経済の活性化に貢献するならば合法化という選択肢があっても良いのではないか、というのが一方で政治家としての役割を負う同氏の主張であった。
また、国内で唯一の宿泊型ギャンブル依存症回復施設を運営するNPO団体ワンデーポートさんも、以下のような基本理念を掲げて活動されている。
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ギャンブルの問題を持つ人やその周囲の人は,借金やギャンブルという行為だけを問題視することが多いようですが、本質的な問題はギャンブルに依存しなければならない生き方や考え方にあります。ワンデーポートではグループセラピーや個別支援プログラムを通し,ギャンブルを必要としない新しい生き方を学びます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~onedayport/
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彼らはギャンブルという行為そのものを非難する考え方は、依存症回復のためにプラスにならないというスタンスを明確に示しており、それを否定も肯定もしない。これは、世の中に過食症という病気があるからといって「食べる」という行為そのものを非難しても何の問題解決にもならないのと同じ理屈である。依存症回復の現場では、むしろそのような考え方は依存者の「そんなに悪いことを何故止められないのか」という自己嫌悪やさらなるストレスを引き起こし、新たに依存状態を助長する原因とさえなり得るとされる。
非常に残念なことだが、カジノ反対派にはこのような依存症に対する基本的な理解が無いままに、それを「ギャンブル=悪」という個人的な道徳観に結び付けて直情的な反対論を展開する方々があまりにも多い。あまりに不勉強、あまりに不見識である。私が言うのも非常におかしな話なのだが、本気でカジノ合法化に反対するのならばもう少し真面目にそれに取り組んでくれとさえ思うことがある。
2009年12月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html
カジノ関連ニュース 過ぎたるは及ばざるが如し
カジノ合法化を考えた場合、必ず懸念事項として挙げられるのが依存症問題である。当ブログでは、そのようなカジノの持つ社会リスクの面に関しても真正面から取り組んで行きたいと思う。
◆
私が様々な人に依存症を説明する時は、必ず「過ぎたるは及ばざるが如し」という格言の解説からはじめる。これは中国の「論語」に基づく「物事には程度(中庸)というものがあり、何事も行き過ぎてしまう事は良くない」という戒めを表す格言。私はこの考え方が、依存症という病気を最もシンプルかつ判りやすく表現したものだと考えている。
依存症は専門的には「コントロール障害」とも呼ばれ、物事の程度が一定の限度を超えてしまった時に、それを自制する事ができなくなってしまうという心の病気である。「過ぎたるは及ばざるが如し」の格言が示すとおり、世の中の全ての事象には「ほど良い頃合(ころあい)」というものがあり、それを超えてしまうと何事も害になる。通常、人間はその頃合を越えてしまいそうな場合には、自制心を働かせてそれをコントロールするものなのだが、それが不能な状態に陥ってしまう時がある。それが「心の病」としてのコントロール障害である。
例えば「買い物」という非常に一般的な社会行為においても、そのコントロールを失ってしまえば「買い物依存症」という病気となる。身の回りを清潔に保つという一般的には良いと思われる行為も、それが行き過ぎれば潔癖症という病気となる。性行為という生物としての種の保存に係わる最も重要な行為に置いてさえ、それをコントロールできなくなれば性依存症という立派な病気となるのである。その他、摂食障害(過食症、拒食症)、アルコール依存症などの伝統的なものから、ケイタイ中毒、ネット中毒のような現代的なものまで、多くの心の病はこの「コントロール障害」という概念で説明することが出来る。
このように様々存在する依存症であるが、内容を精査すると大きく3つに分類される。
・アルコールやニコチンなど特定の物質の摂取に依存する「物質依存」
・買物や仕事など特定の行為に依存する「行為依存」
・恋愛や親子関係など特定の人間関係に依存する「関係依存」
その依存の対象さえ異なれど、いずれも行き過ぎであるとわかっていながらも自分の行動や感情がコントロールできず、自らの健康、社会生活、経済状況などを害する方向へと向かっていくのが特徴。ギャンブル依存症はこの中で、買い物依存症やワーカホリック(仕事依存症)などと同じ行為依存に分類されている。
まずここで皆さんに理解して頂きたいのは、依存症という病気はおおよそ世の中に存在する全ての事象に対して起こりうるものであり、その根本の原因は自己の行動や感情をコントロールできなくなってしまうという心の異常状態にあるという点である。
2009年12月16日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_60727.html?p=2
環境もカジノも
先週、観光業界で有名な専門家の方とお会いしてカジノツーリズムに関する観光業界のスタンスなどを拝聴しました。その中でも特に印象的だったのが、「エコツーリズムでは地方と観光業界は飯を喰えない」というもの。
奇しくも私がこのブログ上で散々繰り返してきた「社会政策的に意義のある施策と経済産業政策的に意義のある施策を区別しなければならない」という主張を、まさにそのまま仰っていました。
馬淵大臣への提言
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3606093.html
観光を専門として活躍していらっしゃる識者の方が、私と同じ主張をしている事を伺って、私も勇気付けられた気持ちです。観光業界から、心強い援軍を得ました。
また、私が今回頂いたお話のなかで同様に印象に残ったものは以下の言葉。
「環境かカジノか」ではなく、「環境もカジノも」でなければならない。一人のお客様が滞在期間中に自然散策を楽しみ、ショッピングを楽しみ、街歩きを楽しむ。観光とは、常に地域の総合力で競争するものである。
まさに今の沖縄などには、最もあてはまる論議ではないでしょうか。本日は、これから警察行政の専門家の方とお話をしてきます。我が国のカジノ合法論議に参加して頂ける方々を続々募集中です。
2010年12月27日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html
カジノ関連ニュース 立て!!北海道
全国にカジノ誘致を検討している地域は沢山有りますが、私の目から見て北海道ほど特異な地域はありません。北海道には、現在11のカジノ導入検討地域が存在しており、それぞれが個別の委員会を作りながら誘致活動および研究を行なっています。如何に北海道が他の都道府県と比べて広いといえども、ひとつの圏域の中にこれ程沢山の誘致団体が存在する地域は他にはありません。
逆に言えば北海道の現状は、道内のカジノ誘致の声が一つの大きな運動へと集約されていないという事。このような現状は、道庁が長らくカジノに関心は示していながらも、なかなか本格的に動き出せない一つの理由となってきました。
◆
ということで、実は先週の金曜日、北海道庁に招かれ道庁主催の「第四回カジノに関する情報交換会」で講演を行なって参りました。参加者は、道庁の担当者、および道内カジノ誘致の検討を行なっている11地域の代表。また、9市町村役場の担当部署、ならびに道内9経済団体からの代表者など、総勢約70名の参加となりました。
実は、私がこの会議に招かれてお話をするのは昨年に引き続き2回目。開催規模自体はほぼ昨年と同じ位だと思いますが、個別の誘致地域のお話を聞くと、昨年からパワーアップして誘致活動を行なっている地域、昨年から殆ど進展が見られない地域など様々なようです。
今回、私が主にお話し差し上げた内容は、広域観光の観点からカジノの導入をどのように地域全体観光振興につなげ、その利益を全体で享受してゆくか?というお話。このブログ上でも何度も訴えている事ですが、この視点はカジノ導入の検討にあたって必須と成る最も基本的な考え方。現在、国のカジノ導入は、我が国経済の浮遊策として検討が行なわれているものであって、その誘致にあたっては単一地域の小さな視点ではなく、より大所高所からの視点が不可欠なのです。
その為には、道内で小さな複数の団体に分かれてカジノの研究を行なうのではなく、少なくとも近隣地域が一緒になって各種検討を行なう必要があるでしょう。北海道は他の都道府県と比べると遙かに大きいので、地政学的にも必ずしも一つに纏まる必要は無いかもしれません。しかし、少なくとも隣接する市町村同士で別々にカジノ構想を描いている現状では、全国のカジノ誘致競争のスタートラインにすら立てない。自分の地域のみが豊かになるのではなく、近隣地域全体で冨を分け合う視点で協力関係を築いてゆく必要があるのです。
セミナー後の意見交換の場では、参加団体による「どこにカジノが来るのかは別として、まずは北海道に1つカジノを誘致する事を全体で考える事が必要なのではないか」、「これからは地域の観光関係者など幅広く巻き込みたい」などの積極的意見や、北海道庁からは「地域全体の課題として検討したい」という非常に慎重ながらも前向きな意思が示されるなど、ただの情報交換に留まらない非常に良い会議となったと思います。会議終了後には「また連絡を取り合おう」という近隣団体同士の交流も見られ、北海道のカジノ誘致論議が新たな段階へと進展することを予感させました。
外部から招かれた私に出来ることは、こうやって地域の議論にキッカケを与える事のみ。これから北海道のカジノ誘致論議が新たな段階へと発展するかどうかは、地域の皆様自身がどのように考え、どのように行動してゆくかにかかっています。この会議で芽生えた小さな胎動が、今後どのように育ってゆくのかに引き続き注目し、応援してゆきたいです。
2010年10月27日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html
長崎―上海間のフェリー就航へ カジノで対立する長崎県とHTB
以下、週刊ダイヤモンドからの転載。
長崎―上海間のフェリー就航へ カジノで対立する長崎県とHTB
http://diamond.jp/articles/-/14478
旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S)が2010年4月に傘下にいれたハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)。同社は子会社のHTBクルーズを通じて、来春、長崎―上海間の国際フェリーの本格運行に乗り出し、今年11月3日にその第1便が1往復、運航する。その就航を前に、長崎県とHTBの認識ギャップも見えてきた。
H.I.S会長も務める澤田秀雄HTB社長は、フェリーにおけるカジノを視野に入れている。パナマ籍の中古船を購入し、日本の法律に触れない公海上ではカジノの運営も理論的には可能だ。カジノなどの船内イベントで稼ぐことによって、乗船賃を引き下げることもでき、H.I.Sの旅行事業とのシナジー効果が大きい。
フェリーの本格運航は来年春。来年1月下旬から週1度程度の不定期運航を開始し、3月に週3回の定期運航を目ざすとしている。H.I.S首脳は「スケジュールも決まっていない」としたうえで、「カジノ実現に向けて準備、研究を進めている」と意欲をみせる。
それに対して長崎県の担当者の見方は冷ややかだ。「世間的な風当たりもあり、来年、カジノを実現するのは無理だろう」と言い切る。[...]
「長崎県との対立」と書かれてしまっていますが、本当なんでしょうかね。また、県の担当者のコメントとしてかなり辛辣なものが記載されていますが、法制上は完全に合法な民間企業の事業活動を「世間的な風当たり」を理由に、役所側がここまで真正面から否定をするという事も本当にあるのでしょうか。もし本当にそのようなコメントを出したとするのならば、ちょっと踏み込みすぎなのでは??
もう一点不思議に感じるのは、それに続く文では「お披露目となる第一便は長崎県が主催」とある点。一方でHTBと県との対立関係を煽りながら、一方で「第一便は県が主催で、行政関係者ばかりが乗船」ってのは、コレ如何に??
HTBのクルーズ就航に関して、実は私の耳には少し違う風に情報が入ってきているので、半分「マユツバ」で上記の記事を読ませて頂いた次第です。
2011年10月19日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
沖縄、カジノリゾート 県民向け説明会
以下、沖縄タイムスより転載。
カジノリゾート 県民向け説明会
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-10-19_24902/
県は18日、県内に導入を検討しているカジノを含む統合リゾート(IR)に関する県民向けの第1回地域説明会を那覇市の県市町村自治会館で開き、コンベンションやカジノなどの機能を備えた「沖縄統合リゾートモデル」を導入した場合の経済波及効果や懸念事項への対策などを報告した。来年1月まで県内各地で計6回の地域説明会を公開し、県民の議論を促す。
県は投資規模971億~1615億円、利用者数490万人を想定。(1)(国際会議や報奨旅行など)MICE誘致型(2)アミューズメント・リゾート型(3)郊外リゾート型(4)周辺連携型など、ターゲットと立地のバリエーションも紹介した。生産誘発効果は3016億~5197億円と試算している。[...]
昨年に引き続き、県民向け説明会を開催している沖縄。知事のコミットは未だ無いものの、誘致体制としては一歩リードといったところでしょうか。
最近、法制化に向けたタイムラインを問われる事が多く、合法化までのマイルストンおよび自治体、民間がそれに合わせてどのように動かなければならないかを改めて纏めているところ。そうやって見直してみると、驚くほど時間がないことがわかります。以前も書きましたが、自治体に関してはこの冬に決定する来年度予算の中にカジノ検討予算を組めない人達は、沖縄、大阪、千葉のように先行する(すでに行政予算の元で検討を始めている)自治体からは一歩出遅れたと考えるべきでしょう。
◆
ここ数週間、海外機関投資家から多くのコンタクトを頂いており、我が国のカジノ合法化の現状に関してヒアリングを受けています。ラスベガスでは今月初頭にカジノの大きな国際コンベンションが開催されており、多くの投資家はそこでカジノ事業者から日本の現状について様々に吹き込まれた模様。コンベンション開催期間は、ちょうどマカオカジノ関連株の大暴落があった時期。残念ながらカジノオペレータにとって他に好材料がなかったですから、ことさら日本の状況が強調されてしまったものと想像します。そして、もちろん投資家サイドもそれには薄々感づいていて、私がインタビューを受けている範囲では「事業者側は(日本の合法化に対して)あまりにもエキサイトしすぎの様に感じるのだが、本当のところはどうなのか?」という懐疑的な質問が多いです。
ゲーミング業界に明るいアナリストさんや投資家さんであればあるほど、これまで散々「もうすぐ合法化するぞ!!」とアナウンスしておいて、全く先に進んで来なかったこれまでの日本カジノ合法化の歴史を知っていますから、もはや「狼少年」になってしまっていると言ってよいでしょう。日本の業界側も、ことさらにそれを煽りまくって来ましたから、もはや自業自得。そういう発信をし続けてきた人達は罪深いですね。
私は海外アナリストさん達には「少なくとも私が日本に帰国してからのこの8年の間で、今が一番カジノ合法化に向けた機運が高まっていると感じます」と比較的抑え目の表現を使ってお伝えをしているところ。TPP、税と社会保障の一体改革、三次補正など、優先的に処理を行わなければならない行政課題がありますから、たちまちカジノのお話が論議のテーブルに昇るとは思いません。ただし、その為の手続きは一つ一つ進められようとしている。そんな状況でしょうか。
P.S. しかし、この泣きたい位忙しい状況はどうにかならんモノか。。
2011年10月20日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
マサチューセッツ州、上院がカジノ法案を可決
さてさて、何やらアメリカ東部が騒がしくなってきました。以下、Bloomberg Businessweekからの転載。
マサチューセッツ州、上院がカジノ法案を可決(英文)
http://www.businessweek.com/ap/financialnews/D9QC2UG01.htm
同州上院が24-14の圧倒的多数でカジノ法案を可決したというニュース。現法案は、マサチューセッツ州内に3つのカジノと、1つのマシンゲーム専用施設を作る事を許可するもの。アメリカを代表する大都市の一つであるボストン郊外にも1軒のカジノ開発が認められるようですから、世界のカジノ企業はその法案の行く末を期待を込めて見守っている事でしょう。
マサチューセッツでは先月、下院が同じくカジノ法を可決しています。ただし、先月下院が可決したものと、今回上院が可決した法案との間には、幾つかの相違点があるとのこと。両院協議の中で法律の修正を行った上で知事に提出され、知事がそれにサインした時点で正式なカジノ合法化となります。
アメリカ東部では、この他にもイリノイ州、フロリダ州などでもカジノの拡大法案(両州はすでにカジノを合法化しているので、現在検討されているのは開発許可の範囲を広げる法案)が検討されているところです。
...と、世界が動いている中で我が国のカジノ合法化はどのように進むのでしょうかね。私のところに来ている情報によると、もうそろそろ具体的な動きが見えそうだとの事ですが、期待して見守りたいところです。
2011年10月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ関連ニュース 森田知事:来月、シンガポールのカジノ視察 /千葉
以下、毎日.jpよりの転載。
森田知事:来月、シンガポールのカジノ視察 /千葉
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20111021ddlk12010159000c.html
森田健作知事は20日の記者会見で、11月に台湾とシンガポールを訪問し、県内への観光客誘致やカジノ視察、経済界との意見交換などを行うことを明らかにした。森田知事は成田空港周辺へのカジノ導入を検討しており「まだ構想段階だが、現地視察し、政府の対応状況を聞き、勉強したい」と語った。[...]
各所が猛烈に動いていますね。しかし、千葉県は開発予定地を完全に成田空港周辺に固定化してしまったのでしょうか。もちろん、現検討は「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」の中から派生して出てきたものですから、成田は外せないのでしょうが、千葉には幕張など他にもIR誘致を希望する候補地がありますからね。千葉県内の綱引きもこれから激しくなりそうな予感がしています。
今週は月末なのもあって猛烈に忙しいので、簡単な更新でご容赦下さい。何やら今朝方から面談申し込み&取材申し込み等を沢山頂いておりますが、いずれも月明け以降の対応となります事をご容赦下さい。
2011年10月24日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ関連ニュース 合法化の目的に関する論議②
間に色々なテーマを挟んでしまいましたが、9月14日の投稿の「合法化の目的に関する論議」を続けたいと思います。読者の皆様も恐らく完全にこれまでの流れが判らなくなっていると思いますので、ぜひ以前の投稿を読み返してみてください。
8月に超党派カジノ議連が発表した会長私案では、カジノ合法化の目的のひとつとして「滞在型観光の振興」を挙げているということに言及しました。このブログ上で繰り返し申し上げている通り、「滞在型観光の振興」は我が国の観光産業にとって直面する最も大きな課題のひとつであり、この解決のためにカジノを利用するという発想は非常に全うな主張であると思います。
一方で、現在の法制論議および各地での誘致論議の中で最も欠けている点は、カジノ施設と周辺観光地域との連携です。先の投稿で述べた通り、滞在型観光という用語は以下のように定義づけられています。
滞在型観光:
一箇所に滞在し、滞在地で静養や体験型を始めとしたレジャーを楽しむこと、またはそこを拠点に周辺の観光を楽しむレジャー形態のこと。
カジノというのは紛れもない世界を代表する滞在型観光施設です。そういう意味では、上記定義の前半の「一箇所に滞在し、滞在地で静養や体験型を始めとしたレジャーを楽しむこと」という点に関しては、カジノを導入するという一点だけでその目的が達成されるかもしれません。しかし、もしカジノによって地域に誘引された顧客がその施設内に留まってしまい、周辺地域へと還流しなければ、上記定義のうち後半の「そこを拠点に周辺の観光を楽しむレジャー形態」という部分は達成されません。すなわち、政策として目指される「滞在型観光の振興」という課題は、片手落ちとなってしまい達成されないこととなるのです。
そもそもカジノは、潜在的にはそこに訪れる顧客をなるべく長く内部に留め置くように作られた施設です。現在、世界で主流となっているIR(複合リゾート施設)と呼ばれるカジノは、その施設内に宿泊施設、料飲施設、ショッピング施設、娯楽施設など、多種多様な機能を提供します。そこを訪れるお客様にとっては、施設内のみに留まっているだけで観光に必要となる多くの機能は充足される。わざわざ施設の外に出向く動機は生まれません。
それでは、近年地域の観光振興を狙ってカジノ導入を進めている世界の国々は、どのようにしてその導入を地域の発展に繋げているのか?そこに、制度的、もしくは政策的な工夫があるわけです。
2010年10月14日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html
馬淵大臣への提言⑤:カジノ導入の検討
さて、本日の投稿で馬淵大臣にお届けしたい観光施策提言シリーズの最後です。
これまでのシリーズ投稿で、観光産業を我が国の成長を支える新しい戦略産業として育成するために、「観光客数」、「滞在日数」、「観光消費金額」の3つの増加施策を総合的に進めなければならないと提案し、その為の具体的な施策案もご紹介いたしました。そして、私が最後に提案したい施策が、当然(?)、私の専門である「カジノ導入の検討」です。
カジノの導入は私がここまでに挙げた「観光客数」、「滞在日数」、「観光消費金額」に対して、すべてに効用を持つ観光推進施策です。
1)観光客数の増加
まず、カジノは世界の観光業界において最も成長著しく、そして観光客を呼べる観光資源のひとつです。ラスベガスやマカオがカジノを主たる観光資源として世界を代表する観光都市となっている事は皆さんもご存知の通りかと思います。また、今年から大型リゾートカジノ2軒の営業が始まったシンガポールでは、カジノ導入やそれに伴って行なった地域観光資源の大幅な見直しによって、今年の来訪観光客数が30~50%up(昨年度比)になると予想されています。こういった事実を鑑みると、カジノが世界的にもまれな強力な集客力を持つ観光資源であるという事を否定できる人はいないでしょう。
2)消費金額の増加
同時に、カジノを中心に提供される観光は、観光に商用サービスの消費がヒモ付いたサービスツーリズムのひとつです。カジノを訪れる観光客は、施設内で提供されるゲームは元より、各種エンターテイメント機能を求めて地域を来訪します。そこには訪問・周遊型観光からはなかなか生まれない大きな消費が期待され、観光需要と雇用を産み、地域を豊かにします。
同時に、カジノはあらゆる観光資源の中で非常に珍しい、夜半以降を中心とした観光資源です。カジノにおける様々なサービスの提供は、地域の観光にとっては夜のアイドルタイムにおける観光消費の上乗せを実現します。カジノを上手く活かすことができれば、日中の既存の観光資源と競合をしない形で、地域全体での観光消費の増大を即す事ができるのです。
3)滞在日数の増加
最後に、カジノはその営業の中からカジノ税と呼ばれる公的財源を生みます。私は、このカジノ税から生まれる財源を、日本全国の滞在型観光資源の開発財源として観光業界に再投資すべきだと考えています。
先の投稿でも述べたとおり、滞在型観光資源の開発には時間やアイデアはもとより、沢山のお金がかかります。日本には、古い街並みや優れた自然環境、近代的な都市景観など、観光客を繰り返し呼び寄せ、そこに長期滞在をしながらジックリと地域を楽しんで貰える「資源」が沢山あります。一方で、そのような優れた資源を持っている全ての観光地が困っている事が、それらを観光客を呼び寄せるのに十分な「観光」資源と呼べるレベルにまで引き上げるための予算が無いこと。残念ながら、どれだけ大きな可能性を含んだ魅力的な資源であっても、観光客向けに整備されていないものは「観光」資源とはなり得ません。カジノが生み出す税収は、そのような共通の悩みを持つ全国の観光地に財源を提供することができます。
カジノが生んだ財源が全国の観光地に還流することによって、全国各地の観光産業は徐々に再生してゆくでしょう。そして、そのような観光振興策によって誘引された観光客の「一部」が再びカジノを訪れ、カジノ税という政策財源を生み、それがまた全国の観光地へと配分されてゆく。
こういった好循環によって、我が国全体の観光産業および地域経済が底上げされ、観光産業が我が国の経済と雇用を支える基幹産業となってゆく。これが私が提唱する、カジノを媒介とした我が国の基幹産業としての観光産業育成の姿であり、拡大再生産をシステムとして組み込んだ循環型の持続可能な産業政策のあり方です。
◆
21世紀の世界の観光業界は、ますます経済力を高めてくるアジア諸国を中心として成長する時代といわれています。我が国はこれより、拡大する市場の取り分を巡って、周辺諸国と熾烈な国際競争を戦わなければならない。その様な状況の中で、韓国、マカオ、シンガポールなど我が国の周辺競合国はカジノの政策的な利点にいち早く気付き、それを観光政策の中に組み入れながら急速に競争力を高めています。我が国は、そのような周辺競合国の動向をシッカリとと認識しなければならない。
カジノ導入は、もはや世界各国の観光振興政策において「奇策」ではありません。観光産業が持続的に発展し、国を富ませてゆくシステムを構築するための強力な「エンジン」となりうる本種本流の施策です。ぜひ、今後の我が国の観光政策、および成長戦略の中心として、カジノの合法化の検討を真正面から行なって頂きたい。
以上が、国内数少ないカジノ研究者である私から、馬淵大臣にお届けしたい政策提言です。
2010年10月12日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3650223.html
カジノ関連ニュース 馬淵大臣への提言④:観光消費額の増加施策
3)1日あたり平均消費額の増加
この点における最も有効な解決策のひとつが「サービスツーリズム」の振興です。サービスツーリズムとは、特定の商用サービスを受けるために行なう観光のこと。例えば、「スキューバーダイビングの免許を取るために沖縄に滞在する」、「憧れの名門ゴルフ場でのプレーを目的に旅行をする」、「特定の医療、美容サービスを受けるために他所の都市に長期滞在する」など、地域への訪問に特定のサービス消費がヒモ付いている観光形態です。
前回の投稿でご紹介した既存の訪問・通過型を主とした観光資源のもうひとつの弱点は、観光消費金額が低いことです。訪問通過型の観光は特定の観光地を「訪れる」ことに主たる目的をおきます。その観光期間の大半は複数の観光地間を行き来するための「移動」に費やされる事が多く、また訪問した先での滞在時間は極端に短く、そこから生まれる消費もそれ程多くない。残念ながら、現在、我が国で中心となっている観光資源は、観光消費の創出力が非常に弱いのです。
一方、サービスツーリズムは特定の商用サービスを享受すること、すなわちサービス消費そのものが観光の目的となっています。当然、そこには大きな観光消費が生まれ、雇用が生まれ、地域への富の拡大が生まれる。1日あたりの平均観光消費額の増加させるためには、これまでの古い観光資源から脱却し、このような大きな消費を生む観光資源を積極的に開発しなければなりません。
◆
もうひとつの1日あたり観光消額の増加施策が、地域の既存観光資源と競合しない「新しい観光消費カテゴリ」を創出することです。
皆さんも自分自身が旅行をする場面を思い浮かべて頂ければお判りになる通り、観光客の1日はとても忙しいです。例えば、1泊2日の温泉旅行を例に挙げてみると観光期間中のスケジュールは以下のようになるでしょうか。
【初日】
朝から電車に乗り観光目的地に到着し、旅館にチェックイン。
その後、事前にインターネットでチェックをして置いた、お目当てのレストランでお昼ご飯。
昼食の後は、市内の観光スポットをいくつか巡り、日が傾く前には旅館に帰って旅館内の温泉へ。
ひと風呂浴びた後にはすぐ夕食が始まり、現地の地酒を堪能。
いい感じに酔っ払って、その後就寝。
【2日目】
温泉地を訪れて一回だけの入湯では勿体ないので、2日目の朝はお風呂から。
その後、朝食をとって帰宅のための荷造りを終えた後、旅館をチェックアウト。
2日目の市内散策の中心はお土産品の物色。
初日に目星をつけていたお土産品を幾つか購入しつつ、初日に行きそびれた幾つかの観光スポットを訪問。
その後、小腹が減ってきて地域のレストランでお昼ご飯。その後、電車に乗って帰宅の途へ。
たとえば上記のようなスケジュールを過ごす観光客に対して、1日あたりの消費を促すとしても、どこにその消費を差し込むことができるでしょうか? 例えば、日中の観光スポットを幾つか新しく開発した所で、基本的には既存の観光スポットと「食い合い」になるだけ。観光客の1日あたりの消費金額を向上させることにはなりません。同様に、観光期間中の昼ご飯を狙って地域の名物料理を開発したところで、1泊2日の観光客には等しく滞在期間中2回の消費機会しか生まれません。これも結局、既存のレストランとお客様を奪い合うだけで、地域全体での1日あたり観光消費の拡大には繋がらない。企業同士の競争という意味ではこういった施策は必用かもしれませんが、地域での観光消費額を増加させる事目的とした政策としてはこういったアプローチはあまり効果がありません。
それでは、既存の観光資源と食い合わない形で観光客の消費促進を行なうためにできることは何か? それが、既存観光資源と食い合わない「新しい観光消費カテゴリ」を創出することです。上記のような非常に忙しい観光客のスケジュールの中にも、幾つかのアイドルタイム(ヒマな観光時間)があります。そこに新たな観光カテゴリを作れば、既存の観光消費と食い合うのではなく、既存の観光消費に上乗せする消費が生まれます。
たとえば、夕食を取ってから就寝するまでの2~3時間。温泉旅館などに宿泊すると、多くの場合、この時間帯はあまりやる事がなく、無駄にテレビを見て過ごしたりしませんか? この時間帯に、新たなる消費を引き出す事のできる観光の「新しい提案」ができれば、1日あたりの消費額を増加させる事が可能となります。これを目的として、街のライティングなどを積極的に行なって「夜の賑わい創出」を行なったり、「夜神楽」と呼ばれる夜だけ開催される舞台を作っている観光都市もありますね。このようなアプローチは、1日あたりの観光消費額の増加という面では、非常に有効な施策です。
◆
さて、次回がこのシリーズ投稿の最後です。最後は、私の専門であるカジノについて少し言及をさせて頂きたいと思います。
2010年10月04日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html?p=2
カジノ関連ニュース 馬淵大臣への提言③:滞在型観光政策の推進
さて、引き続き馬淵大臣へお伝えしたい、我が国の新しい成長産業として観光産業を育てるための政策提言です。
2)平均滞在日数の増加
次に対象となるのが平均滞在日数の増加施策です。現在、我が国の国内観光における平均滞在日数は約2.5泊で、これは諸外国の平均値と比べると驚くほど短いです。もちろんこの背景には、前回の投稿でご紹介した有給休暇をキッチリと消化しない労働者の現状があり、有給休暇取得推進政策はこの点においても効力を発揮するものと思われます。
ただ実はこの点に関しては、受け入れ側となる各観光地にも、観光客の滞在日数を延ばせない原因があります。そもそも我が国の観光資源は、その多くが「訪問・通過型」の観光資源であり、観光客がひと所にジックリと腰を落ち着けてレジャーを楽しむといった形の観光資源が少ないのが現状。また、多くの地域における観光政策は各行政区単位の縦割りで行なわれているため、複数の観光地の横断的連携が出来ていない。その為、観光客の滞在が短期、かつ単発で行なわれる事が多く、必然的に観光あたりの滞在日数が下がってしまうのです。これを逆に考えると、観光地側の立場で滞在日数を向上させるために「出来る事」というのは、1)訪問・通過型の観光資源ではなく、体験・滞在型の観光資源を地域に増やす、2)それぞれの行政区に横断的に存在する観光資源を連携させ、長期滞在に十分な量の観光資源を確保する、の2点であるといえます。
◆
実は、このような観点で自民党時代に実施されていたのが「観光圏整備法」に基づく、広域観光整備政策でした。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/seibi.html
上記、広域観光整備政策では、観光地を滞在型観光資源としての魅力を高める「滞在促進地区」と、周辺市区町村の「周遊観光地域」に分けます。そして、観光客に滞在促進地区での長期滞在を促しながら、同時に滞在促進地区から周辺地域への日帰り観光を促進することで、その恩恵を地域全体で分け合うというのが政策の基本発想です。現在、我が国には観光圏整備法に基づいた広域観光圏が45ほど定められています。
この自民党時代の政策の在り方は、観光客の平均滞在日数増加策としては非常に正しいものであり、間違っていなかったと思います。しかし、実際の施策内容に到ると、自民党時代には、実現できなかった項目があります。それが、「滞在促進地区の魅力向上」です。
近隣地域を、滞在促進地区と周遊観光地域に機能を分けて、統合的な地域の魅力度の向上を図る広域観光政策は、「滞在促進地区と定められた地域の魅力を向上させること」、と周遊観光地を繋いで「日帰り観光コースを組成すること」の2つの施策を実現しなければ、その施策が適正に機能しません。このうち、「日帰り観光コースを作る」作業に関しては基本は既存の観光資源を再整理し、ひとつのパッケージにするだけの作業ですからそれ程困難な作業でもなく、多くの広域観光圏がそれを実現させています。
しかし、未だ問題として残されているのが「滞在促進地区の魅力向上」部分です。ある都市の滞在促進地区としての魅力を向上させるためには、まず各地域が自らの独自性を活かした都市コンセプトを策定し、観光客が旅行期間中に必要となる飲食、宿泊施設の整備から始まり、ショッピング、娯楽施設、その他の体験型観光資源、都市景観の整備など、かなり広範に渡った都市の再開発が必要となります。当然、ここには時間とアイデアは元より、各種整備を行なうための予算も必要となる。
しかし、このような観光圏整備のために政府が用意している予算は全45の観光圏に対して総額で5.42億円程度(2010年)。ひとつの観光圏あたり1200万円の補助で、どうやって滞在促進地区の魅力度向上を図れというのか。。結果的に、各観光圏が滞在促進地区の魅力度向上のためにやっている事といえば、ほぼ横並びで「温泉地における共通入湯券」もしくは「市内レストランの共通ミールクーポン」の発売です。これをもって、どうやってそれぞれの地域が独自性を活かして、魅力度向上を図っているといえるのか? 現・民主党政権には、自民党がやりきれなかったこの「滞在促進地区の魅力向上」に対して精力的に取り組んでいただきたい。
・・・という提案をすると、必ず「また公共投資か? その政策財源はどこから出てくるのか?」という論議になるわけだが、その政策財源はカジノ合法化という規制緩和から生みすべきというのが私の主張。詳細に関しては、後段で解説します。
2010年09月28日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html?p=2
カジノ関連ニュース 馬淵大臣への提言②:「年次有給休暇の取得推進」施策
そこで私の挙げた最初の提言に立ち戻ります。繰り返しになりますが、観光市場規模は以下の構成要素の組み合わせで計算されます。
観光市場規模=延べ観光客数×平均滞在日数×1日あたり平均消費額
様々な美しい「理念」はあるのでしょうが、お題目だけでは国の豊かさにはつながりません。これからの観光政策は、より具体的に「述べ観光客数」「平均滞在日数」「1日あたり平均消費額」の3要素をそれぞれ増加させるための施策を実施するべき。それが菅総理の掲げる「有限実行」の政策の在り方でもあるでしょう。
◆
1)述べ観光客数の増加
観光客数の増加に関しては、その他の2つの構成要素と比べれば既存政策もかなり色々な取り組みをしています。昨日の投稿でも挙げた「休日分散化」、「国際観光振興」などは、その実施手法に細かな調整が必用とは思いますが、個人的には方向性は間違っていない施策だと考えます。ただ実は、観光庁は観光客数増加のための「本丸」には未だ切り込んでいない。それは「年次有給休暇の完全消化」です。
我が国労働者の有給休暇消化率はおよそ50%。先進諸国中では最低レベルの消化率です。そもそも有給休暇というのは、労働基準法に定められた労働者の権利ですから「完全消化を推進する」という発想自体がオカシな話なのですが、我が国において様々な社会的事情によって消化が進んでいないのは事実。
実はこの有給休暇の完全消化に関しては、国交省と経産省が2002年に「休暇改革はコロンブスの卵」という調査報告書を発表し、有給休暇の完全取得が行なわれれば観光などレジャー産業を中心に約12兆円の経済効果が生まれると試算しています。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/01/010607_2/010607_2_1.pdf
しかしその後、有給の完全消化に向けた施策は遅々として進んでおらず、何故か技術的にはより複雑かつ困難であるハズの「休日の分散化」に先行して力点が置かれてしまっているのが我が国の余暇政策の現状。本来ならば一番に切り込まなければならない「本丸」を避けて、よりテクニカルな施策に走ってもそれはなかなか国民の理解を得られないでしょう。その結果が先月の休日分散化に関するパブリックコメントに反映されたのではないかと考えています。
有給休暇の取得は法に定められた労働者の権利ですから表立った反対はできないとはいえ、経済・産業界的には労働者に本当に有給を完全消化されると様々な不都合が出るという本音はあると思います。しかし、労働者が与えられた権利を履行しない事を前提に我が国の経済や産業が成り立っていること自体が非常に不健全な事。少なくとも、その改善に向けた全体の努力は必要です。これは財界を後ろに抱える自民党政権では出来なかった事のひとつ。一方、恐らく民主党であればもう少し前に進められる施策なのではないかと思います。
またこの施策は、企業会計に従業員の未消化分有給休暇を勘案しなければならなくなるIFRS(国際財務報告基準)の導入が進められている「今」が、論議を行なう最も適切なタイミングです。IFRSが導入されると、企業はB/S上に未消化分の有給休暇を負債として計上しなければならず、消化率の悪い企業は財務諸表上でその数値的把握が可能となります。同時に有給消化率が低い企業は高い企業に比べてB/Sが債務超過により振れることになりますので、景況の悪い現在の経済状況において、企業によってはIFRSの導入にあたって社員に有給の消化を推奨している企業もあるそうです。このような状況を鑑みても、有給取得率の向上を語るにあたっては「今」を置いて他にタイミングは無いほどの千載一遇のチャンスであるといえるでしょう。
◆
小泉政権時代、自民党は「温室効果ガス排出量の削減」を大儀として掲げながら強力なリーダーシップで産業界にクールビズを押し込みました。一方、そもそも有給取得に関しては法的に担保された労働者の権利ですから、「温室効果ガス削減」よりもさらに判りやすい大儀は立てられるはず。そして何より、その先により大きな経済効果を示せます。
是非、馬淵大臣には「有給取得率**%向上」、「経済効果**兆円目標」を掲げて、強いリーダーシップでこのテーマに取り組んで頂きたいです。
2010年09月23日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html?p=2
カジノ関連ニュース 馬淵大臣への提言
ということで、本日は我が国における今後の観光振興施策に関して、不肖ながら私なりの提言をご紹介いたします。私の提言を一言であらわすのならば、
今後の観光施策は、「観光市場規模の拡大」を意識しながら各種施策を考えなければならない
というものです。現・民主党政権は観光産業を我が国の新しい経済成長戦略のひとつして掲げ、我が国において雇用を産み、国を富ませてゆく今後の基幹産業として設定しています。...であるならば、当然ではありますが観光振興は常にそこから生まれる「富の拡大」(観光市場規模の拡大)を意識しながらすべての施策を構築しなければならないのです。
これは以前もこのブログ内でご紹介しましたが、観光市場規模を計算するための構成要素とその計算式は非常にシンプルで以下の通りです。
観光市場規模=延べ観光客数×平均滞在日数×1日あたり平均消費額
すべての観光施策というのは、上記の観光市場規模を計算するための構成要素のうち何処に、どの程度の効用をもたらすモノなのかをキッチリと検証した上で実施に移されなければならない。
例えば現在、政府が実施の検討を行なっている休日分散化政策は、休日が集中してしまっている事で取りこぼしてしまっている観光需要を掘り起こすため施策。すなわち、この構成要素の中で言えば「延べ観光客数」を延ばすための施策であり、結果的に観光市場規模を拡大し、雇用を産み、我が国の新しい経済成長に寄与する可能性がある施策であるといえるわけです。
一方で、同様に政府が強く進めている国際観光振興に関しても同じ。外から観光客を呼び込むことによって、国内で発生する延べ観光客数を増やすことができる。また当然、国際観光客は国内の滞在日数も長いですし、一般的に一日あたり消費金額も多いですから、上の構成要素のうち平均滞在日数と1日あたり平均消費金額の底上げにも寄与する事でしょう。すなわち、この施策は「富の拡大」に寄与する施策となりうるわけです。
◆
・ 地域資源を活用した観光振興を図るため、町家・古民家を活用した宿泊施設、農林漁家民泊、農業体験における食事提供、外国語観光ガイド及び宿泊客への周遊案内やエコツアー等に係る規制について所要の見直し又は明確化を行う。
それでは今回の「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の中で示された上記のような振興策は、どのように我が国の「富の拡大」に寄与する施策となるのでしょうか? 「古民家再生」「民泊」「農業体験」というキーワードは非常にキレイに聞こえはしますが、そこに我が国の今後の基幹産業として求められる「富の拡大」がどれほど起こるのでしょうか?
具体的にいえば、多くともせいぜい1日あたり10名程度しか宿泊できないであろう古民家再生旅館や民宿を全国に作ることを推進したとして、どれほどの観光客数の底上げとなるのか。滞在期間の殆どを農業体験や自然散策に費やすグリーンツーリズムやエコツーリズムの振興がどれ程の観光消費の底上げに貢献するのか? こういった観点から考えると、「新しい成長戦略」を掲げる政策目標に対して、上記のような施策の効果は非常に低いと言わざるを得ないのです。
これが私が上記のような施策を「社会政策的には意義はあったとしても、経済産業政策的には殆ど意味を為さない施策である」と主張している理由。これら施策をやるべきではないとは言いませんが、少なくとも我が国の新しい成長戦略としての観光振興策と、この種の観光の振興を混同してはならないという事です。
2010年09月22日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html?p=2
カジノ関連ニュース 合法化の目的に関する論議①~滞在型観光の振興
今日は、カジノ合法化の目的のひとつして掲げられている「滞在型観光の振興」について考えてみましょう。
1) 滞在型観光とは
まず最初に皆さんと確認をしなければならないのが、「滞在型観光とは何か?」という事です。これは、このブログ上でもこれまで散々解説してきたことではありますが、非常に大事なことなので改めてご紹介します。滞在型観光とは、これまで我が国で主流であった「周遊型観光」に対して生まれた新しい観光概念で、以下のような定義で説明される観光のことです。
滞在型観光:
一箇所に滞在し、滞在地で静養や体験型を始めとしたレジャーを楽しむこと、またはそこを拠点に周辺の観光を楽しむレジャー形態のこと。
周遊型観光が、複数、かつ短時間の観光名所への訪問を数珠繋ぎにしながら次々と移動してゆくのに対し、滞在型観光はひとつの滞在地点に比較的長く居留しながら、域内および周辺の観光スポットを比較的じっくりと楽しむ形の新しい観光スタイルです。
「物見遊山」という言葉に代表されるように、我が国の観光スタイルというのはそもそもは周遊型観光が中心として成り立っていた時代が長く続いていました。その象徴ともいえるのが大型バスに乗って団体で観光地に乗り付け、集合写真を撮っては次の観光地に移動する、という団体ツアー型観光であったといえるでしょう。
しかし、消費者の趣味趣向や価値観が多様化している現在の世の中では、そのような観光スタイルが徐々に衰退しています。誰かが勝手に決めた観光名所を全員でゾロゾロと練り歩くよりも、自分の興味に合った特定の観光スポットにジックリと滞在し、余暇を楽しむ。市場がそのような観光スタイルに急速に移行しつつある。
そして全国の各観光地にとっては、その市場の変化に対応する事が急務となっているわけです。
2010年09月14日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54723.html?p=2
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