2011年9月 記事一覧

カジノの入場料制度について再考せよ

MSNの産経ニュースでシンガポールカジノにおける入場料制度の顛末に関するコラムが掲載されております。

【外信コラム】マーライオンの目 カジノの誘惑
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/101018/asi1010180241000-n1.htm

ひとことで要約すれば、「シンガポールカジノで採用された入場料制度は失敗に終わった」ということです。

シンガポールで入場料を課すという政策が発表されて以来、我が国でもこのアイデアに追随すべきとする有識者が沢山現れました。このアイデアは瞬く間に全国に広がり、今では超党派カジノ議連の提出したカジノ法草案にすらその制度が盛り込まれています。

カジノ法草案
第六十条 入場料
一. 特定地方公共団体は、地域住民による賭博行為への過度の関与を抑止する目的をもって、条例を制定する事により、ゲーミング区域への入場に際し、別途カジノ入場料を徴収できる。

ここ2年程の間、このような主張が主流派を占めていた中で、おそらく私は国内で唯一、カジノの入場料制度に真っ向から反対を唱えてきた専門研究者でした。

過度にギャンブルにハマってしまっている人というのは、出費をしても「それを取り返せる」と思ってしまっているからこそ、ハマっているのです。そういう人達に多少の入場料を課したところで、それは依存症対策としては全く機能しない。入場料によって縮小する需要は、むしろ本来ならば私達が経済効果として期待したい、健全なる娯楽としてのカジノ需要が中心となるでしょう。

また、そもそも「お金持ちだけを入場させれば、依存症問題が軽減できる」というこの制度の「出発点」は、それ自体が依存症に対する大いなる誤解から生まれています。さらにいえば、入場料の課金は、それが無い場合には起こり得なかった、新たなリスクすら生む可能性があります。

これが従来からの私の主張です。(詳しくは以下のリンク先の記事を読んで下さい)

「金持ちだけがカジノに入れるように...」の論議
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/2635640.html
シンガポールのカジノ入場規制
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/2641176.html
入場料制度の危険性
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/2643951.html
あるべきカジノ入場規制の形
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/2788076.html

私の主張はカジノに入場料を設けるくらいならば、カジノ入場を登録制にしてカジノの入り口でその入場をコントロールできるシステムを制度として導入せよというもの。この主張に関しては、現在、カジノに興味を持つメーカーさん、IT業者さん達による産業団体を中心に制度提案を考えている所です。もうしばらくしたら発表できると思います。

いずれにせよ、このようなシンガポール制度の結果を鑑みて、日本でもカジノ入場料を採用すべきだという完全に間違った主張が、少しでも払拭される事を期待したいです。

2010年10月18日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=2

カジノ法案サマリーを使ってはいけない

今日の投稿は結論から書きます。今後、カジノ合法化に向けた各種論議を行なうにあたって、8月5日にカジノ議連から提出されたカジノ法案のサマリーを使ってはいけません。なぜならば、そこに論議を特定の方向に誘導しようとする意図や、特定の話題に言及されるのを回避しようとする意図が沢山含まれているのが見て取れるからです。

昨日の投稿で、カジノ法案第一条には以下のように法の目的が規定されていることをご紹介し、これは私がかねてから主張していたものとも一致すると解説しました。

第一条 目的
国際競争力のある滞在型国内観光の振興により内外の観光客数を増大し、地域経済の振興を図る

ここに関しては宜しいでしょう。でも、ここから先がどうもキナ臭い方向に論議が進みます。カジノ法案では、この「滞在型国内観光の振興」という目的のために新設されるカジノ施設を「特定複合観光施設」と名付け、それを以下のように定義しています。

第二条 定義
[...] 「特定観光複合施設」とは、会議施設、宿泊施設、飲食施設、物販施設や多様な交遊施設あるいは公益的施設等を含み、その中核にカジノを行なう施設を据えた複合的な機能を有する余暇、遊興施設をいう。[...]

この記述は一見、問題が無さそうですが観光業界、特にIR(複合リゾート施設)業界に詳しい人がこれを見ると、一抹の「違和感」を感じるはずです。

非常に細かい話なのですが、実は「滞在型国内観光の振興」を目的として作られる施設を定義するにあたって、それを「会議施設、宿泊施設、飲食施設...」と説明する専門家は世の中にあまりいません。通常は、滞在型観光の成立に不可欠な、「宿泊施設」が最初に出てきて、次に「飲食施設」、そしてその他の各種付帯施設に話が及ぶ。それに対して、この法案の中では「会議施設」が真っ先に出てきて、その後、「宿泊→飲食→物販」と施設が並んでゆく。私は、このカジノ法案を初見したとき、真っ先にこの点に違和感を感じました。

非常に細かい話ですし、ただ施設を併記しただけですから、たまたま流れの中でそのような表記順になることはあるかもしれません。私も、最初にこれを読んだ時は同様に思いました。しかし、論議が私が「最悪」と断じている法案サマリーに到ると、私自身が感じた違和感の正体、そしてその先にある意図がさらにハッキリと見えてきます。

カジノ法案の本文とは別に、議連から発表された法案サマリーには以下のように特定観光複合施設がまとめられています。

基本的な考え
1. カジノを含む多様なMICE機能を備えた観光施設を特定複合観光施設と定義し、[...]

上記の定義は、法案本文に記載されている特定観光複合施設の定義を正しくまとめたものになっているでしょうか? MICE施設とは、国際会議や展示会などに使われる会場施設のこと、カジノ法案本文の中の記載でいうと、私が違和感を感じるとご紹介した「会議施設」という用語にあたる施設です。

ただ、法の目的と定められた「国際競争力のある滞在型国内観光の振興」に沿って考えた場合、その目的の達成のために建設される特定複合観光施設にとって、会議施設というのはあくまで構成要素のひとつです。法案本文においてもあくまで

会議施設、宿泊施設、飲食施設、物販施設や多様な交遊施設あるいは公益的施設等を含み、その中核にカジノを行なう施設を据えた複合的な機能を有する余暇、遊興施設

という形で様々な施設との併記になっており、同時にそれが必須の施設であるとは記述されていません。それが、法案のサマリーとされる文書の中では、法案本文の中の特定観光複合施設の説明として非常に不自然な形で真っ先に登場した「会議施設」だけを取り出し、「カジノを含む多様なMICE機能を備えた観光施設」と書き換えられています。

すなわち、以下のような論理のすり替えが法案およびそのサマリーの中で行なわれているわけです。

1. 誰もが納得するであろう法の目的:(カジノ法案 第一条)
「国際競争力のある滞在型国内観光の振興」

2. 違和感はあるが嘘ではない定義:(カジノ法案 第二条)
「会議施設、宿泊施設、飲食施設、物販施設や多様な交遊施設あるいは公益的施設等を含み、その中核にカジノを行なう施設を据えた複合的な機能を有する余暇、遊興施設」

3. 上記定義を曲解したまとめ:(カジノ法案 サマリー)
「カジノを含む多様なMICE機能を備えた観光施設を特定複合観光施設と定義」

このように公的文書の中で、伝言ゲーム的にちょっとずつ表現を変えながら、最初に示された意味と全く違うものに作り変えてゆく作文技術を「官僚文法」と呼ぶらしいですが、私の専門の中でこういったものを見たのは始めての経験でした。どうやら、この法案およびサマリーを作った人間は「滞在型観光の振興」として最初に掲げられた法の目的を、意図的に「MICE施設」の方向に誘導したいようです。

恐らくこの法案とサマリーの作成に深く係る人間の中に、日本のカジノ合法論議がMICE振興の方向に進んでいった方が都合が良い人間がいるのでしょう。もうちょっと具体的にいうと、それは様々なコンセプトが存在しうる滞在型複合観光施設の中で、特にMICEがクローズアップされると得をする人達。例えばMICEを中心とした施設開発に強い事業者、もしくはMICE振興というキーワードでカジノ誘致を行なっている特定地域などから強く影響を受けている人達なのかもしれませんね。

要するに、この法案発表の裏側で、かなり強引なやり方で「我田引水」をし始めている人、もしくはグループが居るということ。非常に残念な事ではありますが、私がこのサマリーを「最低である」と断じている理由がご理解頂けたことと思います。

つづく

PS あと凄く細かい指摘ですが、法案の中で使われている「飲食施設」という表現は如何にもシロウト臭いので、変えたほうが良いかもしれません。正しい業界用語としては、レストランやバーなどの施設を総称して「料飲施設」と呼びます。(「飲み食いする(させる)施設」ではなく、「料理と飲料をご提供する施設」の意。)

2010年09月03日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=3

論議:カジノ合法化の目的

さて、前回の投稿では私なりにまとめたカジノ法草案概要と今後の論議に関する資料を皆様にご提供しました。今日はその内容について、ちょっとずつ論議を深めて行きましょう。

前回の投稿の中で、草案の早期公表に踏み切った議連の英断に賞賛の意を示しながらも、一方で「 カジノ法草案のサマリーとして議連から提出されている文書は最悪」、「『意図的に』間違えているのではないかと邪推したくなるくらい、草案本体と異なる」と書きました。この点に関して気になっている人も多いと思うので、まずはここから解説しましょう。

議連より発表されたカジノ法草案では、我が国でカジノを合法化する目的をその第一条の中で以下のように定めています。

第一条 目的
国際競争力のある滞在型国内観光の振興により内外の観光客数を増大し、地域経済の振興を図る

ここで定められている法の目的は、我が国における広域観光を推進するために2008年に制定された「観光圏整備法」の定める法の目的やその精神と合致するものです。以下が観光整備法第一条に定められている法の目的です。

観光圏整備法
第一条 目的
我が国の観光地の魅力と国際競争力を高め、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在を促進するために・・・<中略>・・・観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在を促進するための地域における創意工夫を生かした主体的な取組を総合的かつ一体的に推進し、もって観光立国の実現に資する

実は私自身は、「日本のカジノ合法化を考えるにあたって、新しくできるカジノ法と上記の観光圏整備法とを連携させることが必須である」と繰り返し主張し続けてきた国内唯一の研究者です。ひょっとすると私がウルサイくらいに主張し続けてきた考え方を、今回の草案作りにおいてどなたかが汲み取ってくれたのかもしれません。もしそうだとすれば、研究者冥利に尽きます。心より感謝を申し上げます。

カジノというのは、単一施設としての複合化はもとより、さらにそれを取り巻く地域の観光資源との連携が非常に重要となる大型観光施設です。カジノを訪れるお客様には、カジノ施設の中だけではなく地域全体で長期滞在を行なって頂き、全体にお金を落として頂きたい。すなわち地域全体における「滞在型観光の推進」をイメージして法の設計をする必要があるということです。

そのためには、我が国において滞在型観光資源の推進政策を定めた最初の法律である観光圏整備法と、新設するカジノ法との連携が非常に重要になってくる。これがかねてからの私の主張です。

ここまでは私としても素晴しい「法の目的」の設定だと思います。では、冒頭にご紹介したとおり、私は何をもって「議連から発表されている文書が最悪」としているのか?? その詳細は次回に続きます。

2010年09月02日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=3

論議:カジノ法草案について

報告が遅くなりましたが8月23日(月)に毎月恒例の弊社主催カジノセミナーを開催いたしました。沢山の皆様にお集まり頂きまして心より感謝申し上げます。

今回のセミナーでは、今月5日にカジノ議連より発表されたばかりのカジノ法草案を解説すると共に、今後の論点を整理しました。

議連より今回草案が発表された事で我が国のカジノ合法化論議は新たなステージに突入しました。私としては、当然、草案の発表という彼らの英断に対しては掛け値なく賞賛の意を示したい。これからの合法論議はさらに具体性を増した、意味あるものと成るでしょう。

一方で、発表された内容そのものに関しては、未だ考慮不足の点が様々見受けられるのも事実。私としては、色々な意図を持って作られたのは判るものの、それをガチャガチャと組み合わせただけで制度としての整合性が取れていないように見受けられます。

また特に、カジノ法草案のサマリーとして議連から提出されている以下の文書は最悪ですね。わかり難いのは元より、草案の内容を正確に現してはいません。それこそ「意図的に」間違えているのではないかと邪推したくなるくらい、草案本体と異なる箇所すらあります。

カジノ法草案:サマリー
http://www.casinonews.jp/Seminor/casino_act_summary.pdf

そこで、まずは論議の大前提として以下で私なりに正しいと思われる形にまとめ直したものを皆さんにご提供を致します。また、細かな技術的部分を指摘すればもっと沢山あるのですが、とりいそぎ大きな部分で今後、必ず論議を行なわなければならないと思われる事項を「要論議」として示しています。まずは以下をご覧下さい。

カジノ法草案 概略と今後の論議
http://www.casinonews.jp/Seminor/discussion_casino_act.pdf

この論議は非常に大切なので、これから少しずつこのブログ上でも解説してゆきたいと思います。

2010年08月26日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=3

野田内閣にカジノ実現を目指す2氏が入閣しオーイズミなどカジノ関連銘柄が急騰

以下、日本インタビュ新聞による報道から。


野田内閣にカジノ実現を目指す2氏が入閣しオーイズミなどカジノ関連銘柄が急騰
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0902&f=business_0902_149.shtml

野田内閣に、カジノ実現を推す「国際観光産業振興議員連盟」のアドバイザー(出所:パチンコチェーンストア協会)でもある川端達夫氏(総務・沖縄北方)と中川正春氏(文部科学)が入閣したことから「復興カジノ」関連のオーイズミ <6428> が、14円高(3.0%高)の274円と反発し6月17日につけた年初来高値280円を照準にとらえている。また、関連銘柄でもある紙幣識別機の日本金銭機械 <6418> は32円高の698円と7連騰。紙幣搬送システム機器のマミヤ・オーピー <7991> は3円高の103円まで上げて5連騰となっている。[...]


川端氏と中川氏が入閣した事をカジノ実現可能性の押し上げ要因として報じていますが、それは間違い。カジノ推進派が入閣すれば実現するのならば、自民党政権下で野田聖子消費者担当大臣が誕生した時点で、カジノ合法化がなされているはずです(当時、野田聖子氏は自民党カジノ議連会長)。総務大臣、文科大臣と、カジノ導入政策に直接関与しない省庁のトップに誰が就任したところで、それほど大きな意味がないんですね。

現政権で今後の動きを担うのは、閣僚側では古川国家戦略(経財)担当大臣、前田国土交通大臣(また、上記の川端総務大臣は兼任している沖縄・北方担当大臣としては一定の役割は期待される)、そして最も重要となるのが党内三役の一人である前原政調会長と私は見ています。現在、最終版まで完成しているカジノ法案は、議員立法として上程しようという事になっていますから、党内の政策方針を審議、確定する政調会長が最大のキーマンとなるんですね。

ちなみに、前原氏は以前より強力なカジノ合法論者の一人です。今後も注目ですね。

2011年09月05日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノリゾート機運高まる、超党派で秋の臨時国会に推進法案提出へ

以下、金融関連ニュースをあつかうMorning Starによる報道。


<話題>カジノリゾート機運高まる、超党派で秋の臨時国会に推進法案提出へ
http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=528074

日本におけるカジノリゾート実現の機運が高まってきた。8月28日に超党派の国会議員145人で組織する「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」が第17回総会を開催し、国内にカジノリゾートを設置するための推進法案「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」を同議連として了承。秋の臨時国会に同法案を提出し、成立を目指す構えだ。


IR(Integrated Resort)議連は当初、議連としてカジノリゾート施設の設置に関連する法案を作成し、その成立を目指していた。しかし、刑法185条の賭博罪などとの関係、あるいはカジノで利用するチップなどと紙幣との関係、またマネーロンダリングなどとの関係など現行法と調整を要する問題が多く、独自の法案作成を断念。結果として、政府にカジノリゾートの設置を促す推進法に切り替え、法案を作成した。 [...]

Morining Star紙は、最近良くカジノの記事を扱ってくれますが、この件に興味を持っている記者でもいるのでしょうかね。上記報道は一般紙も含めて、これまで見たどの報道よりも正しく事実を伝えているように見受けます。Morinig Star紙のみならず、金融界はいよいよカジノ合法化が正念場に至ったという事で、非常にこの案件に注目しています。私の方にも、以前よりお付き合いのある複数の証券系アナリストさんから問い合わせが入っているところです。

(ここから先はただの愚痴)
一方でいつも思うのですがあの人達(証券系アナリストさん達)は、いつ私に対して報酬を支払ってくれるのでしょうかね? 都合の良い時に連絡をしてきて、私から無料で情報を入手して自らの名前でそれをクライアントに売る。それで所得を得られている彼らは良いのでしょうが、私の手元には何も残りません。もうそろそろ、キッチリとしたwin-win関係の構築を重視してくれる証券会社のみとお付き合いをするという方針に切り替えた方が良いのでしょうかね。。

他業界で活躍する業界アナリストの皆さんも金融系のアナリストさん達から同様のアプローチを受けているのでしょうが、諸先輩方にはぜひ彼らとの上手なお付き合いの仕方を教えて頂きたいです。

2011年09月07日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノ入札のあるべき姿

昨日は毎月恒例の弊社主催セミナーの開催日でした。毎度ご参加頂いております皆様には、心より御礼を申し上げます。

さて、昨日のセミナーは「カジノ入札のあり方と階層分析法」と題し、シンガポールのカジノ入札をケーススタディとして使用しながら、実際に同国で使用された入札評価方式・AHP法の解説を行ないました。AHP法は、複数の評価基準が存在し、その判断が不透明になりがちな様々な意思決定の場面において、それを公平かつ透明性をもって実施するための科学的意思決定手法。利権関係が非常に複雑で、その判断が不透明になりがちな我が国にこそ、導入が求められるものです。

例によって詳しい内容はここに記しませんが、昨日使用したディスカッションペーパーを以下のアドレスに格納しておきます。ご興味のある方はご覧下さい。

http://www.casinonews.jp/Seminor/AHPandCasinoBidding.pdf

また、弊社セミナーに関しましては、以下のアドレスよりメーリングリストにご登録を頂けますと定期的に情報配信が為されます。ぜひご登録下さい。次回開催は8月23日を予定しております。

http://www.melma.com/backnumber_172617/

2010年07月27日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=3

日本のカジノが目指すべきところ②

私の研究者としての主張は、「我が国のカジノ合法化はそこから得られる税収額そのものよりも、むしろそこから得られる経済波及効果を重視すべきだ」というものである。

我が国のカジノから年間得られるカジノ税収額はどんなに頑張っても1000億円程度で、貧窮する国家財政全体からみれば微々たるものにしかならない。一方、もし我が国が国際的にみて妥当なレベルの税率でカジノを合法化した場合、私の推計では少なくとも1~1.5兆円前後のカジノ施設建設のための直接投資を誘引することができる。

しかも、この数字はカジノ建設時のみに発生する直接経済効果。施設の営業が始まれば、その後、少なくとも年間数千億円の継続的なゲーミング消費誘発、そしてそれと同程度、もしくはそれを上回る金額の観光消費誘発が起こる。条件にもよるが、私の試算ではカジノ合法化による年間の消費誘発額は5000~8000億円程度には少なくともなる。

この規模が如何に大きいかというのをご理解頂くために他の観光資源と比較すると、例えば2005年に行なわれた愛知万博。愛知万博ではその誘致によって会場およびその周辺に投じられた直接投資が約1.1兆円(飛行場や高速道路の整備など万博運営に直結しない間接投資は除く)。そして開催期間中(約半年)に誘引された観光客による消費総額が4500億円程度と言われている。

これを前提に非常に判りやすい言い方をすれば、カジノの導入は万博誘致以上の直接投資を誘引できる。しかも、その投資は主として民間から投じられるもので、税の投入は殆ど必要ない。また、万博は各国にとって四半世紀に一度誘致ができれば良いところ。しかも、半年間しか開催されるものではないが、カジノに関しては毎年継続的にそれと同等以上の経済効果を生み出すと考えて頂ければ良い。なぜ近年、世界の国々が先を争うようにカジノを合法化しているかが、これでご理解頂けることと思う。

また、国際的にみて妥当なレベルの税率でカジノを合法化したとしても、そこには少なくとも数百億円程度のカジノ税収が発生する。私としてはこの税収も、徹底的に日本全国の観光開発に再投資すべきだと考えている。

毎年数百億円のカジノ税収は、国家財政全体から見れば微々たる金額ではあるが、各地方公共団体の観光開発財源としては非常に大きな金額である。カジノで得られた税収は地域の観光施策財源として再投資し、日本全国が一丸となって国内はもとより海外も含めたさらなる観光客誘致を図る。そして、その施策で集められた観光客の「一部」が新設されたカジノを訪れ、次なる新たな観光財源を生む。このような拡大再生産を起こさせるプロセスを作る事で、カジノ合法化の生む経済効果は何重にも増幅することとなる。

すなわち国の支援に頼るのではなく、地域が自律的に財源を生み出し、地域の経済を支えるという新しい国家の形を作ること。

「観光立国、およびそれを通じた地域経済の自律的な再生」

これこそが我が国が目指すところであり、同時にカジノ合法化を国の豊かさにつなげることのできる最も有効な手法ではないか。以上が、私がカジノ専門家として一貫して訴え続けている主張である。

詳細に関しては、以前、別の投稿で記した事があるので、そちらも参照して頂きたい。
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3072111.html

2010年05月14日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

日本のカジノが目指すべきところ

昨日の投稿で、

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波及効果と新たな財源のどちらを重視すべきか? そして両者の理想的なベストバランスはどこにあるか? その決定には非常に緻密な経済予測と、高度な政治的判断が必要となるのである。
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と 述べた。これに関して私の研究者としての考えを述べたい。

実は、私は日本のカジノ合法化においてはそこから得られる税収その ものよりも、そこから生まれる経済波及効果を重視すべきだと主張し続けている。理由はいくつかあるが、そのひとつが推計される税収額の問題である。カジノの導入によって莫大な財源が確保できるなどとバラ色の未来像を描いている方が読者の中にいらっしゃるとすると大変申し訳ないことだが、カジノから得られる税収に 多大なる期待をかける事は禁物である。

日本でカジノ専門家と呼ばれている方々の中には、我が国でカジノができればその市場規模は数兆円に及び、そこから税収が数千億円入ってくるなどという主張をしている人間もいるが、どこをどう計算したらその様な数字が出てくるのか私には全く理解が出来な い。

皆さんにある程度の市場観を持って頂くために例を挙げれば、現在、世界で最大の市場といわれるアメリカの商業カジノ市場が約3兆円、そこから得られる税収額が5000~6000億円程度。これはアメリカ商業カジノ市場に存在する約450軒のカジノ施設の合計値である。一方、我が国で現在論議となっているカジノ施設数は、その論議に幅があるものの2~10施設程度とそれほど大きな数は期待できない。しかも、1地域1施設というのが基本路線となっているためアメリカのラスベガスやアトランティックシティに見られるような「集積の利」が得られるカジノ都市は我が国には誕生し得ない。さらにもっと基本的なことを付け加えれば、我が国とアメリカの国力は人口ベースで2.5倍、GDPベースで3倍もの差がある。

そのような条件の中で我が国の市場予測値が「市場規模が数兆円、税収額で数千億円」などとアメリカ商業カジノ市場と同等のレベルで出てきている時点で、まともな専門家ならば推計手法がどこかで間違っていると考えることだろう。ところが、そういった数字があたかも正しいものかの様に語られ、それが一部で異論なく受け入れられてしまっているのが日本のカジノ業界の恐ろしい所。税率を幾らにするか、どこにどれだけの数のカジノを作るかなど、いろんな変数があるので一概には言えないが、私が推計をしている限りは、どんなに多く見積もったとしても我が国のカジノ合法化後の市場規模は数千億円台、そこから上がってくる税収は数百億円から1000億円いけば上等である。

注)ここでは「数千億円程度」と記しているが、それでも新規創出される産業としては、とんでもなく大きな規模だということだけは追記しておく。参考:日本の映画産業・7000億円(映画館・販売&レンタル含む)、音楽産業・8000億円(ライブ・販売&レンタル含む)、カラオケ産業・4200億円。

現在、我が国のカジノ合法論議では、カジノによる税収は危機に直面している年金財政に充てるべきだという主張もある。しかし、私自身はカジノ税収に多大なる期待をかけた、その様なアイデアには明確に反対の立場である。どんなに多く見積もっても1000億円程度しか出てこないカジノ税収。その全額を突っ込んだとしても、基礎年金支給だけで年間18兆円、そのうち国庫負担分だけで考えても9兆円が必要となる年金財政に、カジノ税がどの程度「資する」というのか? そのような主張をしている方々は前出のような間違った市場予測を真に受けて、税収額を一桁間違えて期待してしまっているのではないかとさえ思う。

「カジノ税収を危機的状況にある年金財源に充てる」、「少子高齢化に直面した国の財政に資する」というロジックは、一見美しく聞こえるかもしれないが、より現実的な数字を元に検証してみるとまったく説得力のないものとなってしまうのである。

2010年05月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

カジノ税に関する考察②

カジノ税率と税収額、そしてカジノ導入による経済波及効果は大雑把の関係にある。


ポイント1:
カジノ税収額は税率を上げれば右肩上がりに果てしなく増えるわけではなく、上に凸の放物線を描く。税収額を最大化したいならば、税収曲線の頂点となる税率を採用するべき。(その税率は市場の条件によって異なるため一定ではない)

ポイント2:
カジノ導入によって得られる経済波及効果は、税率が高くなればなるほど小さくなる。(税率が高いと事業収益性が下がるため、事業者は大きな設備投資が出来ない。)カジノを複合化させ、その波及効果を大きくするためには税率は低い方が好ましい。逆に、税率が高くなればなるほどカジノは単純賭博施設に近づいてゆかざるを得ない。

ポイント3:
先進国は途上国に比べて経済波及効果の税率変化に対する弾力性が高く、税率1単位の増減が経済波及効果の増減により大きく影響する。

カジノを合法化する国や地域としては、カジノ導入による経済波及効果を大きくしたいのはもちろんだが、一方で新たな財源として生まれるカジノ税もできるだけ沢山欲しい。これはどの国や地域でも同じである。しかし、その両者はちょうど法人税率と投資誘因との関係と同様に、二律背反するものである。波及効果と新たな財源のどちらを重視すべきか? そして両者の理想的なベストバランスはどこにあるか? その決定には非常に緻密な経済予測と、高度な政治的判断が必要となるのである。

実は以上は私が早稲田大学アミューズメント総合研究所で一昨年前に発表した研究成果に少しアレンジを加えて、発展させたものである。詳細にご興味がある方は当研究所までご連絡を。

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そして最後に告知。
早稲田大学アミューズメント総合研究所では、来たる5月26日に2009/10年度の研究発表会の開催を予定しています。今年のテーマは「カジノにおけるノンゲーミング消費」。我が国のカジノ論議は、制度・政策論や文化論などあまり数字を用いない、いわゆる文系的なアプローチが多いが、早稲田大学アミューズメント総研は上記のように数字を用いた数理的アプローチでカジノ研究を行う国内唯一の学術研究機関です。

入場無料となっていますので、お時間のある方はふるってご参加下さい。詳細はこちらから。

2010年05月12日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

カジノ税に関する考察

今日はこれまでと少し論議の方向性を変えて、カジノから得られる公的収入について考えてみたいと思う。

皆さんも恐らくご存知の通り、日本の公営賭博には必ず公的控除というものが存在し、賭博事業から上がった利益は公庫に収められることとなっている。我が国にカジノが生まれることとなれば、当然、同様にその売上の一部が公庫に収められる事となるだろう。(以下、便宜上この公的収入をカジノ税と呼ぶ)

・・・で問題となるのが、その税率である。皆さんもご存知の通り、宝くじならば売上の約50%、公営競技ならば売上の約25%が「公的控除」と呼ばれる公の取り分となる。我が国でカジノ税率を語る時、この数字を元に「日本のカジノも公営競技と同様にカジノ売上に対して25%程度の税金をかけて・・・」などと主張する人間もいるが、大前提としてこういった主張は全くの間違いであるということを理解して頂く必要がある。

まず、皆さんに確認しなければならないのは、控除率と税率を混同してはいけないという点である。宝くじや公営競技で用いられる50%、25%という数字は「公的控除」などと呼ばれるため、一見、その比率が全部公庫に入ると勘違いしてしまっている方もいるが、それは全くの誤解である。

例えば5月6日の投稿で示した競艇事業のスキーム図をご覧頂きたい。
http://www.casinonews.jp/Seminor/keirin.pdf

ここに示した西武園競輪事業の例では、全売上のうち実際に公に納められている比率は施行者である埼玉県に納められている0.85%、そして国の指定する機関に納付、もしくは交付がなされている4.4%の合わせて5.25%である。それでは、「公的控除」が行なわれた25%のうちの残りの20%近くは何処に行っているかというと、人件費や施設費など運営コストとして消えている。すなわち公営競技で行なわれる売上の25%という控除額は、運営コストまでを含んだものであり、控除額がそのまま公庫に納められるわけではないということである。

パリミューチュアルゲームである公営競技と、バンクドゲームであるカジノゲームはそのゲームのあり方も会計方式も違うので同列に扱うのは完全に間違ってはいるが、もしあくまで公営競技と同レベルの税率という点にこだわるのであれば、カジノ税率を「カジノ売上の21%」とするのが正解である。(西武園競輪事業の例に即した場合)

次回投稿ではさらにカジノ税に関する考察を深める。

つづく

注1)パリミューチュアルゲーム(parimutual game):胴元がゲーム参加者から賭金を集め、一定比率を控除した後にゲームの勝者に対して賞金を払い出す形式のゲーム。
注2)バンクドゲーム(banked game):ゲームのルールの中に、確率論上、胴元側に一定比率の控除が発生するように作られたゲーム。

2010年05月11日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

カジノと広域観光圏の連携②

間にニュースを挟んでしまいましたが、前回のつづきです。

観光圏の区域は、どのような観光圏を目指し、どのような観光客をターゲットとするかの戦略、具体的な目標及びこれを達成するための中長期的かつ継続的な取り組みを勘案し、市町村又は都道府県が単独又は共同して法定協議会や関係者の意見を反映して決定し、国土交通大臣宛に申請するものとされています。私が現在行なっている提案は、カジノ導入を希望する地方公共団体は、大前提としてこの観光圏認定プロセスに準じた形で圏域全体の観光計画を策定する事。そして、カジノから得られる公的収入の一部を、この観光計画のための実施財源として使用することを認めるというものです。

このようなカジノ法と観光圏整備法の連携によって、以下のような利点が生まれると考えています。

1. 観光振興・地域振興のためのカジノ
「我が国のカジノ合法化は、観光振興・地域振興を目的に行なわれるものであり、単純賭博を推奨するものではない」これはカジノ合法化を検討するにあたって、最も重要な国民に向けたメッセージです。そのメッセージを明確にするため2006年自民党カジノ法案も今回発表されたばかりの民主党議員案もカジノをあくまで複合観光設備の一部として定義付けています。ここで提案するカジノ法を観光圏整備法の目指す目的と連携させてゆくという手法は、そのメッセージをさらに明確に国民に伝えることができると考えます。

2. 「カジノありき」の論議をさせない
地方のカジノ合法論議の中で最も危険なのが、地域での誘致検討がいつの間にか「カジノありき」で進んでしまう事です。これは私もこのブログ内で散々述べている事ですが、カジノ導入というのは地域の観光施策にとってあくまでひとつの選択肢でしかありません。カジノ誘致を検討する地域は、カジノの導入を語る大前提として地域全体の広域観光計画を策定し、その中でのカジノの役割と導入の是非を論議して頂く。これによって発生しがちな「カジノありき」の論議を払拭することができます。

3. カジノ訪問客の地域への還流を意識させる
カジノ施設はそれが誘致されるだけで莫大な投資が呼び込まれ、雇用を生むなど地域に様々な経済的恩恵を及ぼします。しかし、その経済効果を最大限に引き出すためには、上手に地域の観光資源とカジノ施設を連携させ「カジノから観光客を引っ張り出して、それをより広く域内に還流させる」事が必要。その点においても「各観光資源がその機能を分けながら地域に観光客を還流させ、共存共栄をしてゆく」という観光圏の持つ基本コンセプトをカジノ論議にも持ち込むことが有用だと考えます。

4. より多面的な産業波及効果を
観光整備法の求める観光計画は、単純な地域観光産業の振興だけではなく、その他各産業分野との連携を含んでいます。具体的には地域の農・水・商・工業者と連携をした「地産地消」の特産品の開発、交通網開発、地域の景観整備、地域特有の文化保護など多岐に渡ります。カジノ法とこの広域観光圏政策を連携させることで、カジノの導入を地域経済全体に、より多面的に波及させてゆく事が可能となります。また、こうやって地域の各分野の方々が集まって多面的な検討を行なう事自体が、地域のカジノ導入に向けた合意形成において最も重要なことだと考えます。

5. 拡大再生産する経済振興システムの構築
そして最も重要なのがカジノから得られる公的収入の一部が、上記のような各種地域観光振興策の財源となり、観光を中心として地域の農・工・商など関連する多くの産業に再投資されてゆくことです。現在、我が国ではカジノによって得られる公的収入は福祉財源に充ててゆくべきだとする主張もありますが、私としてはせっかく生まれた新たな財源を単純に右から左に流すだけで良いのかという疑問があります。現在の日本に必要なのは自律的に地域経済が拡大再生産してゆくシステムを作る事。これを今回のカジノ論議に置き換えるのならば、カジノで得られた公的収入が地域の観光振興策に使用され、その各種施策がさらなる観光客を呼ぶ。そしてその一部が地域のカジノを訪れることで、次なる観光施策財源を生んでゆくという拡大再生産が起こる循環型の地域経済システムを構築することが重要だと考えます。

これこそが「観光の振興をもって地域を豊かにする」という観光立国を柱とした我が国の経済成長戦略の目指す所であり、カジノ導入がその戦略上重要な項目の1つとなるという最も明快かつ論理的な説明ではないでしょうか? ...実は、このような主張をすでに資料にまとめて提出しており、制度的、政策的な整合性も含めた検討のお願いをしているところ。休日分散化と合わせて明確に方針の中に組み込まれることを期待したいです。

以下に私が提案しているスキーム図を示します。
http://www.casinonews.jp/Seminor/casino_scheme.pdf

2010年04月23日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

宮城島などにカジノ計画

以下、沖縄タイムスより転載。

宮城島などにカジノ計画
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-09-13_23365/
【うるま】うるま市の宮城島を中心とした島しょ地域にカジノ付き統合リゾートを誘致する計画があることが12日までに分かった。元県議や経済界関係者が今月末の設立を目指す一般財団法人「沖縄エンターテイメントリゾート」準備室が11日、同島の上原公民館で意見交換会を開き、地域住民ら約70人に説明した。

統合リゾートは県が導入を検討。県内では糸満市や浦添市の住民らが誘致を表明しており、ほかにも検討している地域があるという。 計画は「与勝エンターテイメントリゾート」としてカジノやリゾートホテル、スポーツセンター、コンベンションホール、ショッピング施設などを島しょ地域に建設する構想。

同リゾート発起人代表の西田健次郎元県議は「実現すれば少なくとも3万人の雇用が生まれ、県経済に多大な恩恵がある」と説明。意見交換会に出席した住民の前向きな感触を得たとして、今後も各島で住民説明会を開いて誘致の理解を得る考えだ。

北野勲自治会長は「まだ勉強会の段階。地域で合意形成ができれば、前向きに検討したい」と話した。


なんだか久しぶりに沖縄で具体的な地域名が挙がったカジノ誘致のお話が出てきた気がしますね。一般財団法人沖縄エンターテイメントリゾートという団体が、主体となっているようです。そういえば数ヶ月ほど前に「これから沖縄でカジノ誘致組織を作る」と言っていた人とお会いした記憶があるのですが、彼らが主体となっているんでしょうかね。何となく名前に聞き覚えがある気がしますが、定かには判りません。

ということで、信じられないような忙しさが続いているので今日はここまで。現時点で年末までに調査書6本。これだけでも弊社スタッフの許容量を大幅に超えた仕事がなのですが、まだまだ引き合いが続きそうな気配です。これまで散々「早めに動いた方が良いですよ」とアドバイスをし動かないで居た人達が、「すわカジノ合法化が近づいた」と判断したのか驚くほど「ドロ縄」的に仕事を振ってきているんですね。

仕事の引き合いを頂けるのは大変嬉しいのですが、こうなってくるとコレまでずっと弊社とお取引を頂いてきたお得意様、もしくはそれなりに纏まった金額のフィーを頂けるお客様しかもはや対応できない状態です。その他のお客様には、来年になって少し仕事が落ち着くまでお待ち頂いております。

私ごときの人間が大変生意気なのは重々承知なのですが、専門家の世界も結局は需給関係。特にカジノ専門家は国内の供給量が圧倒的に少ないのですから、皆が欲しい時にお話を持ってきて頂いても、時すでに遅しなんです。その点はご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

2011年09月16日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノと広域観光圏の連携

昨日の投稿で、

今、必要なのは地域全体の観光施策の観点から「カジノが地域においてどのような役割を果たすか」を考える事であり、国はそのような論議が各地域において自ずと行なわれるように制度の在り方を工夫しなければならない

と述べました。それではそれを具体的に実現するためにどのような制度設計が可能でしょうか? これに関しては私も悩み、既存の我が国の法律や政策集などをひっくり返しながら考えた上で、ひとつの可能性を見出しています。それが、これより検討が行なわれ、将来的に上程されるであろうカジノ法を2008年7月に制定された観光圏整備法と連携させるという制度提案です。

観光圏整備法は、これまで市町村や都道府県などの縦割りの行政単位で行なわれてきた地方の観光行政に「観光圏」という新しい概念を持ち込み、同一圏域内の観光施策を連携させてゆこうとする法律です。具体的には、横に繋がる各地域が連携して圏域全体の魅力と競争力を高めること、そしてそこを訪れる観光客の長期滞在を促進することを目指しています。

観光圏整備法で定められる観光圏の定義は以下のようなものです。

-------------------
滞在促進地区が存在し、かつ、自然、歴史、文化等において密接な関係が認められる観光地を一体とした区域であって、当該観光地相互間の連携により観光地の魅力と国際競争力を高めようとするものをいう。(観光圏整備法 第二条)
-------------------

また、上記の定義を国土交通省は、もう少し平易な言葉で以下の2点で観光圏を説明しています。
歴史、文化等において密接な関係のある観光地を一体とした区域
その観光圏同士が連携して2泊3日以上の滞在型観光に対応出来るよう観光地の魅力を高めようとする区域
観光圏整備法の基本的な理念は、以下の資料でよく纏められていますので、こちらをご参照下さい。
http://www.mlit.go.jp/common/000058766.pdf

私がこの法律とカジノ法との連携を提案している理由は大きく二つあります。

第一にこの観光圏整備法が、地域観光を「点」の施策ではなく、「面」の施策として捉えた数少ない観光関連法である点。観光をより広い圏域として考え、それぞれの地域、および各観光資源が固有の役割を果たしながら圏域全体が共存共栄してゆくという考え方は、これからの我が国におけるカジノ合法論議の中で最も必要となる論議であり、同時に最も欠けている視点である。これは私が前回の投稿で指摘したとおりです。

また、この制度の目指す「滞在型観光の促進」という目的も、我が国のカジノ合法化が目指しているものと整合性が高いです。繰り返しこのブログ内でも述べているように、我が国で新設されるカジノは単純な賭博提供施設ではなく、各種ホスピタリティ機能とエンターテイメント機能が複合化された観光施設でなければなりません。このようなカジノの提供する観光機能は、カジノツーリズムと呼ばれ世界的に注目される新たな目的・滞在型観光資源です。この点においても、我が国が目指すカジノ合法化のあり方と、観光圏整備法の目指している方向性に大きな相違はないと考えます。

2010年04月22日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=4

続・カジノ議連に関して思うこと

あと報道でもう一点、気になったことを追記。

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民主党案はカジノが賭博を禁じる刑法に抵触しないように立法措置を講じる内容。地方公共団体などが施行主体となり、申請を受けて国の主務大臣(国土交通相など)が指定。施行主体はカジノの建設、維持管理、運営などを公募で選んだ民間事業者に委託する。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100409/plc1004090121002-n1.htm
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報道では上記のように記述されているが、これは「主務大臣が地公体を先に指定して、その後、地公体が委託事業者を指定する」という方式で選定を行なうものと理解して良いのだろうか。

実は、この選定方式に関しては、業界内で「まず各地公体と民間事業者をくっ付けて、その後に中央がセットで最終選考を行なうべき」という強力な制度提案が広がった時期があり、私はおそらくその提案に明確に反対した国内で唯一の人間であった。

現在は弊社が定期的に発行するようになった「カジノ合法化に向けたディスカッションペーパー」の第一弾が「賭博行政の再編:英国の成功と失敗から学ぶ」というテーマであったのも、実はこの強力な制度提案キャンペーンに対して、関係各所に私の主張をご理解して頂くためであった。地公体と民間事業者を早い段階で結びつける手法は、確実にコントロールを失う。そして、それは必ずその後のトラブルや不正に繋がる。(詳細は上記リンク先を参照)

もし報道内容が私が理解している通りなのだとすれば、私も当時様々な批判を受けながらも、頑張って言論を繰り広げた甲斐があったというものだ。研究者とは、主張し、議論を交わし、それが世に受け入れられて初めて存在に価値が出るもの。主張や論議をしない研究者など、ただの「オタク」でしかない。

2010年04月09日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=5

国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)に関して思うこと

どこかがマスコミに情報をリークした様なので、この論議もやっと解禁でしょうか。

「超党派のカジノ議連、14日に発足 秋の臨時国会にも法案提出へ」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100409/plc1004090121002-n1.htm

この議連には私も大きな期待は持っているのだが、同時に一抹の不安も存在する。そこでこの議連に対する私の雑感をご紹介。


最初にこの議連の名称だが、「国際」観光振興議員連盟という。その名が示すとおり、国際観光振興を目的に立ち上げられた議連であるが、なぜそれが普通に「観光振興」ではいけなかったのか?

国際観光だけに目的を絞ってカジノを考えた場合、カジノの開設地は少なくとも以下の条件を満たす必要がある。

1. 必要十分な規模の国際空港の存在
カジノで外国人を呼んでくるには、まずはその為の「足」を準備するのが大前提。その為には、近隣に外国人観光客の送客のために必要十分な規模の国際空港が存在することが必須となる。カジノ開設にあたって空港を拡張しても構わない(もしくは新しく創っても構わない)と考えるのならば、候補となる地域はもっと増えるのであろうが、昨今の日本の状況を考えるとそうはならないだろう。既存空港の有効利用を本筋として考えると、その対象はかなり絞られる。

2. 外国人にとって魅力的な観光資源の存在
また、カジノ顧客を十分に地域に還流させ、地域経済への波及効果を高めるためには、周辺に存在する既存の観光資源が「外国人にとって」十分魅力的であることが必要。新たに創設するカジノが地域の既存観光資源と完全に乖離してしまった場合、誘客された観光客がカジノ施設から出ない。そうなるとカジノ誘致の地域経済に対する貢献度は極端に低下する。そうあってはならない。

3. 外国人の受け入れ態勢
同時に、カジノを設置する都市には外国人の受入れができるだけのインフラと社会的な環境が整っている必要がある。

このように各種要件を考えたとして、皆さんは幾つの候補地域が頭に思い浮かんだだろうか? 正直いうと、私の中では大都市圏と、一部の特殊な地方都市を中心に5つくらいしか候補地域は思い浮かばない。

実は、この議連が「国際観光振興」となってしまった背景は私が知るだけでも幾つかあるのだが、その理由のなかのひとつがこの施策があくまで国家目線で進められている点にあると私は考えている。

ご存知の通り、現在民主党は国家の成長戦略の一つとして観光立国を掲げており、国土交通省は2020年までに訪日外国人2000万人という数値目標を掲げている。現在、我が国の観光業界の中で取り沙汰されている空港のハブ化だとか、今回のカジノ合法化だとかというのは、基本的にその路線の中で語られている構想。そう考えると「国際観光振興」を目的とするという議連のスタンスに納得がゆくだろう。

しかし、実際にカジノを誘致したい地方側の論理はこれとは違うところにある。全国でカジノ誘致を論議している地域というのは、私が知る限りだと新旧合わせて30前後ある。しかしそういった方々は、別に「国際観光」に絞った論議をしているわけではなく、地域を豊かにするための総合的な観光振興策の一手段としてカジノ導入を検討しているものが殆どだ。ある地域は高品質なマリンリゾートやスキーリゾートの創出を目的にしているし、ある地域はMICE振興の一手段としてカジノの導入を検討している。

ここ数日の投稿で繰り返し申し上げている通り、観光施策は常に「如何に地域経済に貢献するか」という点からスタートしなければならない。そういった地方の立場から言えば、その誘客の対象が必ずしも外国人である必要はないし、その目的が「国際観光振興」に限られる必要は無い。

今の議連の名称は、そのようにこれまで各地域で検討されてきたカジノを利用した地域振興のアイデアに「国際振興」という枠をハメてしまった状態。逆に言うと、残念ながらそういった地方の声が適格に反映されていない中で議連のスタートとなってしまったという事である。

この議連の組成は我が国のカジノ合法化に向けて大きな第一歩であることは間違いないし、今後の活動に期待するのはモチロンである。中核となっている議員の方々も私が全く知らない方々というわけではないので(というよりはいつものメンバー)、積極的にご提案を申し上げるつもりではいる。しかし、カジノの誘致を検討する地方の方々は、この議連とは別の所でしっかりと「地域の振興」を主軸とした論議を行い、国政にそのメッセージを届けてゆかなければならない。

例えば、本年2月に発表された地方自治体が中心となったカジノ研究会などでは、今回の議連とは全く別の論議が行なわれるはず。そうでなければひょっとすると多くの方々にとって非常に残念な方向にこの論議が向かってゆくかもしれない。

【参考】 「神奈川県知事、カジノ開設で沖縄&和歌山と連携」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100217/plt1002171235000-n2.htm

カジノ合法化というのは今回の議連が掲げているような「国際観光」という視点だけで語るには、あまりにもその影響範囲が多岐に及ぶ観光施策である。国際観光振興という考え方の一方で、もう少し多面的な論議を行なわなければならないのではないか? これが業界の専門家としての私のスタンスである。

2010年04月09日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=5

カジノ関連ニュース 「大阪都構想」で集中投資...維新の会公約

前回の統一地方選挙から暫くカジノ関連の発言を控えていた大阪橋下府知事ですが、先週末のTV番組で久しぶりに吼えていましたね。実は、この背景には9月13日に報道された大阪維新の会の新マニフェストの発表がありました。

以下、読売新聞からの転載。


「大阪都構想」で集中投資...維新の会公約
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20110913-OYT1T00159.htm

大阪府の橋下徹知事が率いる地域政党・大阪維新の会が、11月27日に想定される府知事、大阪市長のダブル選の公約(マニフェスト)に盛り込む大阪の「成長戦略」の全容がわかった。

海外資本による経済活性化に向け、カジノなどの大型エンターテインメント施設や、外国語教育を進める国際村などを創設。関西空港と中央リニア新幹線の新大阪駅間に「関西リニア新幹線」を整備すると掲げる。「大阪都構想」を実現し、集中的な投資で経済成長路線への回帰を目指すという。[...]


統一地方選挙では票が取れない(or 票を失う?)と判断されて、穏便な表現に切り替えられた大阪カジノ構想ですが、今回の知事&市長のW選挙においては一気に選挙の争点へ。これはあくまで想像ですが、先月IR議連によってカジノ法の最終案が完成した事が各種メディアに報じられ、「追い風」となると判断したのでしょう。

ただね、一点だけ気になったのは先週末の橋下知事が出演したTV番組。相変わらずMICEに偏重したカジノ情報、かつ同番組内で流されたシンガポールカジノのVTRもシンガポールにある2つのIRのうち、なぜかMICEをテーマにした片方の映像ばかり。。「IR=MICEカジノ」の方向へ意図的にミスリードしようとしているグループの人達は、以前、私からあれだけ激しく叩かれたのに、まだ諦めてないんでしょうかね。

繰り返しになりますが、IR(複合型リゾート)という概念はMICEとの複合だけに偏らないもっと大きな概念です。彼らがまた本気でIRの定義をミスリードさせようと画策しようとしているのならば、私は再び全力でそれを打ち返すしかないですが...。(詳細は下記リンク先を参照)

「IR≠MICEカジノ」
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3839658.html
「カジノ法案サマリーを使ってはいけない」
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3548702.html

という事で、橋下知事の活躍を全力で応援したい反面、我が国のカジノ合法論議に一抹の不安を感じさせる報道でした。私の勘違いなら良いのですがね。。

2011年09月20日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

あるべきカジノ入場規制の形

更新が滞っていて申し訳ない。何だか良く判らないがメチャメチャ忙しく、目が廻りそうな毎日。弊社内には私を含めて3人のカジノ専門家がいるのですが、3人全員をフル稼働させても仕事が廻りきらない。そんな状況に陥っています。(嬉しい悲鳴ではあるのですが...)

さて、しばらく間が空いてしまいましたが、先週の論議の続きです。

とはいえ、私としては入場規制のあり方というアイデアそのものを否定しようとは思っていない。カジノの導入に伴う社会コストとの兼ね合いを考えた場合、プレイヤーの入場に対して何らかのチェック機能を働かせることは必要なのである。ただし、私が考える「あるべき」入場規制の形は、前出の所得制限や入場料制のようなものではなく、すべての国内プレイヤーに登録を義務付ける「会員制」のような制度である。

この「会員制」の入場規制のあり方には大きく2つの利点が考えられる。

①未成年賭博の抑止
すべてのプレイヤーに対して会員登録の際にID提示を義務づけることで、予想される未成年の賭博リスクを大幅に抑制できる。簡単に言えば、タバコの自動販売機に採用されているtaspoと同じような制度だ。もちろん入場の際に会員証の提示を義務付けると同時に、未成年の入場を許した事業者には厳しいペナルティを設けることが必要。制度はその運用をキッチリと行なわなければ、形骸化してしまうのはどの世界でも一緒だ。

②依存症対策
そして、会員制カジノのもう一つの意義が、ここまで散々取り上げてきた依存症対策である。その対策手法としては2つがあり得る。

i)一つ目が以前も投稿で論じたセルフエクスクルージョンプログラムの採用。日本語では「自己排除プログラム」などとも訳されるが、このプログラムに登録された人物をカジノのunwelcome-guest-list(望まれない来訪客リスト)に追加し、カジノから強制排除しようとするものである。多くの場合、このプログラムは本人のみならず、家族からの申請によっても登録が可能であり、このプログラムを採用する国や地域では依存症対策として非常に高い実効性を示している。

ii)もう一つの依存症対策が、使用金額の上限設定である。各プレイヤーがカジノ内で常に会員証を携帯して歩くということはすなわち、手法によっては各プレイヤーのカジノ内での使用金額をトラッキングできる事となる。各プレイヤーが自らの1日の使用予算をあらかじめ登録しておけば、施設内システムを通じてその金額を越えた時点で注意喚起、もしくはプレイを終了させることも出来る。このような技術はすでにカジノ業界内で実現可能なものであり、制度としても一部の先進的な国や地域で導入が始まっているものである。我が国においても、ぜひ導入を検討すべきシステムであろう。

いずれにせよ現代の技術を使えば、前回、前々回の投稿で述べたようなあまり実効性のない所得制限や、ともすれば返って依存症リスクを高める入場料の設定などよりも、よほど実効性のある依存症対策を行なうことができる。

我が国は世界でも圧倒的に後発な(ほぼ最後の国といっても良い)カジノ合法化を目指す国であるが、後発であるだけに上記のような先進的な技術や制度の導入が可能となるという利点もある。なによりも我が国にはそのような新しい制度やシステムを体現できる技術力がある。

「後発市場」と呼ばれた日本から、近い将来、世界のカジノ業界における新しい技術や制度が生まれ、それが世界標準になって行く。どうせ新しい産業を作るのならば、それを目指して積極的にいろいろな取り組みを行なえば良いではないか、と思うのは私だけだけではないはずだ。

2010年03月03日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=5

カジノ関連ニュース 出井伸之: 震災で露呈した構造的課題今こそ日本を再設計すべき

元ソニー社長の出井氏(現クオンタムリープ 代表取締役ファウンダー&CEO)が、日本のカジノ導入について言及しています。以下、週刊ダイヤモンドオンラインからの転載。(記事の閲覧には、会員登録が必要です。)


出井伸之: 震災で露呈した構造的課題今こそ日本を再設計すべき
http://diamond.jp/articles/-/13999

[...]抽象的なお題目を唱えるばかりではなく、具体的なプロジェクトをつくって走らせればいい。 たとえば、東日本復興ファンドを創設し、東京湾にシンガポールを再現する。臨海に島を造って火力発電所を建設し、その熱を利用して温泉リゾートやカジノを造る。そこで得た収益は東北の復興に使う。招致を目指している2020年のオリンピックも「東日本オリンピック」にすればいい。
今の日本は、よくも悪くも東京一極集中。だから東京を突破口として、新しい発想で日本を再設計することも必要ではないか。


カジノが東京で有るべきかという論議は別として、私も実は今の日本経済の底上げと、我が国の国際競争力の強化のためには東京の再生が不可欠だと思っています。

ソウル、シンガポール、上海、香港、クアラルンプールと、特に現在我々が競争しているアジアの国々はそれぞれの国の経済中心地を掲げて国際的な都市間競争を繰り広げています。上記の都市を見ていただければお判りの通り、ここに挙げられた都市はすべて地域の中心的な株式市場を持ち、為替市場を持ち、商品先物取引市場を持つ、文字通り商業、工業、そして金融の中心地となっている都市。「国際競争」の一点を考えた場合、我が国においては東京が筆頭となって、これら都市と戦って行かざるを得ない。この点においては、私も出井氏に賛成です。

我が国では、地域経済の活性化に関する話題となると、どうしても東京の一極集中が批判の対象となります。しかし、全国の都市が同質的に発展する必要はないですし、東京にあるものが全国の全ての都市に同様に備わっている必要もない。地域経済の活性化は必要ですが、全国の地域が等しく同じ方向を目指して動く必要はなく、それぞれの地域が独自性を持った都市の理想を目指す。これが、これからの地域政策のあり方なのですね。

そして、論議をまたカジノに戻すならば、現在すでに準備が完了したIR法の中でも、実はこのような理念はしっかり盛込まれており「特定複合観光施設区域が地域の特性を生かしつつ真に国際競争力の高い魅力ある観光地の形成の中核としての機能を備えたものとなるよう...」と謳われています。都市圏には都市圏なりのカジノ導入の姿、そして地方には地方なりのカジノ導入の姿があるはず。近年、カジノの導入モデルとなるとどうしてもシンガポールが参考事例として挙げられがちですが、日本全国のカジノ候補地がシンガポールを目指してIR構想を描く必要などは毛頭ないわけです。

この道の専門家として、我が国のカジノの導入が、ぜひ地域の「独自性を発揮した」発展に繋がるように上手に利用されることを願って止みません。

...と、そういった意を込めたセミナーをご提供したものが、以下のニュースになりました。

カジノ誘致へ意見交換会 小樽
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/318729.html

2011年09月21日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノ関連ニュースを3本

そろそろ色んな人達が興味を持ち始めた証拠か、カジノ関連のニュースが豊作ですね。

HTBへのカジノ誘致「県民の理解経て議論へ」 県が考え示す
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110921/08.shtml

現実味を帯びてきたカジノ関連
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/kouza/kabuka2/03/20110921-OYT8T00807.htm

ユニバ君 vol.93 日本のカジノ合法化
http://www.universal-777.com/company/column/yunibakun/pdf/2011/093.pdf


ちょっと変り種で、日本のパチスロメーカー、ユニバーサルエンターテイメント社が定期発行している「ユニバ君」というコラムをご紹介。(週刊新潮・週刊文春に掲載中)

上記コラムでは日本のカジノ合法化のことに触れていますが、私としてはどちらかというと同社のフィリピンカジノ開発はどうなった?? という方が、気になります。数ヶ月前にプロジェクトメンバーの大幅入れ替えがあってから、音沙汰なくなってしまいましたが、その後、如何進捗していますか? ぜひ近況をお聞かせ下さい。

本日は海外からお客様もいらっしゃっており、とっても忙しいのでここまで!!

2011年09月22日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

シンガポールのカジノ入場規制

前回は告知が入ってしまったので、本日は前々回の続きです。

2005年にカジノ合法化を閣議決定し、あっという間に法律の整備を行いその実現に漕ぎ付けたシンガポール。その機を見た適切な意思決定と、それを実現する政治的リーダーシップは賞賛に値するものであり、グダグダといつまでも公式の論議すら始まらない我が国がそこから学ぶべきことは多い。

しかし、専門家の視点で一点だけシンガポールのカジノ合法化政策における間違いを挙げるのならば、その国民に対する入場制限の在り方に言及せざるを得ないだろう。

シンガポールの内国人に対する入場制限の背景に存在する基本的な理念は前々回の投稿で述べた通りであり、この制度は「金持ちしかカジノに入場させない」という理念を実際の制度として体現したものである。ただし、それを制度的に実現するとしても入場者が全員入り口で所得を証明できるわけでもなく、その現実的な手法は限られている。シンガポールでは、内国人のカジノ入場に高額の入場料支払を課すことで擬似的に所得制限を行なった。

シンガポールのカジノでは、内国人のカジノ入場に対して1日S$100(約6,400円)、もしくは年間パスとしてS$2,000(約12万7,000円)の支払を課している。これは事業者側が設けたルールではなく、事業者に遵守が求められる制度上の義務である。シンガポール人の平均的な給与は月額S$3,500(約26万円)程度である。このような高額の入場料の設定は、実質的にカジノにはお金持ち以外は気軽に入場できない擬似的な所得制限として一定の機能を果たしているのは事実だ。


我が国における「所得制限論者」は、多くがこのシンガポールの例に倣って日本のカジノにおいても同様の形で入場料を課すべきだと主張している。しかし、前々回の投稿で論じたとおり、カジノ入場への所得制限という考え方は基本的に依存症に対する誤った理解から出発しているものであり、依存症対策としては殆ど意味がないものである、というのが私の主張。

もっと言えば、私としてはこの「入場料」という制度選択がより問題を助長する要因にすらなり得ると考えている。

2010年02月19日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6

「金持ちだけがカジノに入れるように...」の論議

「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」

このアイデアは有力な議員、および一部の専門家などからもしばしば発言がなされており、我が国のカジノ合法化論議においては比較的メジャーな制度提案である。しかし、もしそのような主張を展開している方々が「貧乏人にはカジノで遊ぶ資格はない」という変な所得差別意識からそういった制度提案をしているのではないのだとすると、私はその主張の論理的な妥当性にかなり疑問を持たざるを得ない。

・・・という風に若干皮肉交じりの口火の切り方をしたが、私としても彼らがこういった発言をする「動機」というのはシッカリと理解をしているつもりである。要するに彼らはカジノ導入から発生する依存症を懸念しているわけだが、私はその制度提案の「理念」の部分では大いに共感するが「手法論」としては賛同できないのである。

彼らの主張が何故間違っているかというのは、これをアルコール依存症の論議に置き換えてみれば体感的にすぐにお判り頂ける事と思う。

「アルコール依存症の懸念があるので、我が国ではお酒に強い体質を持つ一部の人達にだけにその消費が許されるべき。」

もしこのような制度提案をアルコール依存症対策のために提案をする人間がいたとしたら、多くの人はこのように彼を諭すのではないだろうか?

「アルコール依存症は、お酒が弱いから起こる病気ではありませんよ...」

適正な飲酒教育がなされている皆様方は常識としてご存知のことだと思うが、アルコール依存症はお酒が弱いから起こる病気ではない。むしろ、お酒が強い人間の方が飲酒という行為、もしくはアルコールという物質の摂取を継続的な習慣としやすく、アルコール依存症の発生リスクが通常より6倍も高いという調査結果がある位だ。
http://pharm.ph.sojo-u.ac.jp/genometalk/gt83.pdf

以前にもこのブログ内で論じたとおり、依存状態というのは人間に本来備わっているはずの「物事を適正な程度に保つ」というコントロール機能が崩れてしまっている状態のこと。そこに個々人の許容量(アルコールで言えば「お酒に強い・弱い」)は関係ない。例えお酒に強い人であっても、その適正なコントロールを失ってしまえばアルコール依存となり得るのである。

・・・という例を示した上で、もう一度皆さんに問いかけてみたい。「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」という主張は、果たして依存症に対する正しいアプローチなのだろうか?

「お金を持っている、持っていない」というのは、アルコールでいう「お酒に強い・弱い」に相当する許容量の問題。それを依存症の発生にからめてしまって「貧乏人にはカジノに入場させるべきではない」とする主張の根底には、「貧乏人は依存症になり易く、お金持ちは依存症になり難い」という間違った理解がありはしないか? しかし実態はというと、例えその人の稼ぎが人より少しばかり大きかったとしても、ギャンブル依存症になる例は幾らでも存在する。

依存症はより強い刺激を求めて時間とともに悪化する進行性の病気である。そのような進行性の病気において「その人がどれだけお金を持っているか」という論議は全く意味を成さない。どんなにお金を持っている人であっても、それが無尽蔵に湧いてくる人以外は、何れかの時点で必ず問題が表面化する。基本的にはアルコール依存症と個々人のアルコール耐性の関係と全く同じなのである。むしろアルコール依存症の例に則って言えば、カジノとの接触を継続な習慣としやすいお金持ちの方が依存症になるリスクが高いかもしれない。(残念ながらそれを裏付ける調査は今の所無いが...)

要するに、依存症対策と入場者の所得を結びつける発想は、完全に間違っているということだ。

しかし、我が国ではこれより益々、この「日本で作るカジノは金持ちだけが入れるように所得制限を設けるべき」という間違った主張が強く展開されてゆく可能性がある。何故ならば、先日、初のカジノが開業したばかりのシンガポールが同様に「金持ちしかカジノに立ち入らせない」ような制度設計の下でカジノを合法化したばかりだからだ。

私はいち専門家として、ここに非常に大きな危機意識を持っている。

2010年02月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6

カジノ近隣の貸金業者を規制できるか?②

では国の定めるカジノ法の中で近隣地区への貸金業者の出店規制をすることができるか?答えから言うと、「あまり現実的ではない」である。

論点1:国民の財産権、および経済的自由権に係わる問題
繰り返しになるが用地を何に使い、特定事業者が何処に出店するかは、憲法に保障された国民の権利である。たとえ国の定める法律であっても、それを安易に制限することはできない。

論点2:どういう手続きが必要か?
それでは国の定める法律で、カジノ周辺への貸金業者の出店を規制しようとすればどのような手続きが必要となるだろうか?また、これにあたってはどのような事を勘案すべきか。

1. 貸金業を「著しく公序良俗を害する存在」として規定する
我が国の法律の中で最も代表的な特定の業種の出店制限を定めている法律が風適法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)である。風適法に定められている業種は、その法の中で「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす」営業であると規定されており、公共の福祉、もしくは地域の公序良俗保持のために、その出店規制が妥当とされている。

もし、国民の権利である「財産権、および経済的自由権」を制限してまで、特定業種の出店規制を行なおうとするならば、風俗営業法の中に貸金業を含めるまでいかなくとも、同様の形で「その営業が著しく公序良俗を害する存在である」ことを明確にする必要があるだろう。

2. 最終的には法廷判断
おそらくこのような貸金業者に対する規制を法律によって行なおうとすれば、最終的にはその妥当性を裁判所において判断する必要が出てくるだろう。これは景観法の制定の時にも発生したが、この種の法律を制定した場合、権利者側から必ず行政訴訟が起こされる。そしてその法律が妥当かどうかを判断できるのは裁判所のみである。

例えば景観法の係争における裁判所の判断は、

「ある行為が景観利益に対する違法な侵害に当たるといえるためには、少なくとも、その侵害行為が刑罰法規や行政法規の規制に違反するものであったり、公序良俗違反や権利の濫用に該当するものであるなど、侵害行為の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くことが求められる。」

というもの。上で私が述べたとおり、もし貸金業者の出店規制を法によって行なう場合は、ここに見られるようなガイドラインに沿った形で「それ相応の理由」が必要となる。もちろん最終的には裁判所が判断することだが、個人的には貸金業をそこまでの「社会悪」のようなものとして捉えるのは、若干行き過ぎだと考える。

また「そもそも論」で言えば、この論議はカジノを規制するカジノ法ではなく、貸金業者を規制する貸金業法の中で論議すべき事項であり、カジノ法の中でそれを取り扱うことは法の本旨から外れる。ゆえに、最初の質問に戻るが、「国の定めるカジノ法の中で近隣地区への貸金業者の出店規制をすることができるか?」という質問の答えは「あまり現実的ではない」となる。

実は2006年に発表された自民党の「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」の中では、カジノと貸金業の関係に対して、

「カジノ場内ないしは近隣特定地区において、カジノで交遊する目的のために金銭を貸し付けることことは原則的にこれを禁止する。」

という記述がある。これがどういった法の体系をイメージしたものなのかは書いた人しか判らないが、もし貸金業者の出店規制をすることを意味しているのだとすると、法律上は非常に高いハードルがあるのは私が上で述べたとおりである。まぁ正直当時の論議は、具体的な法の体系をキッチリと論議した上でのものではなく、政治的な価値判断で「そうあったら良いよね」という位の認識で、この項目が方針の中に盛り込まれたのではないかと想像する。あれはあくまで「方針」であって、精緻な法的、もしくは実務的検証が行われたうえでのものではないというのが私の認識である。

そもそも当時、自民党が出した基本方針は、総論では様々な配慮がなされている秀作といえるが、細かく見てゆくと検証不足の部分、もしくはカジノの実業に係わってきた専門家の目線でいうと業界の実態に合っていない部分がチラホラ存在しているのも事実である。実はこのような論点の再整理は、今後の論議の材料にして頂く様にと数ヶ月ほど前にすでに関係各所(与野党問わず)にお渡ししている。(「まだ貰ってないぞ!!」という関係各所の方がいらっしゃれば、他意はありませんのでぜひご連絡を下さい。)

閑話休題。少し話題はズレたが、ここで論じた貸金業者の問題は、パチンコ店や公営競技場周辺における貸金業者の出店制限と同じ論議であり、実は数年前のグレーゾーン金利を含む貸金業者への規制強化の中でも語られた事項でもある。

当時の論議の結果では、貸金業法でこのような地域における貸金業者の出店制限を設けるところまでは規定されなかった。一方で、行政指導によって業界団体の自主規制が作られ、このような地域においては新規出店や新規のATM設置を行なわないようにとされた(既存店は除外)。詳しくは以下をご覧頂ければと思う。

貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則(日本貸金業協会)

これが、恐らく私が上に示したような様々なハードルを認識した上での「現実的な対応策」なのだろう。私は、カジノ近隣地区における貸金業出店制限も同様のものとなるのではないかと想像している。


以上、カジノ近隣の貸金業規制について、ざっと思いつくままに。。私に電話で質問をされた方も恐らくこのブログを読んでいることと思いますが、これでご質問に対する答えになりましたでしょうか?

2010年02月03日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6

カジノ誘致勉強会 府に広域連合事務局

関西広域連合で、いよいよ正式なカジノ合法論議が始まる。以下、読売onlineからの転載。


カジノ誘致勉強会 府に広域連合事務局
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20110925-OYT8T00051.htm
近畿など7府県でつくる関西広域連合が24日の知事会合で設置に合意した、カジノや会議場、宿泊施設からなる「統合型リゾート」の誘致を検討する「勉強会」の事務局を、府が受け持つことになった。広域連合の観光・文化振興を府が担当しているためで、10月中旬の第1回会合に向け、構成メンバーの選定にあたる。

会合では、兵庫県の井戸敏三知事と滋賀県の嘉田由紀子知事がカジノ誘致の反対を改めて明言した。治安への影響、ギャンブル依存症対策に課題があるためで、井戸知事は「勉強会には教育、治安の専門家も加えるべきだ」と主張した。


一方、収益による財源確保の観点から、誘致に前向きな山田知事は「カジノがどのようなものかを聞くだけでも有益。井戸知事の意見も踏まえ、メンバーの選定を進める」と語った。

「カジノ導入は地域の広域連携の中で語られなければならない。」 これは私がカジノ専門家としてズーっと主張し続けてきた事(詳細は、過去記事を参照【広域発想の無いカジノ構想は生き残れない】)。それを最も体現しているのが、関西広域連合におけるカジノ論議でしょう。こういったカジノ論議の広域化は、関西だけではなく北から南まで全国様々な地域で起こり始めています。

ただし、上記の通り関西広域連合内では井戸兵庫県知事と嘉田滋賀県知事がカジノ導入に対して明確に反対。一方で、仁坂和歌山県知事はカジノ推進派ながらも「大阪構想」に対しては反対の立場。なかなか一枚岩にはなりそうもありません。

一方で、賛成にしろ反対にしろ様々な角度からそれを検証、研究するという事は非常に良い事。ぜひ、教育や治安の専門家も加えながら、勉強会を早期に実現して欲しいものですね。

2011年09月26日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノ近隣の貸金業者を規制できるか?

先日、電話にて受けた質問:

=========
カジノの導入をかなり真剣に検討している某自治体で、カジノの周辺に貸金業者の出店をさせるべきではないという論議が持ち上がり、それを規制したいという意向が出ている。具体的に自治体の条例レベルでそれを実行することは可能か?
=========

答えからいうと「限りなく難しい」です。

論点1:国民の財産権、および経済的自由権に係わる問題
特定の用地に対して公が用途規制をかけるということは、その用地の所有者の財産権を侵害する可能性がある。また、特定の事業者に対して出店規制をかける事自体も、その事業者の経済的自由権を犯す可能性がある。財産権、および経済的自由権は日本国憲法で保障される国民の権利である。この種の制限を少なくとも条例のレベルで規制するのは非常に難しい。

論点2:条例の適用範囲
日本国憲法が地方公共団体に対して認める条例の制定は、憲法94条で

「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」

としている。同様に地方自治法も地方公共団体の条例制定に対して、

「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができる。」

と定めており、少なくとも憲法の保障する財産権や経済的自由権を犯すような特定業種に対する出店規制を、「上乗せ」で条例が定めることは憲法上も地方自治法上も難しい。

恐らく出てくるであろう質問:郊外防止条例や景観条例など、条例でも法律に上乗せするルールを決めていることがあるではないか

その種の条例がそのような規制をできるのは、論拠となる大気汚染防止法、水質汚濁防止法、景観法などが各地方公共団体に対して独自の上乗せ規制を認める「委託条項」を持っているから。地方公共団体が定める条例が単体で効力を持って各種制限を行なっているわけではない。

もし、カジノ周辺の貸金業者の出店を条例を持って規制したいならば、いずれにせよ国の定める法律の中で委託条項を定める必要があり、条例単体でその効力を持たせるのは非常に困難である。

2010年02月02日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6

マカオカジノ業界の一時代が終わった

マカオカジノ業界の一時代が終わりました。以下、macaubusiness.comからの転載。


スタンレーホー氏、全SJM所有株を売却
http://www.macaubusiness.com/news/stanley-ho-sells-remaining-stake-in-sjm-report/11680/


スタンレーホー氏は、1960年代から2004年までマカオのカジノ市場を独占し続けてきた「マカオのカジノ王」と呼ばれる経営者。2004年に海外資本のカジノがマカオに参入してくるまでは、「マカオ政府財源の約30%はスタンレーホー氏の関連企業による納税によって成り立っている」などともいわれてきました。マカオの裏社会との関係も強く、「マカオマフィアの表の顔役」などと言われながらも、一方で香港やマカオでは一代で富を築いた伝説的な企業家として厚い尊敬も受けているという非常に変わった人物です。

ここ数年は体調を崩したことで、親族間での跡目争いなども起こり、あまりパッとした話はなかった同氏ですが、とうとう企業グループの基幹企業であるSJM社の保有株全売却に踏み切ったとのことです。マカオカジノ産業にとっては一時代が終わったという事になるのでしょう。ちなみにSJM社は未だマカオカジノ市場の30%を握る、一大カジノ勢力です。

SJM社の経営はスタンレー氏が体調を崩した数年前から、すでに別の経営陣が引き継いでいますので今回の株式売却は企業経営的にはそれほど影響はないでしょう。むしろ、「スタンレーホー」の看板が外されることで新たな事業展開が可能となるかもしれません。

前述の通り、スタンレー氏は優秀な経営者ではありますが、若かりし頃はかなり「切った張った」を繰り返してきた裏社会との関連も強い人物です。実は、このスタンレー氏の経歴が問題となって、SJM社は特にライセンス審査の厳しい海外市場への進出を拒まれてきました。(カジノ業界は企業に厳格なバックグラウンドチェックを求めるため、進出にあたってSJM社は不適格とされてきた)

一方で、今回のスタンレー氏の株主離脱を受けて、SJM社が上手に「代替わり」を行う事ができたならば、ひょっとするとこれまで拒まれてきた海外進出も可能となるかもしれません。(事実、スタンレー氏の息子が経営するカジノ企業は海外進出に成功している)そうなるとその他の業界企業にとっては、非常に手強いライバル企業の登場となるでしょうね。

アジアの片田舎のローカル企業と思われていた事業者が、一躍世界のカジノメジャーと肩を並べて競争を始める。2000年代に起こったゲンティン社(マレーシアのカジノ企業)に見られたような業界を揺るがすサクセスストーリーが再び見られるかもしれません。SJM社の今後の展開を、ちょっと期待を込めて見守りたいと思います。

2011年09月28日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

カジノと射幸性論議

11月16日の投稿で解説したとおり、風適法はパチンコに一定の射幸心をそそる性質があることを前提に、それを刑法で禁止される「賭博」と明確に区別し、その営業を認めている。
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/774267.html

その中で最も重要なポイントとなるのは、パチンコが遊技業である限り「技術をもって遊ぶ」ことが主目的であるべきで、そこから得られる様々な結果はあくまで副次的なものでなければならないという点である。パチンコ店はその関係が逆転してしまうような著しく射幸心をそそる営業を行なってはならないし、遊技機はその射幸性(射幸心をそそる度合い)において、一定の基準を超えてはならない。このように考えると、パチンコ業における「射幸性」という概念は、その業の存在そのものを定義づける非常に重要な概念であることがわかる。

一方、それと比較してカジノというものを考えた場合、射幸性という概念はパチンコ業におけるそれほど重要ではないことがわかる。そもそも「賭博」として定義づけられるカジノにおいて、その営業や各種ゲームが射幸心をそそる性質を持っているのは至極当然のことである。あくまで「遊技」であらなければならない遊技業とは異なり、プレイヤーの主目的が「遊び」にあるか、もしくはその「結果」にあるかと線引きする事はそれほど意味を持たない。諸外国のカジノゲーム規定はそういった要素よりも、むしろ「ゲームとしての公平性」に重点をおいて制度設計が行なわれるのが一般的だ。

現在の我が国におけるカジノ法制論議ではこの辺りを混同して、カジノ業の中に遊技業における射幸性論議のようなものをそのまま持ち込もうとする向きもある。しかし、私はそれは完全に間違ったアプローチだと考える。一度、基本に立ち戻って「遊技とはなんたるか」「賭博とはなんたるか」という基本的な部分の再確認をすることが必要だろう。

私は、これを突き詰めてゆくと最終的には我が国におけるゲーミング産業の再点検に繋がると考えている。カジノ、パチンコ、公営賭博(ひょっとするとゲームセンターも)。我が国のゲーミング産業はそれぞれがバラバラの統制システムの下で動いているが、もう少し一体的な運用が行なわれても良いはずだ。

2009年11月19日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=6

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