カジノ導入数はいつから3つにな...

カジノ導入数はいつから3つになったのか?

さて、本日は先の朝日新聞記事へのコメントの続きです。かの記事を見て国内カジノ関係者の方々が最も不可解に思ったであろう部分は以下の古賀一成議員の発言だと思います。


(日本のカジノ導入は)それぞれの特性を持つ3ヵ所ぐらいで始め、将来は増やせばいい。


これまでカジノの導入数に関しては様々な論議がありましたが、昨年の8月に発表されたカジノ法私案によって「当初2ヵ所、その後最大10まで増やす」という指針が示され、それがほんの数ヶ月前まで維持されてきました。その方針に急な変更があったという事です。実は私の耳にも先月の初頭くらいからその予兆が入り始め、いつブログ上でそれを指摘しようかなぁと考えていたところでした。今回の朝日の記事はある意味、よい機会だったと思います。

イヤ、良いんですよ、3つで。そもそも私が研究員を勤める早稲田大学アミューズメント総研ではその研究成果に基づき4年も前から、我が国のカジノ導入数はその政策目的を変えながら「少なくとも3つ以上の設置が望ましい」と主張し続けてきました。しかし、そのような学術的な研究成果があるにも関らず、明確な根拠が示されないまま定められたのが「当初2、最大10」という基準であり、我々からしてみれば何の論議もなく決められていた数字が、再び何の論議もなく変更された。そして、我々が主張してきた数字に落ち着いた(?)といえます。

では、なぜこの数ヶ月の間に「3」という数字が急浮上してきたかといえば、皆さんもお察しの通り震災の影響です。3・11震災直後に私も提言書を発表させて頂き、その後、宮城県を中心に震災復興を目的としたカジノ導入論が巻き起こりました。現在、仙台空港を中心としたカジノ構想が持ち上がり、1万人を超える被災者の署名も集められていると聞いています。そして、我が国のカジノ導入数を「当初2から3」へと引き上げようとする動きは、こういった宮城県のカジノ導入論が盛り上がってくるのに伴って発生しました。

要はね、邪推をするならば以下のような事が起こっていることが想像されるわけです。

...今までのシナリオならば自分の所にカジノが来るであろうと皮算用していた一部の人達が、震災を境に「仙台カジノ構想」という強力な正統性を持ったプロジェクトが登場した事に慌てたのでしょう。そんな強力なライバルが出てくると、うちの枠が無くなる...とね。とはいえ現在、我が国において中心的なテーマになっている復興構想を正面から否定し、それを邪魔する事は出来ない。なので、仕方がなくカジノ導入数をこっそりと2から3へと引き上げる事によって、当初の2枠を確保しようとしている。

下でご紹介するのは数週間ほど前にプレジデントロイターが報じた記事ですが、その大部分は間違いや憶測記事であるものの、以下で示した引用部分に関してだけは非常に鋭い切り込み方をしていると私は評価しています。


急浮上「仙台空港カジノ構想」を巡る思惑と疑問
http://president.jp.reuters.com/article/2011/07/21/FF855A84-ABB3-11E0-9239-45293F99CD51.php

[...](カジノ合法化は)法律論争以前に省益争いの調整という課題も抱えている。そこで、「復興」の冠を付ければその突破口が開けるかもしれない......というわけだ。

ところが、その"冠"が他県のカジノ推進者に「仙台限定か?」「中央官庁との折衝が水泡に帰すのでは?」といった疑問を抱かせている。ただし、表立ってその不安が表明されることはない。「今、東北の復興は"錦の御旗"。反対すれば"朝敵"となってしまう」(カジノ関係者)からである。


繰り返しになりますが、私、および早稲田大学アミューズメント総研は、かねてより「少なくとも3ヵ所以上の設置が必要」という主張をしていました。よって、個人的には今回の導入数の変更に全く異論はありません。むしろ、「最低限必要な数字にやっと修正された」と思っています。

しかし、問題なのは、そこに至るまでの様々な意思決定のプロセスが非常に不透明であること。何のマトモな論議もなく急に導入数を「2から3」に引き上げるというのは、ずっとこの論議を見続けている人達からすれば非常に唐突感極まりないやり方です。むしろ、その裏にある一部の人間達の「ご都合主義」が垣間見えてしまうし、中立な立場にいる研究者としてはそれを指摘せざるを得ない。そういう事ばかりを続けていたら、本当に「為るものも、為らなく」なってしまうので、論議はオープンに行いましょうねという事を私は言いたい訳です。

なぜ我が国のカジノ導入は2ではなく、「少なくとも3」でなければならないのかという根拠にご興味のある方は、早大アミューズメント総研までお問い合わせください。我々は明確な論拠を持って、それを主張し続けて来たのです。

2011年08月01日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html

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