2011年8月 記事一覧
- 初心者のためのカジノ入門
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カジノ導入数はいつから3つになったのか?
さて、本日は先の朝日新聞記事へのコメントの続きです。かの記事を見て国内カジノ関係者の方々が最も不可解に思ったであろう部分は以下の古賀一成議員の発言だと思います。
(日本のカジノ導入は)それぞれの特性を持つ3ヵ所ぐらいで始め、将来は増やせばいい。
これまでカジノの導入数に関しては様々な論議がありましたが、昨年の8月に発表されたカジノ法私案によって「当初2ヵ所、その後最大10まで増やす」という指針が示され、それがほんの数ヶ月前まで維持されてきました。その方針に急な変更があったという事です。実は私の耳にも先月の初頭くらいからその予兆が入り始め、いつブログ上でそれを指摘しようかなぁと考えていたところでした。今回の朝日の記事はある意味、よい機会だったと思います。
イヤ、良いんですよ、3つで。そもそも私が研究員を勤める早稲田大学アミューズメント総研ではその研究成果に基づき4年も前から、我が国のカジノ導入数はその政策目的を変えながら「少なくとも3つ以上の設置が望ましい」と主張し続けてきました。しかし、そのような学術的な研究成果があるにも関らず、明確な根拠が示されないまま定められたのが「当初2、最大10」という基準であり、我々からしてみれば何の論議もなく決められていた数字が、再び何の論議もなく変更された。そして、我々が主張してきた数字に落ち着いた(?)といえます。
では、なぜこの数ヶ月の間に「3」という数字が急浮上してきたかといえば、皆さんもお察しの通り震災の影響です。3・11震災直後に私も提言書を発表させて頂き、その後、宮城県を中心に震災復興を目的としたカジノ導入論が巻き起こりました。現在、仙台空港を中心としたカジノ構想が持ち上がり、1万人を超える被災者の署名も集められていると聞いています。そして、我が国のカジノ導入数を「当初2から3」へと引き上げようとする動きは、こういった宮城県のカジノ導入論が盛り上がってくるのに伴って発生しました。
要はね、邪推をするならば以下のような事が起こっていることが想像されるわけです。
...今までのシナリオならば自分の所にカジノが来るであろうと皮算用していた一部の人達が、震災を境に「仙台カジノ構想」という強力な正統性を持ったプロジェクトが登場した事に慌てたのでしょう。そんな強力なライバルが出てくると、うちの枠が無くなる...とね。とはいえ現在、我が国において中心的なテーマになっている復興構想を正面から否定し、それを邪魔する事は出来ない。なので、仕方がなくカジノ導入数をこっそりと2から3へと引き上げる事によって、当初の2枠を確保しようとしている。
下でご紹介するのは数週間ほど前にプレジデントロイターが報じた記事ですが、その大部分は間違いや憶測記事であるものの、以下で示した引用部分に関してだけは非常に鋭い切り込み方をしていると私は評価しています。
急浮上「仙台空港カジノ構想」を巡る思惑と疑問
http://president.jp.reuters.com/article/2011/07/21/FF855A84-ABB3-11E0-9239-45293F99CD51.php
[...](カジノ合法化は)法律論争以前に省益争いの調整という課題も抱えている。そこで、「復興」の冠を付ければその突破口が開けるかもしれない......というわけだ。
ところが、その"冠"が他県のカジノ推進者に「仙台限定か?」「中央官庁との折衝が水泡に帰すのでは?」といった疑問を抱かせている。ただし、表立ってその不安が表明されることはない。「今、東北の復興は"錦の御旗"。反対すれば"朝敵"となってしまう」(カジノ関係者)からである。
◆
繰り返しになりますが、私、および早稲田大学アミューズメント総研は、かねてより「少なくとも3ヵ所以上の設置が必要」という主張をしていました。よって、個人的には今回の導入数の変更に全く異論はありません。むしろ、「最低限必要な数字にやっと修正された」と思っています。
しかし、問題なのは、そこに至るまでの様々な意思決定のプロセスが非常に不透明であること。何のマトモな論議もなく急に導入数を「2から3」に引き上げるというのは、ずっとこの論議を見続けている人達からすれば非常に唐突感極まりないやり方です。むしろ、その裏にある一部の人間達の「ご都合主義」が垣間見えてしまうし、中立な立場にいる研究者としてはそれを指摘せざるを得ない。そういう事ばかりを続けていたら、本当に「為るものも、為らなく」なってしまうので、論議はオープンに行いましょうねという事を私は言いたい訳です。
なぜ我が国のカジノ導入は2ではなく、「少なくとも3」でなければならないのかという根拠にご興味のある方は、早大アミューズメント総研までお問い合わせください。我々は明確な論拠を持って、それを主張し続けて来たのです。
2011年08月01日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
検証・新日鉄と住金の合併 ~カジノ導入の提言
NetIB Newsが連載している「検証・新日鉄と住金の合併 北九州経済に与える影響は?」シリーズの中で北九州再生のためのカジノ誘致提言がなされております。
検証・新日鉄と住金の合併 北九州経済に与える影響は?(22・終)~再生への提言・カジノ誘致
http://www.data-max.co.jp/2011/08/22_48.html
[...]人口の減少に悩む北九州市にとって、新日鉄と住金の合併に伴う大幅な人員の削減や下請け企業の整理統合などが急速に進展するようなことになれば、さらに厳しい事態となる。
両社の合併により広大な遊休地が生まれることになるが、これを負の遺産と見るのかそれともチャンスと見るかによって北九州市の運命は決まるかもしれない。小倉から若松までに広がる敷地、24時間運用が可能な北九州空港、九州新幹線の開通、大陸との玄関口などによる交通の利便性、関門海峡のクルージングなど数多くの利点がある。両社の合併発表は、北九州市にとって「カジノ誘致」の名乗りを上げるためのエポックメイキングな出来事なのかもしれない。[...]
九州の中のカジノ構想としてはハウステンボスを中心に展開する西九州統合型リゾート研究会が有名ですが、北九州に構想が持ち上がれば強力なライバルになりそうですね。ちなみに、西九州統合型リゾート研究会によるカジノ誘致構想は、専門家目線でみると国内各種カジノ構想の中で最も「良く出来ている(必要十分な要素がコンパクトにまとまっている)」構想のひとつだと私は評価しています。
全国のカジノ誘致団体の方々には、ぜひご参考にして頂きたいですね。本日はちょっと忙しいので、この辺で。
2011年08月03日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ関連ニュース 関西統合型リゾート案の未来
忙しすぎてご紹介しそびれていましたが、以下は6日ほど前に京都新聞によって報道された関西カジノ構想に関する記事です。
関西に統合型リゾート案 カジノと国際会議場併設
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110728000025
京都や滋賀など7府県でつくる関西広域連合が策定を目指す「関西観光・文化振興計画」の中間案が27日に判明した。カジノや大型会議場を併せ持つ統合型リゾートの設置検討が盛り込まれている。中間案は28日の知事会合で報告されるが、カジノの是非をめぐっては各知事の間で温度差があり、会合での議論が注目される。[...]
橋下府知事が関西広域連合に持ち込んでいる大阪カジノ構想、何とか議論の盤上には上がりそうですね。ちなみに、この報道のベースとなった中間報告案は以下のリンク先から読むことができます。
関西広域連合関西観光・文化振興計画(中間案)
http://www.kouiki-kansai.jp/data_upload/1311769873.pdf
戦略テーマ2 新しいインバウンド市場への対応
2-1 ニューツーリズムの魅力強化
関西の強みでもある産業観光、エコツーリズム(自然・環境)、医療観光、ヘルスツーリズム(温泉、ウォーキング)など新しい観光資源のブラッシュアップやPRを推進する。
2-2 MICEの取組強化
・各府県単位での誘致・開催という状況から、関西を一つのエリアとした発想の「KANSAI MICE」の実現を目指す。
・KANSAI統合型リゾートの検討内外からの集客力、経済波及効果に大きなインパクトがあるエンターテインメント機能(例えば、カジノなど)の検討やコンベンション機能の充実などをメインとした関西全体としての拠点づくり構想について検討を進める。
2-3 新しい観光需要への対応
・ナイトライフ・エンターテインメントの魅力強化を推進し、ライブ・エンターテインメントの充実など、家族でも楽しめる関西の夜の魅力を連携して実施する。
・外国人観光客の人気の高いショッピングやグルメの割引などを連携して実施する。
上記、下線部あたりがIRに関連する記述でしょうかね。ただし、京都新聞もコメントしているとおり、関西広域連合では連合長となっている井戸敏三・兵庫県知事が昔から強力なアンチカジノ論者ですから、論議の盤上に乗った先にどのように纏まるかは未だに見えません。井戸知事は過去、石原東京都知事や松澤前神奈川県知事が全国知事会に対して「中央政府に対するカジノ法整備要求決議」を持ち込むごとに、反対派の急先鋒としてそれを廃案にし続けてきたという前歴があります。
【参考】カジノめぐり真っ向対立/知事会議で議論白熱
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-102027-storytopic-86.html
全国知事会議ではカジノの是非をめぐり議論が白熱する一幕もあった。当初の予定にはないカジノ法整備要求を東京都が持ち出したのが発端。賛成も相次いだが、兵庫県の井戸敏三知事は「絶対反対だ。私はそこまで落ちぶれたくない」ときっぱり。全国組織の公開の会議で、賛否が真っ向から対立するのは珍しい。結局、提案事項に盛り込むことは見送られた。[...]
「カジノ自体は否定しないが、橋下構想には反対」という、何だかよく判らない立ち位置の平松大阪市長と違い、井戸知事は根っからの強烈なカジノ反対論者です。こういう方が議長なわけですから、関西広域連合におけるカジノ論議も、けして一筋縄ではいかないでしょう。また、大阪カジノ構想に関しては、肝心の関西財界自体が若干及び腰であるなどという話も聞き及んでおります。
すでにカジノ合法化運動の旗振り役として多大なる貢献をして頂いている橋下知事にこれ以上を求めるのも酷ではありますが、大阪カジノの実現のためにはもうひと踏ん張りが必要と言ったところでしょうか。
2011年08月04日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ合法化宣言
民主党に政権が変わって約2ヶ月。停滞していた国政でのカジノ論議がやっと動き出した感がある。 私もそれに関わるものとして、ここ2ヶ月で30~40の関係者(民間、地方、国政などあらゆる分野に関わる)に個別にお会いし、お話をさせて頂いて来たが、そこから得られた体感をここに記す。
様々な技術論は別にして、現在、日本カジノ合法化が前に進まない最大の原因は、すべての関係者が「人任せ」のスタンスにあることにある。 少なくとも私がお会いしてお話させて頂いた方々の間では、日本のカジノ合法化に対する期待は非常に高く、非常に前向きな方々が多い。それぞれが各分野で「ひとかど」の評価を受けている方々であり、「これほどの方々がいるのならば、すぐにでも合法化されるのではないか?」と思ってしまいがちであるが、一方で残念ながら誰しもがリスクを取りたくないためか「○○さんが××をやってくれなければ、私は△△できない」という主張があまりにも多い。
国政が動いてくれなければ、地方は○○できない
地方が動いてくれなければ、中央は○○できない
民間が動いてくれなければ、政治は○○できない
政治が動いてくれなければ、民間は○○できない
経済団体のようなところが動いてくれなければ、個別企業は○○できない
木曽さんのような人が動いてくれなければ、私は○○できない
各人がこの種の主張を繰り広げながら、堂々巡りを繰り返している。一方で、各々がカジノ合法化が進みだした際にはその主導権を握ろうと、お互いの情報収集に躍起になっているのが非常に滑稽でもある。これまでも我が国でカジノ合法化が進みそうなチャンスは幾度か存在した。それでなお、我が国のカジノ合法化が延々と達成されないのはおそらくこの堂々巡りが原因。誰かが一歩を踏み出さなければならないのだろう。
私はここ数ヶ月のヒアリングを通して一つの決意をした。それは、この業界における数少ない専門家として、これから「私が○○するから、日本でカジノが合法化される」と声高らかに宣言してゆくこと。私がこれを主張することで「○○が××をしてくれなければ...」と主張して、足踏みをしてしまっている「誰か」が前進し始めると信じているからである。
そういったポジティブなメッセージを皆様にお届けするために、このブログも立ち上げた。ということで、今後とも宜しくお願いいたします。
2009年11月02日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_55155.html
【最終告知】早大カジノシンポジウム
以下、明日行われる早稲田大学アミューズメント総研によるカジノシンポジウムの最終告知です。
現在、発表準備の真っ只中。とりいそぎ、本日は告知のみ。
------以下、イベント詳細-------
【日時】2011 年6 月15 日(水)15:30~17:00(15:00 開場17:30 より懇親会あり)
【会場】早稲田大学早稲田キャンパス大隈小講堂
【プログラム】
1.研究発表・意見交換(15:30~17:00)
《会場》大隈小講堂
《発表題目》
①カジノ合法化はMICE 増加に有効なのか
《内容》カジノとMICE の関係は検証可能か?カジノ合法化はMICE 増加に有効なのか、検討状況を報告いたします。
②タイトル:カジノ市場推計シミュレーション
《内容》被災地の活性化のためにカジノが貢献できるか? 震災復興カジノを事例とし、経済効果推計のシミュレーションについて発表いたします。
2.懇親会(17:30~19:30)
《会場》大隈記念タワー15 階西北の風
【対象】カジノ導入、及びカジノ産業の波及効果に関心をお持ちの皆様
【お申し込み】下記、リンク先資料を参照
http://www.zumodrive.com/share/cSpYZWY5ZG
2011年06月14日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_65539.html
カジノシンポジウム案内2
来週月曜日は、先にご紹介した北海道でのシンポジウムですが、再来週にはまた別のイベントが控えているので本日はそちらをご紹介。
私が研究員として在籍する早稲田大学アミューズメント総研カジノ産業研究会の研究発表会が6月15日に執り行われます。私も発表者として登壇いたしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。ただし最初に断っておくと、あくまでこのイベントは学術研究発表会ですから、内容は非常に小難しいです。会場に来て寝ないように、それなりに気合を入れて参加して頂く必要があります。
------以下、イベント詳細-------
【日時】2011 年6 月15 日(水)15:30~17:00(15:00 開場17:30 より懇親会あり)
【会場】早稲田大学早稲田キャンパス大隈小講堂
【プログラム】
1.研究発表・意見交換(15:30~17:00)
《会場》大隈小講堂
《発表題目》
①カジノ合法化はMICE 増加に有効なのか
《内容》カジノとMICE の関係は検証可能か?カジノ合法化はMICE 増加に有効なのか、検討状況を報告いたします。
②タイトル:カジノ市場推計シミュレーション
《内容》被災地の活性化のためにカジノが貢献できるか? 震災復興カジノを事例とし、経済効果推計のシミュレーションについて発表いたします。
2.懇親会(17:30~19:30)
《会場》大隈記念タワー15 階西北の風
【対象】カジノ導入、及びカジノ産業の波及効果に関心をお持ちの皆様
【お申し込み】下記、リンク先資料を参照
http://www.zumodrive.com/share/cSpYZWY5ZG
2011年06月03日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_65539.html
東京都知事選とカジノ
現・神奈川県知事の松沢氏が、出馬を表明している4月の東京都知事選挙のマニフェストに「カジノの誘致」を明記しましたね。松沢氏は、神奈川県知事としてこれまで強力にカジノ推進の旗振りをしてくれていましたから当然といえば当然の事ですが、それをマニフェストに明記して頂けるというのはなかなか心強いですね。羽田⇔成田間の超高速鉄道構想、首都圏連合構想など松沢氏が神奈川県知事時代に強力に取り組んだテーマも盛り込まれており、それぞれの政策においてキッチリと筋を通したという事でしょう。
マニフェスト| 松沢しげふみ公式サイト
http://matsuzawa.com/manifest/policy.html
8 【都市再生】羽田の国際ハブ空港化、歴史と文化の都市づくりを推進します。
羽田のハブ空港機能を強化し、臨空産業の振興やカジノなどのアミューズメントを誘致するなど、湾岸地域の活性化を図ります。羽田・成田両空港の一体化のため、超高速鉄道構想を推進します。東京港、横浜港、川崎港を「京浜港」として一体化し、国際競争力を強化します。
同じく都知事選に立候補している、ワタミ会長の渡邊氏もマニフェストにこそ「カジノ」の3文字は入っていないですが、某メディア向けミーティングにおいて慎重にコメントを選びながらも「カジノは是非やりたい」と発言したとのお話を伺っています。「お金を儲ける事は得意。その儲けたお金で、福祉と教育を強化したい」という渡邊氏にとっても、東京へのカジノ誘致は決してその政策方針から大きく外れるものではないのでしょう。まさに、「東京を経営する」という標語を掲げる渡邊氏らしい方針です。
また、出馬が確実視されている東国原氏も2008年の宮崎県知事時代にカジノに対して積極発言をしています。当時は、「エコと健康」のテーマですでに経営再建が成功しつつあったシーガイア側がカジノ構想に難色を見せたことで構想が頓挫したとの話を聞いていますが、東国原氏も基本はカジノに対して好意的と考えてよいでしょう。
【参考】 「カジノ、出遅れたかな?」東国原知事、強い関心示す(宮崎県)
http://pachimura.com/?%A1%D6%A5%AB%A5%B8%A5%CE%A1%A2%BD%D0%C3%D9%A4%EC%A4%BF%A4%AB%A4%CA%A1%A9%A1%D7%C5%EC%B9%F1%B8%B6%C3%CE%BB%F6%A1%A2%B6%AF%A4%A4%B4%D8%BF%B4%BC%A8%A4%B9%A1%CA%B5%DC%BA%EA%B8%A9%A1%CB
ということで、東京都知事選の有力候補者の中では共産党の小池氏以外は全員がカジノに対して前向きな姿勢であると考えてよいでしょう。どなたが勝利するかは誰もわかりませんが、いずれの候補者が勝ったとしても都知事選後、東京のカジノ誘致運動も一気に盛り上がるかもしれません。
2011年03月10日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_65539.html
近代カジノ経営
カジノの歴史を語る時、社会学者ならば「カジノは中世ヨーロッパにその端を発し、長い歴史を持つ文化的遊びである」などという前口上から、その講釈をスタートするのだろう。もしくは、「ギャンブルは人類最古のビジネスとも言われ...」と、古代文明の遺跡から発掘された様々なギャンブル機器の説明をするのかもしれない。しかし、そのようなカジノ(もしくはギャンブル)の長い歴史を他所に、実は近代的なカジノ経営がこの世に生まれたのは他の産業と比べて非常に遅く、ほんのここ数十年の事である。
2010年10月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_127453.html
「仙台カジノ構想」批判に対する回答
一歩一歩、確実に準備が進んでいると聞き及んでいる「仙台カジノ構想」ですが、一方で国内カジノ関係者の中で公然とこれを批判する者も出てき始めているようです。彼らの弁によれば「今から合法化が行われてカジノが出来たとしても、開業するまでに5年はかかる。仙台カジノは震災復興に寄与しない」だそうです。
何を企んでいるのか、もしくは自分の手が届かないところでカジノ論議が活発に行われるのが単純に気に入らないのか、一部関係者がそういう理論を打ち立てて業界内のコンセンサスにしようと派手に吹聴して廻っているようです。私としては「非常に不謹慎かつ、不見識な人達だな~」としか思いません。しかも、その目論見は今のところ残念ながら大外れでIR議連も復興モードに完全にシフトしている訳ですが、一応、以下にそういった方々のキャンペーンに対する私なりの反論を纏めておきます。
1)なぜ開業が5年先だと復興に資さないのか?
最初に思うのが、彼らは今回の震災復興のタイムフレームをどのように捉えているのだろうか?という点。三陸全域の都市機能が壊滅した今回の被災からの復興には10年、15年の期間が必要だと言われています。例えば、当の被災地である宮城県自身が全体のタイムフレームを、復旧期(3年),再生期(4年),発展期(3年)に区分しながら10年がかりの復興計画を描いているわけです。
【参照】宮城県震災復興計画
http://www.pref.miyagi.jp/seisaku/sinsaihukkou/keikaku/index.htm
上記の震災復興計画の中には、当然観光産業の再建も含まれており、これに関しては当然10年がかりの長期の計画として描かれいます。そのようなタイムフレームの中で5年後開業を見据えた上で現地の人たちが考えているカジノ構想が「役に立たない」などと嘲笑される理由が、私には判りません。
2) 開業が5年先だからといって、経済波及が5年後から始まるわけではない
カジノというのは大型の土木開発事業です。開業が5年後であったとしても、その開発事業は認可が下りた時点から始まるワケで経済波及は開業以前から発生します。マカオやシンガポールなど海外の事例に基づけば、カジノの導入が決定した時点から周辺の不動産価格が上昇し始め、それに対する投資が生まれ、まずは不動産取引業あたりから経済波及が始まります。そして、土木系の工事が始まれば建設業種にその波及が移る。
また、工事が始まれば地域に土木関係者が集まり始めますから、そういった方々を対象とした小売業や飲食業、娯楽業などへ。そして開業が近づいてくれば、カジノに物品を納入する納品業者。人材を手配するエージェントなど徐々にその影響が広がってゆくわけです。
同時に、カジノが開業する事となれば沢山の数の労働者がそこで働くことになります。必然的に周囲に宅地開発をする必要が出てきますし、宅地が形成されればそこには様々な都市機能(病院、学校、公共交通など)が必要となるでしょう。カジノの経済波及効果というものは、開業後の観光需要からだけではなく、その認可が下りた時点から徐々に様々な産業に向けて広がってゆくものなのです。
3)「復興財源に資さない」などという不見識
震災直後に発表させて頂いた提言書をお読み頂ければ判るとおり、私自身はカジノで上がった税収は今回の震災復興の原資として利用されるべきだという考え方です(以前より在る年金基金に繰り入れる案などよりも、よほど意義高い)。これに対して、少し前に行われたカジノ系の某イベントにおいて私の目の前で「カジノが開業したとしても税金が入るのは5年後から。カジノ税は復興原資にはならない。」などと公然と言い放った業界識者とされる方もおりました。残念ながらその場はディスカッションの場ではなかったので論議のしようが無かったのですが、これまた「不見識な人だな~」、もしくは「そんな事も判らない人ではないハズなのに、何を意図して強弁しているのだろうか?」としか思いませんでした。
皆様もご存知の通り、民主、自民、公明の3党は、今回の震災の復興原資としを10兆円規模の公債発行で緊急補填をすることを合意しているワケです。
【参照】復興債、総額12.5兆円に 年金財源流用分を補てん
http://www.asahi.com/politics/update/0805/TKY201108040925.html
公債というのは必要となる公共事業の支払いを、単年度ではなく複数年度に平準化するための公的仕組みですから、将来的に発生するカジノ税をこの償却財源として指定してしまえば問題ないワケです。「日本の長期国債は、通常10年の設定である。当初5年、入ってこない財源はどうするのか?」などという反論も聞こえてきそうですが、カジノ税が発生するまでは普通に借り換え(繰越)をすれば良いのではないですか?
我が国の国債償還のルールでは、すでに建設国債に関しては60年まで借り換えをしても良いというルール(60年召還ルール)となっています。これは「将来世代にわたって利用される公共施設の投資を、現役世代に全額負担させるのは世代間の公平性を欠く」という理由によって決められた制度です。同じレトリックで言えば、100年に一度と言われている今回の震災復興のために、公債の借り換えをする事がNGであるという理由はありません。また、将来的に入ってくる新たな財源を前提としての公債発行&借り換えですから、政治倫理的にもそれほど非難されるようなものでもありません。(いわゆる将来世代に単純にツケを廻すというものとは異なる)
現在、民主も自民も財政再建派(増税派)の方々が主流になっているので復興債は期間を限定した増税によって賄うなどという事になっていますが、個人的には「100年に一度」の大地震にたまたま遭遇してしまった我々世代が、その原資を短期で返済する必要はあるのかなぁなどとも思います。地震というのは長い世代にかけて溜まってきたプレートの歪みが、どこかの世代で一気に爆発して起こるものです。世代間の公平性という視点では、たまたまその煽りを受けた特定世代の人間だけが集中的にその被害補填を行う事は非常に不公平ですね。
そして、その解決策を私の専門性に結びつけるのならば、まずはカジノ税を利用して今回の復興国債を返還する。その後は、毎年上がる税収を「震災対策準備金」として積み立てましょうって事です。偶発的に発生するその他の災害と違い、地震に関しては必ずどこかの世代で起こる災害なのですから、その為の積み立てを世代間を跨いで行ってゆく必要があるでしょう。その原資としてのカジノ税提案なワケです。
ギャンブルというのは、万に一つの幸運(ラッキー)を信じて楽しむものです。そうやって集められた収益の一部が、逆に万に一つの不幸を拾ってしまった被災者のために使って頂けるのならば、業界人としてこれほど誇らしいことはありません。詳しくは私が震災直後に書いた提言書をお読みください。
【参照】カジノ合法化に向けたディスカッションペーパー13: 災害復興とカジノ
http://www.zumodrive.com/share/bJIDZmU5MW
ということで、以上が「仙台カジノ構想」を公然と批判し始めているカジノ業界内の人達への私なりの回答です。ちなみに念のために書いておきますが、私は必ずしも被災地におけるカジノ導入運動「だけ」を応援しているわけではありません。私の作成した提言書では、「被災地にカジノを作る」案から、「全国のカジノによって生み出された原資によって被災地を支援する」案まで、3つのシナリオを提案しています。それぞれ求められる効果は異なりますので、その点は熟考が必要だと思います。
2011年08月10日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/
カジノと入場規制
また以前の記事を蒸しかえしてしまって申し訳ないが、7月29日の朝日新聞のカジノ記事には2つの大きな方向性が示されていた。1つ目が、「日本人にもカジノ入場の門戸を開ける」、もう一つが「自国民からは入場料を取るべき」という古賀一成議員の発言だ。
まず結論から書かせていただければ、個人的には前者の「日本人にも門戸を開ける」ことに対しては賛成。そして「入場料を取る」という事に対しては私は反対である。
1) 日本人にも門戸を開ける
この点に関しては、政治家である古賀議員が良く決断をしてくれたものだと拍手を送りたい。実は、世界には非常に特殊な地域において(韓国、ベトナムなど)「外国人専用」というカジノが存在しており、我が国のカジノ合法論議においてもしばしば持ち出されるアイデアである。
こういった特殊なカジノの形式がしばしば論議として持ち出されるのは、大部分が政治側の都合である。導入するカジノを「外国人専用」としてしまえば、カジノ導入論の中で最も対処の難しく、そして反対派の理論の裏支えとなる「依存症問題」を回避できる。「外国人しか入れないのだから、少なくとも国内に問題は生じない」という理屈だ。カジノの賛成派であっても弱腰な政治家さんにおいては「とりあえず外国人専用」とする事で、こうやって批判を避けようとする人も多い。
しかし、このブログ内でも散々述べてきたとおり、「カジノが出来たら依存症が増える」という反論は依存症という病気の発生の因果関係を完全に取り違えていることによる間違った理論である。まずは、反対派の方々に正しく依存症を理解して頂くことが重要であって、「とりあえず外国人専用」でその論議から逃げ出すのは全く間違った手法論であると私は考える。
また、「外国人専用」という選択は、我が国がカジノを導入しようとしている「目的」から考えても間違っている。これに関しては、こちらの記事を参照して頂きたい。
2) 入場料を取る
大前提として、「入場料を取る」という施策の根拠がわからない。もし、「カジノという賭博は潜在的に社会秩序や風紀を乱す可能性があるものなので、日本人の参加には一定の「障壁」を設けるべきだ」という理念であるとするのならば、カジノだけではなくすべての賭博業態にも同様のルールを採用すべきだ。我が国の公営競技場は、すべからく無料で施設利用ができるのみならず、子供向けの遊戯施設などを内包し、未成年の入場(同伴)を積極的に推奨しているような施設すらある。こちらの方が余程リスクが高い状態にあり、同様に規制を行わなければ理屈が通らない。
また、入場料を取る事が「依存症の施策となる」と考えているのならば、残念ながらその効果を立証した科学的な根拠はない。入場料制度は、近年ではシンガポールや韓国のカジノが採用する制度ではあるが、世界のマーケットの中では少数派であり、特殊な制度である。以前にも書いたとおり、依存症対策は義務教育課程でのリスク教育(or ストレスマネジメント教育)と、問題を持ったプレイヤーを正常なプレイヤーと区別をし入場をさせない仕組みを導入することが重要なのであって、正常な消費者もひっくるめて一様にそこから入場料を取る事に道理はない。
また、特に私の専門である市場側の目線でいえば、「入場料を課す」という施策は依存症対策としての実効性うんぬんは別として、「正しい消費」を行っているプレイヤーの需要に対して確実な押し下げ要因となる。結果的に民間企業の投資意欲を減退させるのと同時に、そこから入ってくるカジノ税収額をも減少させる。「確実に縮小する市場規模」と引き換えに、「実効性の証明されていない施策」を採用することにどれほどの政策的な正統性があるのか、この点はこの件に関る議員や官僚の皆さんは、もう一度考えてみた方が良いだろう。
そして、さらに最悪なことが現在想定されている入場料制度の設計である。現在、衆議院法制局を中心にカジノ法案の大綱が作られつつあるが、入場料に関しては以下のような形式が想定されている。
入場料
1. 国はカジノ施設におけるゲームの依存症に関する対策に要する費用に充てるために、特定複合観光施設区域において認可事業者が営業するカジノ施設に入場する者から、カジノ管理員会規則で定める額以下の入場料を徴収することができるものとすること。
2. 特定地方公共団体は、特定複合観光施設区域及びその周辺区域における正常な風俗環境の維持に要する費用に充てるために、特定複合観光施設区域において認可事業者が営業するカジノ施設に入場する者から、カジノ管理員会規則で定める額以下の入場料を徴収することができるものとすること。
要は、国は入場料を取得して、それを依存症対策に使用する「ことができる」、地方公共団体は入場料を取得して、それを周辺環境維持に使用する「ことができる」という規定であるが、「依存症対策、周辺環境維持」はカジノの導入にあたって必ず必要なものなので、実質「入場料を取る」という事となる。ところがこの様な設計のまま制度が採用された場合、「最悪のケース」として以下のようなことが起こりうる。
繰り返し申し上げている通り、「入場料制度がプレイヤーに与える影響」というのは、未だどの国においても実証されていないものである。ひょっとするとこれから数年後、シンガポールや韓国において「入場料制度の取得はあまり意味がない」とする研究結果が出てるかもしれない。もしくは、以前私が「可能性」として指摘したとおり、ひょっとすると「入場料制度はむしろ依存症を助長する」という研究結果が出ることもありうる。そうなると諸外国は、入場料撤廃の方向にいち早く動くであろう。
ところが、もしその様な研究結果が出た場合、「依存症&周辺環境維持対策費」を、入場料から補填すると制度的に決めてしまった我が国はどのように対応するのか? 先も述べた通り、依存症や周辺環境維持への対策はカジノ導入にあたって、必ず必要なものである。ところがそれを制度上、入場料から補填している我が国においては「入場料を無くせば、対策費が出なくなる。対策費が必要ならば、入場料制度を維持しなければならない」という、ジレンマに陥ってしまう。そして、そのジレンマを解消するためには、法律や制度そのものの改定という大仕事を経なければならなくなるのだ。おそらくこの制度設計を推奨した人間は、立証されてもいない入場料制度の実効性を妄信しているのであろうが、こんな最悪なケースが容易に想像できる形の制度を、今から積極的に採用するのは愚策以外のなにものでもない。
そこで、私なりの提案である。百歩譲って国や地方自治体が入場料を取得する「ことができる」という条項を残すとするならば、その使途を国や自治体の依存症&周辺環境維持対策費にヒモ付ける事は止めるべきである。もし各種対策費を充当する必要があるのならば、カジノ税収の一定比率をそちらに振り向ける事ができるようにすべき。それと、入場料制度の採用は切り分けて考える方が後に起こりうる面倒考えれば、圧倒的に良い。
その様な制度設計とした上で、実際のカジノ導入の最終段階に至ったところで、「そもそも論」として実効性に疑問が残る入場料制度の採用を、もう一度論議&検証すべきだ。さもなくば、この入場料規定が将来的な日本カジノ産業にとって、本来は廃止すべきなのに「止めるに止められない」施策になりかねない。入場料制度が、いわゆる「毒まんじゅう」的施策になる可能性を大いに秘めた危うい設計となっているということだ。
2011年08月11日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/
今度は沖縄カジノが動き出した
来年は、10年毎の沖縄の振興計画を定めた沖縄振興特別措置法の更新年です。現在、政府内ではその更新に向けた論議がまさに行われているのですが、与党民主党内のプロジェクトチームから沖縄へのIR導入の提言が出されました。
以下、民主党の広報サイトへのリンクです。(引用部分はリンク先サイトからダウンロードできる提言書から)
沖縄振興計画改訂にあたっての提言まとまる 沖縄政策プロジェクトチーム
4.規制緩和について
内航・外航規制を含めた海運・港湾政策等については現行の緩和措置の効果をよく見極める必要がある。長期的には会社の国籍、船籍、対象地域・港湾、対象貨物等の観点から追加の緩和措置の検討が考えられる。またIRやMICEと言われるものなど総合的なリゾート開発の取組についても、沖縄県内における十分な合意形成を前提に、全国に先駆けた取り組みを優先的に進める環境整備が考えられる。
これに対して仲井真知事は、以下のようにコメントしたことが報道されています。
仲井真知事:「普天間」保管の放射性廃棄物 通報遅れに不快感 /沖縄
[...]民主党政策調査会が決定した新たな沖縄振興への提言に、カジノを含む統合リゾート(IR)の検討が盛り込まれたことについて、「IR導入への強い要請が県内にもある。今度の振計でもIRが可能になるような法的整備は必要。導入ができる仕組みをつくることには賛成だ」と述べ、導入に向けた環境整備に前向きな考えを示した。ただ「実際に導入するかどうかは、県民のコンセンサスをあらためて求める必要がある」とも述べ、カジノ導入は県民合意が大前提とした。
個人的には、与党発で提言が行われるよりは、沖縄側から検討に向けた要請があるべきだとは思うのですが、仲井真知事は民主党プロジェクトチームによるこの提言を歓迎しながらも、未だに受け身な発言ですね。とはいえ、少なくとも沖縄カジノ構想にとっては大きな進捗だと思います。
この提言書は、あくまで沖縄振興特別措置法の更新の前提となる沖縄振興計画に関する提言を纏めたものです。とすれば、沖縄のIR認可はIR議連が現在上程しようと準備しているIR法ではなく、沖縄振興特別措置法の中での沖縄だけを対象とした特別な許可を示唆していることとなります。
そのあたりは、提言書内の「全国に先駆けた取り組みを優先的に進める環境整備が考えられる」の部分に現れていますね。すなわち、全国でカジノを合法とする法律(IR法)の通過を待たずに、優先的に環境整備を進めるべきということですね。何しろ沖縄振興特別措置法は来年の3月末に更新ですから、本当にこの提言が実現するとなると我が国のカジノの導入は目前にあるということです。
被災地におけるカジノ構想、沖縄振興特別措置法、そして議連が進めているIR法と、我が国のカジノ合法論議は非常に騒がしくなって参りました。
2011年08月12日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/
「パチンコもカジノも解禁しよう」論に対して
経済学者・池田信夫氏がカジノ合法化についてコメントしてくれています。
パチンコもカジノも解禁しよう
http://news.livedoor.com/article/detail/5227849/
経済学派の中では、市場原理を最重視するリバタリアンの方々が賭博に関しては最も寛容だといわれていますが、日本を代表するリバタリアンの池田氏(私の認識が間違っていたらゴメンナサイ)も例に漏れず、パチンコもカジノも解禁すべきと主張しています。
まずは、影響力の大きい論客の方にこの論議に参加して頂けることには、このテーマを専門としている研究者として心より感謝を申し上げたいと思います。そのように御礼を申し上げた上で、私なりの指摘および意見を述べさせて頂きたいです。
◆
世の中にはパチンコとカジノを同一視し、「カジノを合法化するのならば同時にパチンコも合法化すべきだ」という主張があります。池田氏も同様なのですが、この根底には必ず「パチンコは実質賭博なのだから...」という見解がある。しかし、これは我が国の賭博行政に関する知識不足から生ずる間違った論議であると考えます。
大前提として皆さんにご理解頂きたいのは、我が国の刑法は「ギャンブル(射幸)性のある娯楽」を完全に禁止しているわけではなく、刑法の適用が除外される例外規定があるという点です。
刑法 第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
現在、皆さんが街で見かけるパチンコ店は、この刑法185条で規定される賭博罪の例外規定に基づいて存在しているもの。より具体的にいうと刑法185条の示す「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」の範疇を、さらに詳細に規定した「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称:風適法)」およびその関連規則に則って営業が行われています。この風適法に基づいた営業行為は「遊技」と呼ばれ、刑法で禁止がなされている「賭博」とは一線を画すものとして規定されています。
ここでまず皆さんに理解して頂きたい点は、「ギャンブル性を持った遊び」のすべてが賭博なのではなく、世の中には「ギャンブル性は持っているが、賭博とまではいえない遊び」の存在が認められているという事。そしてそれが、我が国では賭博とは一線を画した「遊技」として制度上異なったルールの下で規制されれているということです。これは別に我が国だけの特殊な整理の仕方ではなく、海外でも国によっては存在する概念。欧米圏ではこの種の遊び を「AWP: Amusement with Prize(賞金つきの娯楽)」と呼び、様々な国が我が国と同様に賭博とは分けて制度的に規定しています。
さて、ここまでは我が国の法理解に基づく事実です。そして、ここから先は私の見解です。
世の中の「カジノを合法化するのならば、同時にパチンコも合法化すべきだ」という主張の根底には、「パチンコは実質賭博なのだから...」という見解があると述べました。しかし、この見解は「ギャンブル性のある遊び」はすべてが「賭博」であるという間違った理解からスタートしていないでしょうか? 繰り返しになりますが、我が国の刑法は「ギャンブル性のある遊び」をすべて一様に禁じてしまうような法律ではありません。国民が「一時の娯楽」として楽しんでいるものに関しては、一定の範囲で市井に存在しても良いとしている。
逆にいえばパチンコ業は、それが刑法が例外として定める「一時の娯楽」の範疇を超えないように、常にそのギャンブル性(射幸性)がコントロールされながら合法的に存在している産業であるのです。なので、「あれは実質賭博なのだから、いっそ賭博として合法化してしまえ」という論議は、論議の方向として間違っている。もしパチンコが「実質賭博」となってしまっているのならば、むしろ現行の風適法の運用が刑法の定める例外規定を超えてしまっている事を問題視すべきなのです。事実、パチンコのギャンブル性が過度に高くなりすぎていると判断された時期には、風適法の運用に変更がなされそのギャンブル性を抑えるような施策がとられています。
実は現在のパチンコ産業はそのような運用規則変更の結果、この10年来で最もパチンコのギャンブル性が抑えられている時代。もはやゲームセンターのメダルゲームの方がギャンブル性が高いのではないか?などとも言われていますし、池田氏が述べているように最近急激に拡大している新興の金融商品(デリバティブ)の方が遥かにギャンブル性が高い。
閑話休題。
それでは一方で、なぜ公営競技や宝くじなど、完全に「賭博」の範疇に入るものが我が国で存在し得るのか。これを突き詰めれば、池田氏がもう一方で主張し、私が専門とするカジノ合法化論議に行き着くわけですが、それにはまた別の法的根拠があります。以下は若干古いですが、某所より依頼をうけて賭博と遊技の違いについてまとめた表です。ご興味のある方は、参考にしてみてください。
http://www.casinonews.jp/Seminor/gaming.pdf
2010年12月29日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html
IR≠MICEカジノ
このブログ内でも繰り返し主張し続けてきたことだが、IRとMICEカジノを混同することは完全に間違いである。ここ1ヶ月くらいの間、永田町、霞ヶ関および民間の様々なカジノ関係者とお会いしてお話をしているのだが、改めてこの問題の根深さを感じている次第です。
IR(Integrated Resort: 複合観光施設)とは、カジノを中心として宿泊施設、料飲施設、小売施設、会議施設、娯楽施設など異なる機能を統合させた観光施設のこと。この種の施設は1980年代にラスベガスから誕生した事もあって、古くは「ラスベガス型カジノ (Las Vegas-style casino)」とも呼ばれ、それが全米に広がった1990年代末には「アメリカ型カジノ(American-style casino)」と呼ばれるようになりました。さらに、それがシンガポール、マカオなど世界中に広がった現在においてはIR(Integrated Resort)と呼ばれるのが一般的になっています。
日本で合法化が検討されているカジノもまさにこのスタイルのカジノであり、8月に超党派カジノ議連が示した法案においては、このIRを日本語風に「複合観光施設」と訳し、
会議施設、宿泊施設、飲食施設、物販施設や多様な友好施設あるいは公益的施設等を含み、その中核にカジノを行なう施設を据えた複合的な機能を有する余暇、遊興施設
と定義しています。
◆
しかし、どうも我が国のカジノ合法論議は「MICEカジノ」という特定のIRの形態に偏りすぎた論議になっているのが非常に残念、というか私はそこに危機感すら感じている状況。
MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行), Convention またはConference(大会・学会・国際会議), Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一形態を指す用語。このうち特に国際会議施設や大規模展示場などを含んで複合化したIRを、一般的に「MICEカジノ」と呼びます。(というよりは、一部のカジノ事業者がこの概念を広めようと、好んでこの用語を使っている)
我が国のカジノ合法化論は、実はこのMICE誘致政策と非常に密接に語られており、ともすれば「IR≒MICEカジノ」というような論調で語られています。
しかし、このブログを読んでくれている多くの皆さんは理解してくれていることと思いますが、IRの概念はMICE施設とカジノの複合に限られるものではなく、マリンリゾートとの複合、テーマパークとの複合、ゴルフ場との複合、温泉保養(SPA)施設との複合、スキー場との複合など、より多くの可能性を含むもの。IRとMICEカジノの関係は、論理式で記述するならば「IR⊃MICEカジノ」であって、「IR≒MICEカジノ」ではないということです。
◆
上記のような論調の問題点は、このままの方向で我が国のカジノ合法化論議が進んでゆくと、特に都市圏以外でカジノ誘致を考えている地方の方々が、その論議から取り残されてしまう点にあります。
そもそもMICEカジノというのは、交通インフラや宿泊インフラなど巨大な都市機能の存在が前提となって成立するもの。それを開発するためには、シンガポールのようにすでに成立している都市圏内でカジノ開発を行なう、もしくはラスベガスやマカオのように多数のカジノの集積をもって大都市(カジノ都市)を形成させる以外には成立が不可能なものです。我が国のカジノ合法化は施行数がかなり少数に限定されており、ラスベガスやマカオのようなカジノ都市の組成を目指すものではないですから、必然的に「我が国のカジノは大都市圏近郊になければならない」という方向に論議が収束するのは想像に難くない。
一方で、現在のような路線で我が国のカジノ論議が進められたとして、本当に今後、全国的な賛同を得られるでしょうか? そもそも我が国のカジノ合法論議は、経済縮小に喘ぐ地方都市の方々を中心として支えられてきたものです。その多くは、地方再生の切り札として「カジノ誘致」に可能性を見出し、地域にある様々な観光資源との連携を模索しながら形作られている。その多くは、MICE以外の複合形態を目指したIRなのです。そのような観点から考えると、現在、国の中枢で拡散している「IR≒MICEカジノ」の論調は、「地域の再生」という当初に共有されていた理念とはかけ離れた所で行なわれていると言っても良いでしょう。
繰り返しになりますが、このままの論調で果たして全国民的な賛同を得ることができるのか。もう少し具体的に言えば、それぞれの地元を抱える国会議員の過半数の賛同を得ることができるのか。私は、このままでは論議が深まるにつれて徐々に賛成派の結束も瓦解してゆくことになりはしないかと非常に大きな懸念をしています。
私は専門家として、誤解されて拡散しつつあるIRの定義をもう一度正しい定義に振り戻すこと。すなわちIRの再定義が必要だと考えています。以下、某所より依頼されて作成した資料の一部を皆さんに共有いたします。世界には色んなスタイルのIRが存在し、MICE施設との複合化はその中の一つの形にすぎないのです。
http://www.zumodrive.com/share/8ZYZNjZiNm
2010年12月16日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html
NY州知事 従来型カジノ導入を検討 雇用、経済の活性化図る
以下、Daily Sun NYによるアメリカ・ニューヨーク州のカジノ導入検討に関する報道。
NY州知事 従来型カジノ導入を検討 雇用、経済の活性化図る
http://www.dailysunny.com/2011/08/12/nynews0812/
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は10日、同州に商業を目的としたカジノの導入を検討している旨を明らかにした。経済的な苦境に立つ同州に、ラスベガスのような従来型のカジノ施設を設け、商業の側面から活性化を図るねらい。[...]
アメリカ国内で最も大きな市場を抱えている州のひとつ、ニューヨーク州のカジノ合法化がいよいよ検討されるようです。現在、ニューヨーク州にはレーシノと呼ばれるマシンゲーム併設型の競馬場施設が8軒、アメリカ原住民族が原住民族居住区で限定的に営業を行うカジノが7軒ありますが、正式なカジノ(いわゆる商業カジノ)はありません。現在、ニューヨーク州民は、主にお隣の州であるコネチカット州やニュージャージ州に週末等に赴き、カジノを楽しんでいます。その流出消費総額が年間20億ドル(約1,500億円)でというのですから、州としては看過できない事でしょう。
ただ、上記事で私が理解できないのは、ステファン・フリードマン氏の語る「カジノの導入に際して問題とされる州法については、ゲームの種類を選択することにより長期にわたる補正手続きを踏まずに計画を進めることも可能」というコメント。
テーブルゲームの運営を前提としたカジノ法を上程するのではなく、現行のマシンゲームを許可している宝くじ法の中でマシンゲームのみのカジノ施設を作る事を想定しているのでしょうかね。ニューヨーク州内の賭博関連法はあまり調べた事がないので、どのような法制を想定しているのかもう少し情報収集をしてみたいと思います。
< 今度は沖縄カジノが動き出した
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争論:カジノを日本に ~朝日新聞 朝刊
2011年08月17日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/5610065.html
カジノ法案:確実に論議不足の部分
注)以下の投稿はかなり専門的な話になるので、興味の無い方は読み飛ばして頂いた方が良いかもしれません。
さて、前回&前々回と現在のカジノ法草案の中で「スッポリ抜け落ちている部分」&「間違っている部分」の2つをご紹介しました。本日はこのシリーズの最後として、現・法案の中で私の目から見て確実に論議が不足しており、このままゆくと後々に必ず大問題が発生するであろう部分をご紹介します。
◆
現在、超党派議連から発表されているカジノ法案にはアチラコチラで「遊技」という用語が使われています。例えばカジノ法案第二条五項では、以下のような形で遊技という用語が登場します。
五. 「カジノ」ないしは「ゲーミング」とはトランプ、さいころ、テーブル等の用具、器具あるいは機械式・電子式機械等を用い、金銭を賭して僥倖により勝者が金銭を取得する賭け事をいい、本法律の規定に基づき、許諾され、許可を受けて設置されたカジノ施設において提供される遊技をいう。
遊技という法律用語は、現行の法令の中では「風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律」(通称:風適法)およびその関連規則の中でのみ登場する用語。具体的には、マージャン、パチンコ、輪投げ、射的など風適法7号営業業種において提供される様々な営業行為を表す用語として登場します。
この「遊技」という用語。読んで字の如くなのですが、その意味は
遊びとして行う技。もしくは、技術をもって遊ばせること。
を現しているもので、「賭博」とは一線を画すものとしてこれまでの法令上は定義付けられています。これは「遊技は技術を争う『ゲームとして』の娯楽の提供が第一義であり、景品の払出はそこから出る副産物でなければならない」という法律上の基本理念を最も象徴的に現した用語であり、同時に「そのゲームの中に必ず物理的な技術介入が求められる」という遊技と賭博を明確に分ける特徴を示した用語でもあります。
ところが、現在超党派議連から示されている法案の中での「遊技」という用語の利用は、
「カジノ」ないしは「ゲーミング」とは [...] 金銭を賭して僥倖により勝者が金銭を取得する賭け事をいい [...] カジノ施設において提供される遊技をいう。
と、カジノを一方で「賭け事(賭博)」として明確に規定しながら、同時にそれは「遊技」でもあるという定義をしている。これは、これまでの法解釈の中で「賭博ならざるもの」として定義付けられて来た「遊技」という言葉の用法から完全に逸脱したものであり、このまま論議を進めてしまえば必ず風適法との間で矛盾が生じる事でしょう。
この他にも、カジノ法案の中で「射幸性」という用語も何度か登場していますが、これもまた風適法もしくはその関連規則のなかで現在使用され、定義付けられている内容との整合性を深く検討した上で利用されているとは思えない。同種の問題を抱えているであろう記述が現法案内には散見されており、この辺りは賭博業の専門家として、法案作成プロセスにおいて完全なる論議不足を感じています。
「賭博とは何か?」「遊技とは何か?」という問題は、カジノ合法化にあたって避けては通れない我が国特有の非常に難しい論議であり、実は現在示されているカジノ法案においては、「まずはカジノ合法化のための道筋を確定してからの論議としたい」とする意図が垣間見えます。この辺の論議の難しさを最もよく知っている専門家の私としても、その気持ちは判らんでもない。
しかし、もしそれを本当に後回しにするとしても、先行して作成する法案は少なくとも後の論議を阻害しないように慎重に言葉を選んで作成されなければならない。現法案には、その辺りの配慮が圧倒的に不足しているといえるでしょう。私としては、「遊技」という言葉や「射幸性」という言葉など、後々に改めて論議を行なわなければならない用語はなるべく用いずに、使用する用語を慎重に選択しながら後の論議に引継ぐべきだと考えています。
逆に言えば、もしそういった規定を現法案の中で行いたいのであれば、今の段階で「賭博と遊技」の関係に関して整理をキッチリと行わなければならないということです。
2010年11月02日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html?p=2
新政権誕生で「カジノ」に再度関心
やっとお盆も終わり、皆さんも通常営業でしょうか? このサイトは、社会人の方が何らかの業務の一環として(?)覗いてくれている比率が高いようで、週末や長期休暇になると極端にアクセスが落ちます。また、PCを立ち上げてから最初に閲覧をしてくれる人が多いのでしょう、出社直後の9時~10時と昼休み直後の13時~14時が一日のうちのアクセスピークになっています。
さて、そんな話は良いとして、以下はNSJ日本証券新聞よりの転載です。新政権の誕生でカジノ合法化が浮上とのこと。
新政権誕生で「カジノ」に再度関心
http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=267269&dt=2011-08-16
菅直人首相の退陣から民主党新代表選出の動きが具体化、新政権への移行で再度話題になりそうなのが「カジノ」の合法化だ。日米欧で財政難が深刻化するなかで、カジノは税収増に貢献する切り札との期待も強いだけに関連銘柄は引き続き注目しておきたい。
新政権が誕生した場合、野党・自民党と公明党も閣外協力に前向きとされている。カジノの合法化を目指す超党派の国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)は民主党や自民党、公明党、国民新党、みんなの党など超党派で結成されているということもあり、税収増を図るという命題からも先延ばしとなっていた法案が認可される期待も高まろう。また、すでに6月には震災後初の総会も開催されており、収益金を復興財源とする方針も議論されていた経緯もあるだけにこれまで以上に実現の可能性は高まっている。[...]
しかし、日本金銭やユニバーサルは良しとして、オーイズミだとかマースだとかがカジノ関連株としていつも推奨されるのは何故でしょうね? 業界人からしてみれば、オーイズミ&マースをカジノ関連企業とは(今のところ)見ていないですし、公開企業でもっとカジノに直接関与しそうな企業はあるのですが。。
私も知り合いが多いのであまり滅多な事はいえませんが(そして、お客様になる事も多い)、この辺が広く浅くしか業界をカバーできない証券系アナリストさんの限界と言ったところかもしれません。
2011年08月18日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ法草案に明確に足りないもの
8月に超党派カジノ議連から「叩き台」として発表された会長私案。私としても気になる点は沢山あるのですが、明確に判りやすい不備をひとつ指摘したいと思います。それは、ゲームの最低払出率(最高控除率)が規定されていないこと。
カジノゲームというのはギャンブルですから、当然、そこには控除率というものが存在します。しかし、これが著しく事業者にとって有利(プレイヤーにとって不利)なものである場合、それは社会的にみて公正なゲームとはいえません。よって、多くのカジノを合法とする国や地域では、法律によって胴元がプレイヤーに対して最低でも払い出さなければならない率というものを規定しているのです。
例えば、米国ネバダ州のゲーミング規正法には以下のような規定があります。
14.040 ゲーミング機器 最低基準
承認を得ようとする全てのゲーム機器は、
1. 数学的に払い出しの理論値を証明できなければならない。また、その比率は機器で遊ぶために必要な賭け金額の75%を下回ってはならない。
(a) プレイヤーのスキルが影響するゲーム機器は、一定の連続するプレイの中で最もプレイヤーに有利な手法でプレイした時に上記の基準を満たさなければならない。
(b) 委員長はその基準がゲームデザインそのものを毀損すると認めた、もしくはすべての掛け金が等しく75%以上を払い出すことが相応しくないと認めた上で、機器が以下の2~6の基準を満たしている場合には75%基準を阻却することがある。[...]
同様に米国ニュージャージ州ならば83%。オーストラリアのクインズランド州ならば85%、ビクトリア州ならば87%。最も最近出来たシンガポールの法律では90%。こういった規定が、近代的なカジノ法を採用する国には必ず存在します。要は、ギャンブルを合法とする際に必須となる「事業者には著しくプレイヤーに不利なゲームの提供はさせません」という、政府と国民のお約束みたいなものです。
これは別にカジノ法に限った事ではなく、我が国の既存の賭博法である競馬法、競艇法、競輪法、オートレース法、当せん金付証票法、スポーツ振興投票法などにも、似たような規定があるのは皆さんもご存知の通り(正確にはちょっと意味合いが違うのだが)。いずれにせよ賭博法として最低限必要な規定といっても良いと思います。
本当ならばこのような規定が我が国のカジノ法にも含まれていなければならないのですが、残念ながら今のところ法案にはそういう規定が含まれていない。そういった最も基本的なことがスッポリ抜けていたりするのは、未だ必要な検証が不足しているが故だと私は考えます。
2010年10月28日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html?p=2
カジノとパチンコの話は別②
私のところにも、カジノ合法化に関して関係各所でどのような論議が行なわれているかが漏れ聞こえてくるのですが、意図的になのか、それとも不理解からなのか、どうもカジノとパチンコの話をゴチャ混ぜにしたがる方が相変わらず多いようで閉口してしまいます。
===========
(賭博)
第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
===========
このブログ上で散々、繰り返している事なので皆まで書きませんが、そういう方々はもう一度、刑法185条の下線部分が我が国の中でどのように法的に解釈され、運用されてきたのかを勉強し直した方が良いと思います。
「我が国においては、射幸性を持つ遊びのすべてが賭博と目されている訳ではない。」
若干、レトリカルな表現となってしまいますが、別にこれは我が国だけの特殊な考え方ではなく、欧州圏にもギャンブルとAWP(Amusement with Prize:景品付き娯楽)、もしくはSWP(Skill with Prize:景品付き技術ゲーム)を法律上で明確に区分している国はあります。
その辺が頭の中でしっかりと整理されていないためか、間違った用語の使い方、不用意な論理の建て方をする人間が、世の中で業界専門家と評されている人の中にも多すぎる。非常に残念な事です。
2010年05月19日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html?p=2
「カジノは日本の文化に馴染まない...」論について
日本のカジノ合法化については様々な反論の仕方をする方がいて、私も立場柄そういう方々と良くお話をする。私自身は自分がカジノ専門家であるにも関わらず、必ずしも「日本にカジノが無ければならない」という強力な主張をする人間ではないので、各種反論を比較的真正面から受け止めてお話をするタイプの専門家であると自己分析している。(もちろん相手の間違った認識は正すが...)
しかし、その中でも、どうも相容れない主張が「カジノは日本の文化に馴染まない」的な反論。そのような反論の仕方をする人が実は世の中に結構多いのだが、それを聞くたびに私としては「勝手な個人の価値観でよくもそのような無責任な発言をするもんだ」と思ってしまう。
◆
例えば、現在は皆さんが普通に利用しているホテルを考えてみて欲しい。当たり前だが、これは元々西洋文化圏から発祥した産業であるのだが、皆さんは日本でもそこそこ長い歴史のある産業であると勘違いしていないだろうか? 現在、これほどまでに街中で見かけるホテルであるが、驚くべきことに日本で本格的にホテル産業がスタートしたのは東京オリンピック以降のことである。もちろん、ホテルという施設そのものは西洋人が日本に入ってきた幕末のころから存在するが、当時のホテルは基本的に海外から来た要人を泊める迎賓館的なもの。昭和の世になる東京オリンピック直前まで、圧倒的大多数の日本人は宿屋に泊まるというのが日本の文化だったのである。
それが今はどうなったか? 皆さんは温泉以外の用途で宿屋を利用した事があるだろうか? 私においては中学時代の修学旅行が温泉旅館以外で唯一の宿屋体験である。
1964年の東京オリンピック以降、たった数十年の間にホテルという業態は急速に我が国の文化に根付き、あっという間に宿屋に取って代わる存在となった。それどころか、我々日本人は西洋から始まったホテル文化をさらに独自に発展させ、その短期間に宴会事業という新たなビジネスモデルまで作り出した。現在、日本の多くのホテルにとって宴会場は必要不可欠なビックビジネスとなったが、このようなビジネス構造はオリジナルの西洋ホテル産業の中ではあまり見ないものである。
そして、そのホテルの宴会場ビジネスがさらに発展して、近年、日本ではブライダル産業という一大産業分野が生まれたのも皆さんがご存知の通り。私にとってみれば、「あの」ワタベが東証一部に上場するなど、今になっても信じられないほどである。(別にワタベが悪いという意味ではなくて、元来ブライダル産業そのものが一部上場できるような大型産業として認識されていなかった。)
◆
上記のように、西洋の文化が短期間であっという間に根付き、それが独自の発展をすることによって、新たな経済の活力に繋がった好例が沢山ある中で、「カジノは日本の文化に馴染まない」という主張をする方々は、一体何を根拠に、どれほどの自信を持って自説を説いているのか? そういう方々が私の前に現れるたびに、注意深く彼らの意見を拝聴するのだが、正直、全く要領を得たことがない。私には、彼らが「個人的な好き嫌い」を一般化してしまっているようにしか聞こえないのだ。私だって逆に「必ずカジノは日本人に受け入れられる」と断言はできないが、少なくとも数あるアンケート調査では国内にカジノに興味を持つ層が少なからずいるであろうことは判っている。個人の価値観ではなく、少なくともそれなりの根拠を持ってモノを語っているのである。
しかも、そのようなカジノ反対論を振り回す当の本人が、ホテル産業に属する人間だったりすることも多いのが困ったもの。(ホテル産業の方々は自分こそがあらゆるホスピタリティ産業の頂点にいるという自負をお持ちの事が多いので、他の関連産業に「ひとこと」モノ申したがる方が多いのだ。) 私の立場からすると、たった50年足らずで1000年以上我が国で脈々と続いてきた宿屋文化に取って代わった産業の人間が、その後を追って新しく入ってくる産業に対して「日本の文化に馴染まない」などと「したり顔」で主張するのは、質の悪い冗談にしか聞こえないのである。
2010年04月01日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html?p=2
カジノと射幸性論議
11月16日の投稿で解説したとおり、風適法はパチンコに一定の射幸心をそそる性質があることを前提に、それを刑法で禁止される「賭博」と明確に区別し、その営業を認めている。
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/774267.html
その中で最も重要なポイントとなるのは、パチンコが遊技業である限り「技術をもって遊ぶ」ことが主目的であるべきで、そこから得られる様々な結果はあくまで副次的なものでなければならないという点である。パチンコ店はその関係が逆転してしまうような著しく射幸心をそそる営業を行なってはならないし、遊技機はその射幸性(射幸心をそそる度合い)において、一定の基準を超えてはならない。このように考えると、パチンコ業における「射幸性」という概念は、その業の存在そのものを定義づける非常に重要な概念であることがわかる。
一方、それと比較してカジノというものを考えた場合、射幸性という概念はパチンコ業におけるそれほど重要ではないことがわかる。そもそも「賭博」として定義づけられるカジノにおいて、その営業や各種ゲームが射幸心をそそる性質を持っているのは至極当然のことである。あくまで「遊技」であらなければならない遊技業とは異なり、プレイヤーの主目的が「遊び」にあるか、もしくはその「結果」にあるかと線引きする事はそれほど意味を持たない。諸外国のカジノゲーム規定はそういった要素よりも、むしろ「ゲームとしての公平性」に重点をおいて制度設計が行なわれるのが一般的だ。
現在の我が国におけるカジノ法制論議ではこの辺りを混同して、カジノ業の中に遊技業における射幸性論議のようなものをそのまま持ち込もうとする向きもある。しかし、私はそれは完全に間違ったアプローチだと考える。一度、基本に立ち戻って「遊技とはなんたるか」「賭博とはなんたるか」という基本的な部分の再確認をすることが必要だろう。
私は、これを突き詰めてゆくと最終的には我が国におけるゲーミング産業の再点検に繋がると考えている。カジノ、パチンコ、公営賭博(ひょっとするとゲームセンターも)。我が国のゲーミング産業はそれぞれがバラバラの統制システムの下で動いているが、もう少し一体的な運用が行なわれても良いはずだ。
2009年11月19日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_70301.html?p=2
総合特区でのカジノ導入論議、中間報告
我が国の経済成長戦略の一環として民主党政権が掲げている総合特区におけるカジノの取り扱いについて、先日の総務委員会にて柿沢未途議員が質問をしてくれました。これによって現在の総合特区の中でのカジノ論議の一端が見えてきました。
逢坂政務官:
カジノについては、刑法の賭博罪に該当しうるものであり、地域限定での規制緩和になじまないというのが現時点での政府の見解。今後、色々な提案が出てくると思うが、それらを現時点でどうするか、どうできるかという見通しを語れる時期ではない。
http://bit.ly/jepdbG
(24分あたりから)
おそらく法務省の見解をそのまま答弁として使っているのだと想像しますが、相変わらず法務省はノラリクラリと言い訳を付けてカジノ合法化論議をかわそうと必死のようです。私がこの見解に対してもっとも納得がゆかないのは、小泉政権時に出来た構造改革特区におけるカジノ論議との整合性が全く取れない答弁となっている点。
小泉政権時に出来た構造改革特区は、我が国の構造改革を進めるための社会実験場として設定された特別区で、ここで試されて成果を見せた施策を最終的には全国に一律で採用することを目指すものと位置付けられていました。上記動画内で柿沢議員が説明しているように、この構造改革特区の提案募集においても全国の様々な自治体からカジノ特区提案が行われました。しかし、その提案はすべて文字通りの門前払いを喰らい、その検討すらなされなかったというのが当時の状況です。
その時に門前払いをした法務省の見解は、「構造改革特区で認められた特別施策は最終的に全国的な採用を目指すものであり、刑法や税に関する項目はこの特区の論議にはなじまない」というもの。要は、刑法で禁じられている賭博を構造改革特区内で特別に認めるということは、最終的に賭博罪の適用を全国的に免除するという論議になる。全国自治体から上げられてくるカジノ特区の提案は、そういった構造改革特区の基本精神と別のところに目標を置いたもの(自分の地域だけに特別にカジノを認めてくれという提案)であるからして、構造改革特区内でその対応はできないという主張でした。各種免税特区の提案に関しても、同じ論理で当時は門前払いされました。
今回、柿沢議員が改めて「自民党時代の構造改革特区で門前払いされたカジノ特区案が、今回の民主党政権下で検討されている総合特区内で実現する可能性があるか」と問うているのは、一見、同じような特区案に見える構造改革特区と総合特区の間に全く異なる基本精神が存在するからです。民主党は今回の総合特区の目標を、「地域の独自性を持った施策を実現することによって、国際競争力の拡充、もしくは地域の経済発展に繋げる」と説明してきました。そして当初から、「この特区で実現される様々な法的措置は、あくまでその地域独自のものとして採用されるものであり、自民党時代の構造改革特区のようにそれを全国一律な適用を目指すものではない。だからこそ、以前の特区では実現できなかったより大胆な施策が可能となる。」と説明してきた訳です。
ここまでを正確にご理解いただいた上で、改めて逢坂政務官の答弁を見直すと、その見解に矛盾が出てきているのが判ります。
カジノについては、刑法の賭博罪に該当しうるものであり、地域限定での規制緩和になじまないというのが現時点での政府の見解。
全国的な制度改革を進めるための社会実験場として設置された以前の構造改革特区の時には「刑法の賭博罪に該当するものを、将来的に全国に採用するわけにはいかない。カジノは構造改革特区になじまない」と門前払いをしながら、あくまで地域の独自性をもった施策を目指すものとして設定された今回の総合特区案においては「刑法の賭博罪に該当するものは、地域限定での規制緩和になじまない」として退ける。過去からの経緯をずっと追っている私からすれば、論理矛盾も甚だしい答弁となっているわけです。
一応、逢坂政務官にフォローを入れておくと、ここでの答弁はあくまで現時点かつ建前論としての政府見解であって、民主党内の総合特区論議の中ではカジノに関して担当政務官を中心に相当前向きに突っ込んだ論議が為されたと聞いています。これを抑える形で動いたのが役所サイドであり、「刑法の賭博罪に該当しうるものであり、地域限定での規制緩和になじまない」などという以前の見解と完全に矛盾する論法を振り回してそれを退けたという事。非常に残念なことですが、政治家側にこの辺りの経緯を熟知しているブレーンが付いていなかったために、役所サイドのご都合主義の論法に丸め込まれてしまったということです。私からしてみると、カジノ合法化などという面倒くさい論議を避けたい官僚側のサボタージュにしか見えないですが。
柿沢議員も上記の動画内で述べている通り、逢坂政務官の答弁は未だ論議の余地を残す「含み」を持たせたものとなっています。一方で、役所側では正直言って殆どの人間がカジノ合法化の検討などという大仕事を、ただただ「面倒くさい」と考えており、それを回避する論法をかなり強引に構築しようとしている節があります。この案件を前に進めるためにはやはり強力な政治側のリーダーシップとそれを支える民意が必要。そのためにもやはり我々が大きな声を上げ、その施策を前に進めるための推進力を作ってゆくしかないのです。
2011年04月29日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html
震災復興カジノを提案します
注)アゴラ、ブロゴスに掲載された記事は不完全なものなのでこちらに完全版を再掲致します。あのメディアは自分の意見を沢山の人達に聞いてもらう場としては非常に良いのですが、投稿に編集者を挟むため時に自分の意図と違う形で掲載されてしまったりするのがタマに傷です。。
◆
3月15日にここで提案させて頂いた全国規模の震災復興宝くじの発行は、すでに検討段階に入ったとの情報を関係者より伺っております。より多くの復興資金獲得のためにも、なるべく早い時期に全国民を巻き込む形で発行まで至って欲しいものです。
さて、先の宝くじの提案の時にも「ギャンブルで復興資金獲得など許されない」という良識派(?)の方の意見も頂きましたが、ギャンブルの専門家である私の立場から、もう一つ彼らに怒られそうな提案を差し上げたいと思います。それが「カジノ導入を利用した災害復興」の提案です。先の投稿からの繰り返しになりますがギャンブルというと眉をひそめる人も多いでしょうが、実は多くの国において緊急で必要となる公共財源を広く市井から集める手段として利用されています。災害復興においてもそれは同様で、間近では2005年に米国を襲ったハリケーンカトリーナからの復興計画の中でカジノが利用されました。
カトリーナは2005年8月に米国南東部を襲った大型ハリケーン、最大風速78m/s、上陸時の最大風速65m/sの全米史上最大級の自然災害です。このカトリーナ被害と今回我が国を襲った東日本大震災の共通点は、大規模な水害で湾岸沿いの広範囲の街が文字通り瓦礫の山と化してしまった点にあります。カトリーナはその襲来が事前予測されたため死者数こそ1,557人程度だったものの、倒壊家屋35万戸、家を失った居住者80万人、被災による失業者55万人という大きな被害をもたらしました。被害総額は約15兆円と試算されており、今回の震災が起こるまでは世界最大の被害額を生んだ自然災害でした。
この米国を襲った未曾有の大災害の際に、米国で災害復興に利用されたのがカジノです。災害復興にはインフラの復旧、被災者への直接援助、地域産業の復興、雇用の創出など広範囲の対策が同期的に必要です。米国政府はカトリーナ被害に対して5年で約10兆円にも及ぶ緊急予算を組みましたが、全被害を政府の拠出金だけで補うことは不可能です。そこで米国、なかでも最も被害が大きかった州のひとつであるミシシッピ州で採用されたのがカジノ導入による民間資本の活用でした。
ミシシッピ州は最も被害が大きく、復興が困難とされた河岸地域をカジノ開発地域と定め、民間資本の誘引を積極的に行いました。この施策によって集まった資本はカジノ開発への直接投資だけで約2.6兆円にも及びます。この投資が呼び水となって、地域にショッピングセンターやゴルフ場、宅地造成など様々な開発投資が行われました。ミシシッピ州の被災地はその後急速に回復し、被災当初35万個あった倒壊家屋は約5年で90%が回復し、現在では疎開していた住民の95%が地域に帰還しています。
また、ミシシッピ州ではカジノ導入によって観光産業を中心とした新たな雇用が生まれました。現在、ミシシッピ州のカジノ訪問客数は年間3,100万人、うち70%が州外からの観光客です。ミシシッピ州カジノは現在、2.5万人を雇用する地域の主要産業の一つとなっており、周辺住民に対して落とす支払給与総額は684億円にも及んでいます。もちろん、地域に観光客が来訪することによって様々な周辺産業に相乗効果が生まれています。
そして何よりもカジノを利用した復興施策の最大の利点は、その施策が新たな復興財源を生むことにあります。ミシシッピ州では11.2%のカジノ税がカジノの売上に対して課されています。2010年現在、ミシシッピ州のカジノ税収は年間240億円。被災時から累計で約1,500億円が被災自治体に渡り、その他の復興施策に役立てられています。被災地に対する様々な復興アイデアはあれども、民間資本導入、雇用対策と同時に新たな財源を生むことのできる施策というのは、カジノ導入以外にはないと言って良いでしょう。
実は、上記のようなカジノを利用した復興案は、我が国においても1995年の阪神淡路大震災の際にもアイデアとして出されていました。しかし、その実現のためには国レベルでカジノを合法とする特別法の制定が必要であり、時間もかかる事からすぐにその案は立ち消えました。一方、阪神淡路大震災から16年を経た現在、その環境は一変しています。2006年、我が国では当時与党であった自民党の政務調査会内にカジノ・エンターテイメント検討小委員会が発足し、同年6月にはカジノ合法化基本方針が発表されています。政権が民主党に移った現在においてもこの検討は引き継がれており、現在、観光庁および内閣府の中で合法化の是非について論議が行われています。昨年には民主党、自民党など5党からなる超党派議連から、カジノ法案の骨子までが発表されている状況。カジノ導入を利用した復興案は、もはや我が国にとって絵空事ではなく「実現可能なアイデア」として提案できるレベルにまで来ているといって良いでしょう。
被災地の復興は10年がかりの長い計画となりますが、ぜひその計画の一部としてカジノ導入ご検討頂ければ幸いです。なお、より詳細な提案内容に関しては以下リンク先に纏めております。ご興味のある方はご一読下さい。
http://www.zumodrive.com/share/bJIDZmU5MW
2011年04月13日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html
ハウステンボスのカジノクルーズ営業は犯罪!?
先週あたり一気にニュースが広がったテンボスクルーズ・パナマ社のカジノクルーズ営業に関して、弁護士さんが法的に問題があるという書き方をしているのを見つけました。
弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110109
[...]こういった目的で船を運航する以上、様々な人々が運航を支えることになりますが、そういった行為が、賭博開張図利罪、(常習)賭博罪の幇助犯と評価される可能性が高いでしょう。ギャンブルを行うための道具を船内に運び込んで設置するなど、数え上げればきりがないと思います。
長崎も拠点とするわけですから、上記のような幇助行為が日本国内で行われれば(必然的に行われるでしょう)、正に国内犯であり、検挙の対象になることから逃れる理屈は見出せません。こういった事業に資金提供する行為が日本国内で行われれば、やはり国内犯としての幇助犯で、捕まっても何ら不思議ではありません。
運営の形態によっては、賭博開張図利罪や常習賭博罪(客とディーラーが相対で勝負する形態ならディーラー側にも常習賭博罪が成立するでしょう)の共謀共同正犯が日本国内にもいる、ということになる可能性が高いと思われますが、その場合、犯罪地は日本となり、正犯全員について国内犯が成立するというのが最高裁の判例で(最判平成6年12月9日)、かなり恐ろしいことになる可能性が高いでしょう。[...]
ただし、残念ながら私には上記主張が全く理解できないです。
テンボスクルーズ社はパナマに本社を置く国外企業であり、カジノ営業が行われるのは日本の司法管轄権の及ばない公海上です。日本の国内法は国外でカジノ営業を行う事業者を罰することは出来ない上に、日本人が国外のカジノで遊ぶ事を罰することもできないです。よって、そこには賭博開張図利罪も常習賭博罪も成立しません。ということは、その成立し得ない犯罪に対する幇助罪も成立し得ないです。
落合氏のいう論法が成立してしまえば、HISもJTBも近ツリも海外カジノに送客する旅行代理店はすべてが幇助犯になってしまいます。海外カジノで働いている日本人ディーラーは、帰国した途端に共同正犯が成立し常習賭博罪でお縄になることとなります。海外カジノの会計監査部で働いていた私も当然、賭博開張図利幇助と常習賭博幇助で捕まることになりますが、そんな事はどのように国内法を解釈をしたとしても起こり得ません。
もし「賭博罪の幇助犯と評価される可能性が高い」という見解が、法律の専門家としての根拠ある主張だと考えているのならば、ぜひもう少し詳しく解説を頂きたい所ですね。
私としてはテンボスクルーズ社のケースで違法性が問われる唯一の可能性は、船籍の取得方法の部分のみだと考えています。この報道を見て、「何だそんな簡単に合法カジノが営業ができるんだ」と考える人もいるかもしれませんが、実は「海洋法に関する国際連合条約」では
第91条 船舶の国籍
1 いずれの国も、船舶に対する国籍の許与、自国の領域内における船舶の登録及び自国の旗を掲げる権利に関する条件を定める。船舶は、その旗を掲げる権利を有する国の国籍を有する。その国と当該船舶との間には、真正な関係が存在しなければならない。
上記のように定めており、実体のないダミー会社を設立するような形式では船籍を取得してはならないことになっています。ただし、この「真正な関係」という表現は非常に観念的かつ曖昧なものであり、各国によってその解釈はバラバラです。この点に関しては、少なくともパナマの船舶法に順じて船籍の取得手続きが行われていればそこに違法性が問われることはない。
よってテンボスクルーズ社によるカジノクルーズの営業は合法である。以上が私の見解です。
2011年01月25日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=2
カジノ施設など整備へ、各党有志の議連が法案
さてさて、何やらトンデモなく忙しいわけですが、ようやくIR議連において法案の準備が完了したニュースが報道されましたね。以下、読売新聞からの抜粋。
カジノ施設など整備へ、各党有志の議連が法案
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110825-OYT1T00858.htm?from=main3
民主、自民、公明、みんなの党の各党有志でつくる「国際観光産業振興議員連盟」(会長・古賀一成民主党衆院議員)は25日の総会で、カジノを中心とした複合観光施設を国内に整備するための議員立法をまとめた。
〈1〉内閣に推進本部を設置する
〈2〉カジノ施設の収益を東日本大震災の復興費用に充てられるようにする
――などの内容だ。次期臨時国会に提出し、早期成立を目指す方針だ。 カジノ建設は、石原慎太郎東京都知事が提唱しているほか、北海道、大阪、沖縄などで誘致に向けた動きがある。ただ、同議連は「特定地域を想定はしていない」としている。
ただ、この案件に興味を持って見守っていた方々の中には、上記ニュースを見て「うん?!」と思った人も多いでしょう。昨年も同じような報道ありませんでしたっけ?
以下、昨年4月Sankei Bizによる報道。
【Sankei Biz 2010年4月9日報道】 (古い記事なので参照先はご勘弁ください。)
ついに日本でもカジノ合法化!早ければ秋にも成立
カジノ合法化を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」が14日に設立されることが8日、分かった。 民主党がまとめた原案も明らかになった。議連では原案をたたき台に法案を作り、早ければ秋の臨時国会に議員立法で提出、成立を目指す方針。
議連には民主、自民、公明、国民新、みんなの各党議員が名を連ね、100人を上回る見通し。社民党にも参加を呼びかけている。設立総会では、会長に民主党の古賀一成、会長代行に自民党の岩屋毅、幹事長に民主党の牧義夫の各氏が選出される運びとなっている。
民主党案はカジノが賭博を禁じる刑法に抵触しないように立法措置を講じる内容。
地方公共団体などが施行主体となり、申請を受けて国の主務大臣(国土交通相など)が指定。
施行主体はカジノの建設、維持管理、運営などを公募で選んだ民間事業者に委託する。
カジノ合法化には、共産党や社民党の一部を除き、厳格な運営が確保されれば各党議員の多くが賛成するとみられ、法案が提出されれば成立する公算が大きい。 すでにカジノの設立先として東京、北海道、沖縄などが挙がっている。
という事で、あたかもデジャヴを見ているかのような今回の報道ではありますが、実は昨年のニュース時に提示された法案と今回提示された法案は、その内容において大きく異なります。どのメディアもその違いが理解できていないので報じていませんが、IR議連の中にカジノ合法化に向けた大きな方針転換があったという事です。
昨年まで議連が纏めていたものは、以前、このブログ内でもご紹介したことのある俗に「カジノ法私案」と呼ばれていた法案。これは、議連側で細則までを含めたカジノ業法をまとめ、それを議員立法として国会に通そうとするものでした。
一方で、今回IR議連において最終案として承認され、発表が行われた法律はこれとは性質が全く異なる「プログラム法(もしくはスケジュール法)」と呼ばれる法案です。プログラム法とは特定の政策を実現するために、その基本理念やタイムライン、それを担当する行政組織の指定のみを示した簡素な法律のこと。要は、以前のような細則までを含む重厚な法案を立法府側で用意するのではなく、大局的な方針を立法府が示し、その先に必要となる具体的かつ、細かな進行は役所側に任せるという方針に切り替えられたという事です。
◆
民主党政権が成立した当初から彼らが選挙の中で挙げていた「政治主導」という言葉が曲解され、それが各所での政治停滞の一因なってきました。本来は「官僚を使う」立場であるはずの議員が、どちらかというと「官僚排除」的な手法論を採用し、「尊大なるシロウト集団」として事務方の仕事にまで手を出そうとする。その最たるものが菅政権における震災対応であり、非常に偏った形の特定の民間有識者会議を乱立させ、官僚抜きであらゆる問題に対応しようとした。しかし、結果何も物事が動かず、猛烈な批判の対象となったのは皆さんもご存知の通りです。
実は、それと同様の手法が、民主党政権成立以降のカジノ合法化の検討においても行われてきました。本来は官僚が行うような細かな制度設計に関しても議連側が準備し、「政治主導」の名の下でそれを実現しようとした。そのために、思想の偏った民間有識者集団があたかも「御前会議」のように召集され(といっても実質一人なのだが)、彼らの手元で作られたのが先にご紹介したカジノ法私案だったのです。
ところが、そのような手法でいざカジノ法私案が完成し、各省庁にこの法案に対する答申をした段階で風向きが変わってきました。各関連省庁にカジノ法私案に関する答申求めたところ、膨大な量の問題点の指摘がなされて付き返されてきたのです。もちろんこれには「官僚側の抵抗」という面も一部含まれているのかもしれません。しかし、一方で先日私が指摘したような現行制度との不整合など、カジノ法私案の持つ根源的な問題も含まれたものでした。この答申が行われたのは今年の6月から7月にかけてなのですが、私は省庁側の答申文書を拝見して「こりゃ、予想以上に時間がかかるぞ」と内心思ったものです。
しかし、その後のIR議連の決断は、私の予想を「良い方向で」裏切る非常に見事なものでした。IR議連はそれまで検討してきた制度案に拘らず、詰めの作業を役所の手に任せることをいち早く決断。一部の民間人の手で作られた「カジノ法私案」を取り下げ、非常に簡素に「カジノ合法化のための工程表」のみを示したプログラム法を策定しました。我が国のカジノ合法化が、いち早く震災復興および我が国全体の経済復興に資するために、最も現実的にそれが実現する手法を選択したという事です。
「君子豹変す、小人面を革む(「大人物は間違いをすぐに認めて方針転換するのに対し、小人物はそれができない」の意)」といいますが、私は今回のIR議連の大きな方針転換には心から賞賛の意を示したい。新たに示されたプログラム法には「観光振興、地域経済振興、財政改善を目的として、カジノを合法化する」、そして「この法律の施行後2年以内にカジノの導入に必要な措置を行う」という事が、非常に簡素に記載されています。間違った手法の選択によって延々と進まなかったカジノ法の上程が、たったの1ヶ月で一気に前進したわけですから、「この無駄な2年間は何だったのか?」という思いは若干ありますが、これでやっと我々は「カジノ合法化をすべきか、否か」という一点において純粋に合法化論を展開する事ができるようになった。ここは、まさに「君子豹変す」を体現した議連の決断を称えるべきであると考えます。
IR議連に所属する各党議員は、今秋の臨時国会に向けてそれぞれの政調において意見調整を行うとのこと。我々民間サイドも、ぜひ国民的な論議を巻き起こし、早期の成立を目指したいものです。あとは、この法律を通せるかどうかだけ。いよいよ最後の審判が迫っています。
2011年08月27日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54706.html
カジノ法案:完全に間違っている部分
昨日は、現在のカジノ法案の中で完全にスッポリ抜け落ちてしまっている論議をご紹介しました。本日は、「抜け落ちている」のではなく、何かしらの言及は行なわれているのだけれども、それが完全に間違った業界理解の元で作成されてしまっている例をご紹介しましょう。
カジノ法草案 第四十四条二項に以下のような記述があります。
二. ゲーミング区域において顧客に提供されるゲーム種、ゲームを実施するために必要となる器具、機械等の数、各ゲームに採用される遊技規則、賭け金のあり方等は、施行者の提案をもとに、カジノ管理機構がこれを、評価、審査し、許可する。
ここで示されている「施行者」とはカジノ運営事業者のことなのですが、このカジノ法草案の中ではカジノ運営事業者が行政に対してカジノ内で提供されるゲーム種やゲーム機器を提案し、許可を求めることになっています。
しかし通常、カジノ業界では特にゲーム種や各種機器の認可に関しては、機器メーカー(この草案内の用語でいえば「関連製造家」)が行政に対して提案を行い、認可された機器をカジノ事業者が購買し、顧客へと提供するものです。現在の草案の中では、その関係性が完全に逆転してしまっており、これでは産業が正常に機能しません。特に、「各ゲームに採用される遊技規則」などにおいては、カジノ運営事業者はまるで判らないでしょう。この点は明らかな産業に対する認識不足から生まれた、制度設計上の間違いといって良いです。
ちなみにここで言うゲーム種とは、マシン、テーブルの両方におけるゲームのことを指します。マシンゲームを機器メーカーが開発しているというのは皆さんも想像に難くはないと思いますが、実はテーブルゲームに関してもゲームの開発はメーカーが行なうもの。マシンゲームと同様に、新しいルールのゲームを開発し、行政からそのゲームの認可を取得し、それをカジノ事業者が導入するものなのです。最近では、世界的なポーカー人気もあって、ポーカーを改良した新しいテーブルゲームが沢山世の中に生まれていますね。
上記は、現・カジノ法草案における最も判りやすい間違いの例ですが、もう少し細かいものはまだまだ沢山あります。
2010年10月29日
引用元:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/cat_54631.html?p=2
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